モンテッソーリとシュタイナー・レッジョの違い
幼児教育について調べていると、モンテッソーリ教育のほかに、シュタイナー教育やレッジョ・エミリア・アプローチという言葉もよく目にします。名前は聞いたことがあっても、違いを説明するのは難しいですよね。
この記事では、3つの教育をひとことで紹介し、大切にしていること、活動、先生の役割、園の環境を比べます。そのうえで、幼稚園受験を考えているご家庭が、園選びでどう考えればいいかを、元面接官の立場からお伝えします。どの教育が優れているかを決める記事ではありません。
3つの教育をひとことで
- モンテッソーリ教育:イタリアの医師マリア・モンテッソーリが考えた教育。子どもが自分で選んだ活動に集中し、くり返し取り組める環境を大切にする
- シュタイナー教育:ルドルフ・シュタイナーの考えをもとにした教育。1919年にドイツのシュトゥットガルトで最初の学校が開かれた。リズムのある生活や、芸術的な活動、想像力を大切にする
- レッジョ・エミリア・アプローチ:イタリアのレッジョ・エミリア市で、第二次世界大戦後に始まった幼児教育。ローリス・マラグッツィが中心となって広めた。子どもどうしの対話や、テーマを深めていく活動、記録を大切にする
比較表
| モンテッソーリ | シュタイナー | レッジョ・エミリア | |
|---|---|---|---|
| 大切にしていること | 自分で選び、集中してくり返す | 生活のリズム、想像力、芸術 | 対話、協同、子どもの表現 |
| 活動の例 | 日常生活の練習、感覚・数・言語・文化の活動 | 季節の行事、歌、絵、手仕事 | テーマを決めた探究、絵や工作での表現 |
| 先生の役割 | 環境を整え、観察し、見守る | 生活のリズムをつくり、模範となる | 一緒に考え、記録し、学びを広げる |
| 園の環境 | 子どもの手に合う道具を、取り出しやすく並べる | 自然素材や、やわらかい色合いを大切にする | アトリエなど、表現のための場をつくる |
表はそれぞれの教育の特徴をわかりやすくするための大まかな整理です。実際には、同じ教育を掲げる園でも、取り入れ方は園ごとに大きく違います。
3つに共通すること
3つの教育は違う点も多いですが、共通するところもあります。どれも、大人が一方的に教えこむのではなく、子どもが自分から興味を持って取り組むことを大切にしています。また、子どもを一人の人として尊重し、環境を整えることを重視している点も共通しています。
「どれを選ぶか」で迷ったときは、違いだけでなく、この共通点にも目を向けてみると、園選びの軸が見えてくるかもしれません。
モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育では、子どもが自分で選んだ活動に集中し、満足するまでくり返すことを大切にします。活動は「日常生活の練習」「感覚」「数」「言語」「文化」の5つの分野で説明されることが多く、白百合学園幼稚園やカリタス幼稚園の公式サイトでも紹介されています。
子どもの手に合う大きさの本物の道具を使い、使った物は元の場所に戻す。こうした流れの中で、自分のことを自分でする力が育つと考えられています。詳しくは白百合学園幼稚園の特徴とモンテッソーリ教育でもご紹介しています。
シュタイナー教育の特徴
シュタイナー教育では、毎日の生活のリズムを大切にします。同じ時間に同じことをくり返すことで、子どもが安心して過ごせると考えられています。
歌や絵、手仕事など、芸術的な活動が多いのも特徴です。季節の行事を大切にし、自然素材のおもちゃを使うことが多いと言われています。幼児期には、文字や数を早く教えるより、想像力や体の感覚を育てることを重視する考え方です。
レッジョ・エミリア・アプローチの特徴
レッジョ・エミリア・アプローチでは、子どもたちが興味を持ったテーマを、友だちや先生と一緒に深めていきます。たとえば「影」に興味を持ったら、影を観察したり、絵にかいたり、形を作ったりしながら、何週間もかけて探究していくこともあります。
子どもの言葉や作品を写真やメモで記録し、それをもとに先生や保護者と話し合うことも大切にされています。絵や工作など、子どもが自分の考えを表現するための場や素材が用意されているのも特徴です。
受験のある私立園ではどの教育が多い?
東京・神奈川の受験のある私立幼稚園で、公式サイトに「モンテッソーリ」の記載を確認できた園は、白百合学園幼稚園、関町白百合幼稚園、聖ドミニコ学園幼稚園、世田谷聖母幼稚園、小さき花の幼稚園、湘南白百合学園幼稚園、カリタス幼稚園などがあります。どの園もキリスト教を土台にしています。
一方、シュタイナー教育やレッジョ・エミリア・アプローチを掲げる受験のある私立幼稚園については、今回、公式サイトで確認できた園がなかったため、園名は挙げていません。受験のある私立園では、特定の教育法の名前を掲げるより、建学の精神や宗教教育を軸にしている園も多いです。
家庭に取り入れるときの考え方
家庭では、どれか1つの教育法を選んで完璧に取り入れる必要はありません。たとえば、モンテッソーリの「元の場所に戻す」、シュタイナーの「生活のリズム」、レッジョ・エミリアの「子どもの話をよく聞いて記録する」など、わが家に合う部分を取り入れてみてください。
たとえば、朝起きてから園に出かけるまでの流れを毎日同じにする、使ったおもちゃは決まったかごに戻す、子どもが話したことを絵と一緒にノートに書きとめておく。どれも、特別な道具がなくても今日から始められることです。
大切なのは、教育法の名前ではなく、子どもが自分から取り組む時間を、毎日の生活の中にどれだけつくれるかだと私は考えています。
園選びで大切なのは名前より「園の実際」
元面接官として感じるのは、同じ教育法を掲げていても、園によって雰囲気も、子どもたちの過ごし方も、まったく違うということです。名前だけで園を選ぶと、入園後に「思っていたのと違った」と感じることもあります。
説明会や見学会では、子どもたちの表情、先生の声のかけ方、1日の流れ、宗教教育の方針などを、自分の目で確かめてください。見学のときに使えるチェックシートを用意しました。
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まとめ
モンテッソーリは「自分で選び集中してくり返す」、シュタイナーは「生活のリズムと想像力」、レッジョ・エミリアは「対話と探究」を大切にする教育です。どれが優れているということはありません。受験のある私立園を考える場合は、教育法の名前より、園の実際の様子や宗教教育の方針に共感できるかを、見学で確かめましょう。
「どんな教育の園がわが子に合うのだろう」と迷うこともあると思います。そんなときは、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。家庭対策サポートの合格率95%(2024年度)という結果も、ご家庭が毎日の生活の中で積み重ねてきたことがあってこそだと私は考えています。わが家らしい準備の進め方を、一緒に考えていきましょう。
※この記事は、モンテッソーリの考え方を取り入れた家庭での関わり方を紹介する一般的な情報です。子どもの発達には個人差があります。道具を使う活動は大人がそばで見守ってください。発達について心配なことがあるときは、お住まいの自治体の相談窓口や医療機関にご相談ください。園の情報は2026年10月時点のものです。最新の情報は各園の公式サイトと募集要項でご確認ください。
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