【幼稚園受験】面接で子どもが答えられないとき|親がしてよいこと・避けること
面接で、お子様が黙ってしまったら。先生の質問に、うつむいたまま何も言えない。そのとき、隣に座っている親御様は、何をしてよくて、何を避けるべきなのでしょうか。
この記事では、お子様が面接で聞かれる質問の型と園別の実例、そして答えられないときの親御様の動き方を、元面接官の立場から整理します。
質問例は、これまでの受験例と、受験されたご家庭の記録をもとにしています。年度によって変わりますので、最新の情報は各園の募集要項でご確認ください。園がどう受け止めるかは、私の経験からの見方です。
面接全体の質問については、【幼稚園受験】面接で質問される内容をプロが解説もあわせてご覧ください。
動画でも解説しています。
お子様への質問は、5つの型に分かれます
園が違っても、お子様に聞かれることは似ています。
- お名前とお年
- 今日のこと。「誰と来ましたか」「どうやって来ましたか」「朝ごはんは何を食べましたか」
- 好きなもの。食べ物、遊び、絵本
- お家のこと。お手伝い、きょうだい、お母さんの作るお料理
- その場にあるもの。先生が見せた絵や、目の前に置かれた折り紙
この5つのうち、暗記で答えられるのは1つ目だけです。2つ目は、その日の朝を覚えているか。3つ目以降は、自分の言葉で言えるか。前日に覚えさせて間に合う質問は、ほとんどありません。
園別の実例:答えたあとに「もう一問」が来ます
これまでの受験例から、お子様が聞かれた質問を見ていきます。
- 白百合学園幼稚園:雨の日に、「さしてきた傘は何色ですか」。そして「朝ごはんは、誰と何を食べましたか」。「何を」だけでなく「誰と」が入っています。
- 東京学芸大学附属幼稚園竹早園舎:「好きな絵本は何ですか」。答えると、「それはどうしてですか」。
- 若葉会幼稚園:「嫌いな食べ物は何ですか」。答えると、「食べられるよう、頑張れますか」。
- 小さき花の幼稚園:「お母さんの作るお料理で、何が好きですか」。答えると、「そのお料理には、何が入っていますか」。
- カリタス幼稚園:赤・青・黄の折り紙が載ったお盆を出され、「好きな色を取ってください」「それは何色ですか」。赤を選ぶと、「赤い色の野菜は何ですか」。
- 光塩幼稚園:「朝ごはんのときは、どんなごあいさつをしますか」。
共通点は、ひとつ答えたあとに、もう一問が来ることです。小さき花の幼稚園を受験されたお母様の記録には、こうあります。
子どもが答えると『ほかにもありますか』などとさらに掘り下げる質問が続くことがあるので、そのような質問形式に慣れておいたほうがよいと思います。
この「もう一問」で、お子様は止まりやすくなります。1問目は用意した答えが出ても、2問目はその場で考えるしかないからです。
各園の面接は、【白百合学園幼稚園】面接で質問される内容をプロが解説!、【若葉会幼稚園】面接で質問される内容をプロが解説!、【カリタス幼稚園】面接で質問される内容をプロが解説!でも紹介しています。
お子様に質問がない園もあります
「もう一問」どころか、お子様が何も聞かれない形もあります。学習院幼稚園は保護者面接で、お子様は同席しません。東洋英和幼稚園は親子で入室しますが、お子様への質問はなく、用意された玩具で遊んで待つ形です。桐朋幼稚園も、お子様は同席しますが、質問はありません。
明徳幼稚園は、受験されたお母様の記録によると、お子様は同席したものの質問はなく、入退室のあいさつや、大人が話している間座っていられるかを見られていたようだ、とあります。お子様への質問は、個別テストの中で行われます。
質問がない園では、受け答えの代わりに「待ち方」が表れます。親御様が話しているあいだ、椅子に座っていられるか。玩具で遊ぶ園なら、大人の会話を邪魔せずにいられるか。志望園がこの形なら、練習の中身を変えてください。
明徳幼稚園の面接は、【明徳幼稚園】面接で質問される内容をプロが解説!もご覧ください。
答えられないとき、親がしてよいこと・避けること
ここからが本題です。お子様が黙ったとき、隣の親御様は、どう動けばよいか。まず、避けていただきたいことを3つ。
1つ目、代わりに答えること。「この子、カレーが好きなんです」。お気持ちは分かります。でも、先生はお子様に聞いています。親御様が答えた瞬間、お子様が答える機会はなくなります。
2つ目、言い直させること。「もっと大きな声で」。これを言われたお子様は、答えるより先に、しかられたと感じます。次の質問は、さらに出にくくなります。
3つ目、答えを耳打ちすること。面接官の席から、耳打ちははっきり分かります。それは、お子様の答えではなく、親御様の答えです。
では、してよいことは何か。2つです。
1つ目、待つこと。先生は、お子様が考えている時間を待ってくれることが多いと私は見ています。先に動くのは、たいてい親御様のほうです。心の中で5つ数えてください。その5秒で、お子様が口を開くことは、よくあります。
2つ目、先生の言葉を短く繰り返すこと。「好きな食べ物は何かな」でお子様が固まったら、「好きな食べ物、聞かれたね」。これだけです。答えのヒントは足しません。質問をもう一度、お子様の耳に届けるだけです。
そして、先生が次に進めたら、そこで手放してください。面接の主役は、お子様と先生のやりとりです。親御様の役目は、それを邪魔しないことだと私は考えています。
黙ること・泣くことだけで決まるとは、私は考えていません
お子様が答えられなかった場面を、面接官はどう見ているのか。ここは私の経験からお話しします。面接官として座っていたとき、私が見ていたのは、答えの中身だけではありませんでした。黙っているお子様に、親御様がどう向き合うか。せかすのか、待つのか。その姿も、ご家庭の様子として伝わってきます。
泣いてしまう場合も、考え方は同じです。ただし、答えられない場面が「あってもよい」ことと、「練習しなくてよい」ことは別です。お子様が自分の言葉で話せる場面を、ご家庭で増やしておいてください。
ご家庭でできること
今日から、この3つをお試しください。
1つ目、「もう一問」ごっこ。お子様が何かを答えたら、親御様が一問だけ足します。「ブランコが好き」「誰と乗るの」。1日1回で十分です。答えが出なくても、「そっか」で終わってください。
2つ目、親御様が5秒待つ練習。これは、お子様ではなく親御様の練習です。お子様が黙ったとき、口を出さずに5つ数える。ご夫婦のどちらかが先に口を出しがちなら、その方を中心に行ってください。
3つ目、「わからない」と言える練習。黙るのではなく、「わかりません」「忘れちゃった」と言えるようにしておく。これも立派な答えです。ご家庭で、わざと難しい質問をひとつ混ぜて、「わからないときは、わからないって言っていいよ」と伝えてください。
園ごとの形と、面接時間の目安
お子様への質問の有無は、園によって分かれます。これまでの受験例では、お子様に質問があった例として、白百合、竹早園舎、若葉会、小さき花、カリタス、光塩、枝光会附属、枝光会駒場、サンタ・セシリアなどが挙がります。一方、学習院、東洋英和、桐朋、明徳は、面接では質問がない形でした。ただし、これは過去の受験例で、年度によって変わります。
面接の所要時間も、3分から5分の園(竹早園舎)から、約15分の園(カリタス、光塩、晃華)まで幅があります。短い園ではお子様が答えられる質問は一つか二つ、長い園では「もう一問」を含めて何問か続くこともあります。志望園がどちらの形に近いかで、ご家庭での練習の重心を変えてください。
質問がある園なら、「もう一問」ごっこと「わからない」と言える練習を。質問がない園なら、親御様が話している間に静かに座っている練習を。どちらの園でも共通するのは、親御様が待つことです。お子様が黙ったときに、先に動かない。この一点を、ご夫婦で確認しておいてください。
また、お子様の様子は、面接の質問への答えだけでなく、入室から退室までの全体に表れます。答えられなかった一問が、面接全体の印象のすべてになるわけではありません。親御様が落ち着いて待っている姿が、お子様の安心につながると私は考えています。
「もう一問」ごっこの進め方
ご家庭でできることの1つ目を、もう少し具体的にお話しします。「もう一問」ごっこは、食事や入浴の前後など、1日1回の短い時間で十分です。お子様が「ブランコが好き」と答えたら、「誰と乗るの」と一問だけ足します。「ママと」と返ってきたら、「そうなんだ」と受け止めて終わります。続けて何問も聞くと、面接ごっこの雰囲気が強くなり、お子様が構えてしまいます。
聞く内容は、5つの型に沿わせると練習しやすくなります。今日のこと(朝ごはんは誰と何を食べたか)、好きなもの(絵本はどれか、それはなぜか)、お家のこと(お手伝いは何をしているか)など、どれも普段の会話の延長です。目の前にあるものを使った質問も、食卓の上の果物や折り紙で試せます。答えが出なかったときは、ヒントを足さず、「そっか、また教えてね」で切り上げてください。答えられなかった経験を、嫌な記憶にしないことが大切だと私は考えています。
まとめ
お子様への質問は、5つの型に分かれます。ひとつ答えたあとに「もう一問」が来る園があり、暗記では間に合いません。質問がない園では、「待ち方」の準備です。
答えられないとき、親御様がしてよいのは、待つことと、先生の言葉を短く繰り返すこと。代わりに答える、言い直させる、耳打ちする。この3つは避けてください。答えられないことだけで結果が決まるとは、私は考えていません。ご家庭では、「もう一問」ごっこ、5秒待つ練習、「わからない」と言える練習。この3つから始めてみてください。
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