小学校受験では、多くの国立・私立小学校がペーパーテストを実施しています。
このペーパーテストは、単に学力を測るものではなく、思考力・記憶力・判断力など、さまざまな能力を総合的に見るための試験です。
そのため、小学校受験では年長児にひらがなを書かせることは基本的にありません。
一部例外として自分の名前を書く学校はありますが、多くの場合はプリント上に、
・◯
・△
・□
・×
といった記号を書かせる程度です。
しかし「記号を書く程度」とはいえ、筆圧が弱すぎる・形が崩れている・先生が読み取れないといった状態では評価につながりません。
そこで重要になるのが「運筆」です。
運筆とは何か
運筆とは、文字や絵を書く際の筆の運び方・動かし方を指します。
知育の観点では、
・目で見たものを手で再現する力
・手や指の力をコントロールする力
・線や形を正確に表現する力
といった能力を総合的に育てるものです。
大人は無意識に行っている「鉛筆の力加減」や「線の太さの調整」も、幼い子どもにとっては未知の感覚です。
クレヨンを渡すと、線が極端に薄くなったり、逆に力が強すぎて紙が破れてしまったりするのは、筆圧の感覚がまだ身についていないためです。
この「どれくらいの力で書くと、どのような線になるのか」を体感的に学ぶのが、運筆練習の大きな目的です。
運筆練習で伸びる5つの能力
認知能力
運筆を通して、文字や形を認識する力、読み書きの基礎が育ちます。
小学校受験では文字を書く機会は少ないものの、文字が読めることで絵本や図鑑を自分で読むことができ、語彙力や知識の幅が広がります。
巧緻性
鉛筆やクレヨンを握り、線や形を書くことで、指先や手のひらの細かな動きが鍛えられます。
巧緻性は、ボタンかけ・紐通し・紐結びなど、受験で必要となる課題にも直結します。
思考力
「どうすればもっと濃く書けるか」「力を入れすぎるとどうなるか」など、試行錯誤の経験が思考力を育てます。
すぐに大人が手を出さず、考える時間を与えることが重要です。
創造力
運筆ができるようになると、線や色の濃淡を使った表現が可能になります。
お絵描きや図形表現を通して、創造力の幅が広がっていきます。
集中力
線をなぞる、枠内に収める、見本を再現するなどの作業は集中力がなければできません。
毎日短時間でも運筆に取り組むことで、集中する力が自然と身についていきます。
年齢別|運筆練習の進め方
1歳半頃〜
物をぎゅっと握れるようになったら、まずはなぐり書きから始めます。
線や形になっていなくても問題ありません。
おすすめの道具
・太めのクレヨン
・口に入っても安全な素材のクレヨン
2〜3歳頃
なぐり書きに慣れてきたら、
・たて線
・よこ線
など、まっすぐな線をなぞる練習を取り入れます。
線の始まりと終わりを意識させることがポイントです。
3〜4歳頃
次に、
・波線
・ジグザグ線
・◯ △ □ ×
などの図形や記号へ進みます。
これは小学校受験で実際に書く形に直結します。
ひらがな練習について
ひらがなは五十音順で書く必要はありません。
「し」「く」「て」「い」「こ」など、単純な形から始めるのがおすすめです。
同時に「読む力」も一緒に育てることで、
「読めるから書きたい」という自然な流れが生まれます。
運筆練習で注意したいポイント
・無理に早く始めなくてよい
・「やらされている練習」にならないようにする
・嫌がる場合は一度中断する
・紙とタブレットの併用も可
運筆は大切ですが、勉強嫌いにつながってしまっては本末転倒です。
お子さまが楽しめる方法を最優先に考え、親御様の精神的負担にならない範囲で続けましょう。
まとめ
・運筆とは、筆の運び方・動かし方のこと
・小学校受験では記号を書く力として重要
・認知能力、巧緻性、思考力、創造力、集中力が育つ
・開始時期は1歳半頃が目安だが個人差あり
・遅く始めても、コツコツ続ければ必ず身につく
小学校受験対策としても、その後の小学校生活のためにも、運筆は非常に有効な家庭学習です。
無理なく、楽しく取り入れていきましょう。
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