【幼稚園受験】スマホ・動画との付き合い方|面接で「見せていません」は正解ではない
お子様に動画を見せている親御様から、「面接で聞かれたらどう答えればよいのか」「見せていると不利になるのか」「今から見せない家庭にしないといけないのか」というご相談を受けることがあります。
この記事では、面接で動画の話がどこで出てくるか、答え方、家庭のルールの作り方、考査への影響についてお話しします。園の例は、これまでの受験例と、受験されたご家庭の記録をもとにしています。年度で変わりますので、面接の形は各園の募集要項でご確認ください。園が何を見ているかは、私の経験からの見方です。また、動画がお子様の発達にどう影響するかという医学的な話は、この記事ではしません。
動画でも解説しています。
「見せていません」が正解ではありません
動画の話になったとき、多くの親御様が「見せていません」と答えたくなります。ただ、私はこの答えをおすすめしません。理由は二つです。
一つ目は、お子様が横にいるからです。多くの園で、面接にはお子様が同席します。「好きな遊びは何ですか」と聞かれて、お子様が動画のキャラクターの名前を答える。直前に親御様が「見せていません」と言っていたら、答えがずれます。そのあとは、落ち着いて話しにくくなります。
二つ目は、装った答えは、続きの質問に弱いからです。「雨の日はどう過ごしていますか」と続いたとき、本当のことなら、いくらでも話せます。作った答えは、そこで止まってしまいます。
本当に見せていないご家庭は、そう言ってよいと思います。そのときも、代わりに何をしているかを添えてください。見せているなら、隠さず、どう付き合っているかを話してください。
面接では、どの質問の中で出てくるか
幼稚園受験の面接質問をまとめた記事には、動画やスマホに関する質問が実際に並んでいます。詳しくは【幼稚園受験】面接で質問される内容をプロが解説にまとめていますが、ここでは動画に関わるものだけを取り出します。
- お父様への質問。「最近の子どもがスマホで動画を見たりアプリで遊んだりすることについてどう思うか」「子どもがゲームをすることについてどう思うか」「子どもがSNSをすることについてどう思うか」「子どもが家で遊ぶものはどのような基準で選んでいるか」。
- お母様への質問。「家で見せているテレビ番組や動画はどのような基準で選んでいるか」。
- お子様への質問。「家で見ているテレビや動画で一番好きなのは何か」「お父さんかお母さんのスマホを使ったことがあるか」。
つまり、動画の話は、聞かれる園があります。質問の形も「見せていますか」ではなく、「どう思うか」「どのような基準で選んでいるか」です。見せているかどうかより、親御様の考えと基準が問われています。年度や園で質問は変わりますので、最新の面接の形は募集要項でご確認ください。
また、直接は聞かれなくても、別の質問の中で出てくることがあります。
- 「子育てで大切にしていること」「しつけで気をつけていること」。子育てのほうは、これまでの受験例では少なくとも13園で聞かれ、お茶の水女子大学附属幼稚園では「一言で」という形でした。「生活のリズム」と答えれば、その具体として、動画やスマホの話になることがあります。
- 「休日の過ごし方」「家での過ごし方」。お父様への休日の質問は、桐朋、サンタ・セシリア、小さき花、光塩、晃華、枝光学園で聞かれています。「家で何をして遊んでいますか」と続けば、動画の話は避けて通れません。
- お子様への「好きな遊び」「熱中していること」。お子様の口から出ます。
面接の質問全般については、【幼稚園受験】面接でよく聞かれる質問と答え方のコツをプロが解説もご覧ください。
答え方は「ルール」「理由」「お子様の様子」の順
たとえば、次のような答え方です。
「見せています。平日は、夕食の支度のあいだに、リビングで、一本だけと決めています。私が手を離せない時間を決めたかったからです。終わると本人がリモコンで消して、最近は消したあとに、次は何する、と聞いてくるようになりました」。
この三つがそろうと、動画の話が子育ての話になります。見せていないご家庭も同じ型で、ルールの代わりに、代わりの時間を入れてください。
家庭のルールは、時間より「いつ・どこで・誰と」
ルールというと、「一日何分まで」と決めたくなります。ただ、時計が読めないお子様に「30分」は伝わりにくいと私は思います。私がおすすめしているのは、「いつ、どこで、誰と」で決めることです。
- いつ。生活の場面で決めます。夕食の支度のあいだ。電車に長く乗るとき。「ごはんの支度が終わったら、おしまい」なら、お子様にも分かります。
- どこで。場所で決めます。リビングのテレビで見る。寝室に持ち込まない。食卓では見ない。場所で決めると体で分かります。
- 誰と。ひとりで見るか、親御様と見るかです。
もう一つ、終わりの合図です。動画は、放っておくと次が始まります。「この一本で終わり」と始まる前に言ってください。そして、消すのはお子様の手で。
最後に、親御様のスマホです。お子様は毎日、親御様の使い方を見ています。食卓にスマホを置かない。お子様が話しかけたら、画面から目を上げる。ルールは、お子様にだけ課すものではありません。
家庭でのしつけが願書や面接でどう見られるかは、【幼稚園受験】家庭でのしつけはどう見られる?や、【幼稚園受験】願書に書くべき「家庭でのしつけ」の具体例と注意点でも詳しく説明しています。
願書の「好きな遊び」欄に動画を書いてよいか
面接の前に、願書の段階でも動画の話は出てきます。既存の願書記事の中には、遊びの欄についての具体的な注意があります。
明徳幼稚園の願書には、お友達と、屋内・屋外の好きな遊びを、それぞれ3つの枠に箇条書きのような形で記入する欄があります。この欄について、「DVD鑑賞」「ゲーム」といったものは記入してはいけない、と説明しています。屋外では、遊具での遊び以外にも自然を取り入れた遊びが好きであることを伝えると、体験の機会もしっかり作る親御様だという印象につながります。
カリタス幼稚園の願書についても、同じ方向の説明をしています。「動画鑑賞」「ゲーム」のようなものではなく、「廃材を使用した工作」「昆虫の観察」といった、お子様ご自身や親御様が工夫して遊びにつなげている内容のほうが好印象です。そして、その遊びを通じて、どういった性格が育っているかまで伝えることがポイントです。
ここで大事なのは、動画を見せてはいけないという話ではないことです。願書の遊びの欄は、お子様の好きなことを通して、ご家庭がどんな体験を用意しているかを伝える場です。動画が好きなお子様でも、そのキャラクターで始まったごっこ遊びや、見たものから広がった工作があるなら、そちらを書けます。面接で話すことと願書に書くことがずれないよう、ご夫婦でそろえておいてください。
親子あそびで見られるのは、普段の関わり方
動画との付き合い方は、親子あそびの考査にも関わると私は見ています。親子あそびは、多くの園で取り入れられている試験内容です。親子で一緒に絵本を読んだり、手遊びをしたりする中で、試験官の先生方は、普段の飾らない親子の姿を見ています。
既存の記事でお伝えしているのは、次の点です。親子あそびでは、普段、親御様とお子様がどのように遊んでいるか、親御様がお子様にどのような声かけをしているかが観察されます。ここ数年は、タブレットなどで動画を見たりゲームをしたりという遊びが増えています。タブレットなどをお子様に与えっぱなしのご家庭では、親子あそびにお子様が興味を持たない、というケースも見受けられるようです。
実際にあった考査の例に、新聞紙を使って親子で遊ぶ、というものがあります。新聞紙を折り紙にする、丸めてボールのようにする、といった遊び方があり、正解はなく、お子様が遊ぶ遊び方すべてが正解です。身の回りのものすべてをお子様の遊び材料と考えて、公園で葉っぱや木の実で遊ぶ、水たまりで遊ぶといった経験を重ねておくと、その場で慌てません。
動画を見せている時間を、少しだけ親子で遊ぶ時間に置き換える。それだけでも、親子あそびの準備になります。親子あそびの内容と対策は、幼稚園受験に受かる子はわかる!ポイントをプロが解説でも触れています。
考査への影響を、私はこう見ています
「動画を見せていると、考査で不利になりますか」。よく聞かれます。
動画を見せているかどうかを、園が直接見ているとは、私は考えていません。ただ、私の経験からの見方として、動画との付き合い方が出やすい場面は三つあります。
- 指示を聞く場面。先生の声で顔を上げるか。家で、動画を見ているお子様に声をかけて、返事が返ってくるか。日々の様子がそのまま出ると私は見ています。
- 待つ場面。考査の日の控え室で動画を見せることを、私はおすすめしていません。家で待つときにいつも動画を渡していると、動画なしで待つ経験が少なくなります。
- 切り替える場面。「おしまい」と言われて画面から離れられるか。家で毎日起きている「動画の終わり」は、この切り替えの練習場だと私は見ています。
見せていると結果がこうなる、という話ではありません。動画そのものより「やめ方」が、考査の場面に近いということです。座っていられない、切り替えが苦手といったお悩みは、【幼稚園受験】座っていられない子の対策|原因と家庭でできる取り組みも参考にしてください。
動画を「使う」側に回る
動画をなくす必要はないと私は考えています。使い方を変えればよい、という見方です。
一つは、一緒に見て、話すことです。親御様が横に座って、「今、何したの」「なんで泣いてるんだろうね」と言葉をはさむ。それだけで、受け身の時間ではなくなります。
もう一つは、見たものを、あとで言葉にすることです。夕食のときに「今日見たやつ、どんなお話だった」と聞く。一言でも答えたら、親御様が広げる。面接で「好きな遊び」に動画のキャラクターを挙げたとき、「その子と、どんな遊びをするの」まで話せるお子様は、動画をご家庭の遊びに取り込んでいます。
キャラクターがごっこ遊びに出てくるなら、動画はご家庭の中で「使われて」います。面接で隠す理由はないと私は思います。
見せている家庭が、面接前にしておきたいこと
動画を見せているご家庭が、面接の前にしておきたいことを整理します。大がかりなことは必要ありません。
まず、ご夫婦で今の実態を共有してください。お父様は「ほとんど見せていない」と思っていて、お母様は「夕食の支度のときは見せている」と思っている。このずれは、面接の答えのずれにつながります。今の使い方をそのまま話し合い、どう答えるかをそろえておきます。
次に、答えを作り込みすぎないことです。「ルール」「理由」「お子様の様子」の順で話すとはいっても、文章を暗記する必要はありません。一場面を思い出して、自分の言葉で話せるようにしておけば十分です。作った答えは、続きの質問に弱いからです。
そして、今から急に動画をやめようとしないことです。急な変更は、お子様にとっても親御様にとっても負担になります。使い方を少し変えるところから始めてください。「この一本で終わり」を始まる前に言う、消すのはお子様の手で。これだけでも、お子様の様子が少しずつ変わってきます。
ご家庭でできること
今日から、次の3つをお試しください。
- 今のルールを紙に一行で書く。「いつ、どこで、誰と」が埋まるか。埋まらないところが、決まっていないところです。
- 「この一本で終わり」を始まる前に言い、消すのはお子様の手で。一週間続けて、すっと消せた日とかかった日を、手帳に丸とバツで残します。面接で話す「お子様の様子」は、ここから取れます。
- 週に一度、一緒に見て話す。見終わったあと、「どこがおもしろかった」と一つだけ聞きます。お子様が動画を言葉にする練習になります。
まとめ
「見せていません」が正解ではありません。見せているなら、装わずに、ルール、理由、お子様の様子の順で話す。動画の話は、子育てで大切にしていること、休日の過ごし方、お子様の好きな遊びの中で出てくることがあります。これは私の見方です。
ルールは、時間より「いつ・どこで・誰と」。終わりは始まる前に言い、消すのはお子様の手で。考査に出やすいのは、動画そのものより「やめ方」だと私は見ています。一緒に見て、言葉にして、「使う」側に回ってください。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
-2.png)









