幼稚園受験で提出する書類のひとつに「写真」があります。
願書に貼る証明写真に加え、家族写真の提出を求める園もあるのをご存じでしょうか。
ただ、多くの保護者が
「家族写真って本当に必要?」
「どんな写真が良い印象になるの?」
などと不安に思われているようです。
家族写真は、単なる“形式”ではなく、家庭の雰囲気や教育への姿勢を伝える大切なツールとなります。
写真そのものが合否を左右するわけではありませんが、先生方が「どんな家庭で子どもが育っているか」を知るための重要な情報になるのです。
この記事では、家族写真の目的・撮影時期・服装・注意点まで詳しく解説します。
1. 幼稚園受験で家族写真は必要?
なぜ幼稚園受験に家族写真が必要なのかを見ていきましょう。
● 家族写真の提出は園によって異なる
国立や公立では「子どものみの証明写真」で十分なケースが多い一方、私立や伝統ある附属幼稚園では家族写真の提出を求められることがよくあります。
園が重視しているのは「家庭の教育方針が園と合っているか」です。
子どもだけでなく、家庭全体の雰囲気や協力体制を見たい意図があります。
● 写真が使われる目的
家族写真が使われる目的は、
・家族構成を確認する
・家庭の協調性、温かさを感じ取る
・ご両親が教育にどれほど関わっているかを知る
などが挙げられます。
特に有名私立幼稚園では、「教育は家庭と園の連携で成り立つ」という理念が根づいており、写真からもその姿勢が見られます。
先生方は“完璧さ”ではなく、“家族の自然なまとまり”を見ています。

2. 家族写真が求められる幼稚園とその目的
家族写真を求める園は、伝統校・私立附属・教育理念の明確な園に多く見られます。
例えば、
・家庭でのしつけや挨拶を重視する園
・保護者参加の行事が多い園
・家庭教育と園教育を一体とする理念を持つ園
などといった園が挙げられます。
こうした園では、写真を通してご両親が共に子育てに関わる姿勢を確認します。
「一緒に暮らす家族全員で撮影」と指定する園もあります。
● 写真で見られるポイント
幼稚園が家族写真で見ているポイントは、
・家族の統一感・清潔感
・子どもが主役として引き立っているか
・親子の自然な関わり方
・落ち着きと温かさを感じる雰囲気
などが挙げられます。
「華やかさ」ではなく、「信頼感」「安心感」が鍵です。
お受験写真は、家庭の温度を伝える手紙のようなものと考えましょう。
3. 幼稚園受験の家族写真を撮るベストタイミング
家族写真を撮る時期に適したタイミングをご紹介します。
多くの幼稚園では願書提出が秋(9〜10月頃)に集中するため、撮影時期を逆算して考えることが大切です。
準備がギリギリになると、希望する写真館の予約が取れなかったり、仕上がり確認の時間が不足してしまうこともあります。
撮影も受験準備の一部と捉え、早めのスケジュール管理を意識しましょう。
● 撮影時期の目安:夏休み前〜秋口
一般的には、7〜9月上旬が理想のタイミングです。
子どもの表情も落ち着き、家族全員の予定を合わせやすい時期です。
夏前に撮るメリット
・写真館の予約が比較的取りやすい
・日焼けやマスク焼けを防ぎやすい
・仕上がり後の修正・焼き増しに余裕がある
・暑さが本格化する前で子どもの機嫌が安定しやすい
春のうちに服装を整えておくと、6〜7月の初撮影にスムーズに入れます。
この時期に一度撮影しておくと、万が一納得できない場合も再撮影が可能です。
秋に撮るメリット
・夏を経て表情が成長し、自然な落ち着きが出る
・光が柔らかく、肌色が明るく映る
・涼しい気候で衣装が崩れにくい
ただし、9月以降は予約が急増します。
人気の写真館では1〜2か月待ちも珍しくありません。
衣装レンタルやメイクサービスを利用する場合は、さらに早めに確保をしておきましょう。
4. 写真館で撮るべき?自宅撮影との違い
近年は自宅でも高品質なカメラが使えるため、迷うご家庭も多いでしょう。
ただ、受験用は写真館での撮影がおすすめです。
● 写真館で撮るメリット
・プロが照明・構図・姿勢を的確に調整
・表情を引き出す声かけに慣れている
・お子さまの集中時間を考慮したテンポの良い進行
・服装・髪型の最終確認までサポート可能
近年は「お受験専用プラン」も多く、背景やライティングが園の雰囲気に合うよう設計されています。
コロナ禍以降、“マスクを外した自然な笑顔”が伝わる写真の価値はさらに高まっています。
● 自宅撮影の注意点
・光の方向が偏ると顔が暗くなる
・背景に生活感が出やすい
・服装や姿勢のバランスが崩れやすい
もし自宅で撮る場合は、白い壁・自然光・午前中撮影を心がけ、全員が同方向を向くよりもお子さまを中心に軽く寄り添う構図にすると柔らかい印象になります。
5. 家族写真を撮る際の服装・ヘアセットのポイント
家族写真を撮る時の服装やヘアセットのポイントをまとめていきます。
● 子ども
主役であるお子さまの印象がいちばん大切です。
服や髪型で清潔感と素直さを感じさせると、写真全体が引き締まります。
| 女の子 | 三つ編みや編み込みなど整った髪型で、顔まわりをすっきりさせましょう。額を出すと表情が明るく映り、写真映えします。
ヘアアクセサリーは白やネイビーなど控えめな色味で。 |
| 男の子 | 前髪を上げて目を見せると凛々しい印象に。ワックスは少量で自然に整える程度が無難です。 |
| 服装 | 受験当日と同じ服装が理想。慣れた服だと緊張がやわらぎ、自然な笑顔につながります。 |
サイズが合っていないと姿勢が崩れるため、事前に試着→鏡チェックをしておくと安心です。
● ご両親
ご両親は「落ち着いた品格」を意識。
主張しすぎず、子どもを引き立てる装いが理想です。
| お父様 | 濃紺・グレーのスーツが基本。立ち姿だけでなく、座った際のシワや肩の張りも確認を。
ネクタイはブルー系やシルバーグレーが清潔感を与えます。 |
| お母様 | 紺やグレーのスーツ、または上品なワンピース。
アクセサリーは結婚指輪程度にとどめ、メイクはナチュラルで明るい印象を意識。 髪型はまとめ髪かハーフアップなど、顔まわりが見えるスタイルが好印象です。 |
“保護者同士のトーンをそろえる”ことも重要。
色味の差が大きいと写真に統一感がなくなるため、前もって服を並べて確認しましょう。
● 兄弟姉妹・赤ちゃん
兄弟姉妹がいる場合は、全体の色調を合わせて一体感を出します。
上の子は制服があればそれを。
ない場合は白シャツ×紺ボトムなど落ち着いた私服で。
赤ちゃんは淡いトーンでまとめ、レースやリボンなど装飾は最小限に。
白い靴下やスタイで清潔感を添えましょう。
● ありがちなNG例
・柄物や原色でバラバラな服装
・髪が顔にかかる、寝ぐせが残る
・スニーカーやキャラクター靴下
・背景と服の色が同化している
・家族でトーンが揃っていない
服装の統一感は「家庭の一体感」として伝わります。
全体の色味をネイビー・ベージュ・ホワイト系でまとめると清潔で上品。
準備段階で一度、全員で立って鏡に映してバランスを確認しておくと失敗がありません。
6. 家族写真撮影で気をつけること
続いて、家族写真を撮る時に気をつけたいことを見ていきましょう。
● 主役は「子ども」
家族写真の中心は、あくまでお子さまです。
両親が前に出すぎたり、服装や姿勢で主張が強くなりすぎると、見る側の印象がぼやけてしまいます。
構図としては子どもを中央に置き、両親が少し後ろから寄り添う程度が理想的。
子どもの目線や姿勢が自然に映えるよう、お父様・お母様は「支える側」として落ち着いた雰囲気を意識しましょう。
視線の先に優しさや誇りが感じられるだけで、写真全体に温度が宿ります。
● 自然な笑顔を意識
「笑って」と言われると、どうしてもぎこちない表情になりがち。
無理な満面の笑顔よりも、口角を軽く上げる程度の微笑みが上品です。
表情のポイントは「口角」「目元」「あごの角度」。
笑顔の直前に軽く息を吸うと、頬が自然に上がり、温かみが出ます。
お子さまの笑顔を引き出すには、「カメラマンと話しているように見せる」「好きな食べ物を質問する」など、自然な会話で表情を誘うのがコツ。
緊張を和らげるBGMを流す写真館もあります。
● 背景・姿勢・光
背景は、できる限り無地または淡いグレー・ベージュ・白系で。
カーテンや家具が写り込むと生活感が出てしまうため、整理整頓も大切です。
座る場合は背筋を真っすぐ伸ばし、椅子の浅めの位置に座ると自然なラインになります。
足元はそろえて、腕は軽く体の横に添えると上品。
光は左右均等に当てるのが基本ですが、顔の片側に柔らかな影が出る程度なら立体感が生まれます。
プロは「逆光気味+レフ板」で柔らかく撮りますが、自宅撮影でも午前中の自然光+白いカーテン越しを意識すると似た効果が得られます。
● 面接への意識づけとしての写真
写真は願書の添付資料であると同時に、**面接官が最初に受け取る「家庭の印象」です。
面接前に提出される場合、写真の印象が「第一印象」として記憶に残ることも。
撮影時の姿勢や表情を「面接練習」として捉え、“穏やかでありながら芯のある態度”**を意識しましょう。
「この家庭なら安心して子どもを任せられる」と感じてもらえることが何よりの目的です。
子どもにも「いつもの笑顔でいようね」「先生にごあいさつする練習と思ってみよう」と伝えると、自然と整った雰囲気になります。
● 当日のコンディション
写真の印象を左右するのは、実はコンディションです。
前日は早めに就寝し、朝は塩分・糖分の摂りすぎを避け、顔色を整えましょう。
お子さまが眠そうな顔や泣き顔のまま撮影に臨むと、いくら照明が良くても疲れた印象になります。
撮影前に「今日は撮影ごっこだよ」「笑顔が撮れたら帰りにおやつを買おう」など、軽いご褒美を設定するのも効果的。
無理に笑わせるより、自然な会話やスキンシップで心をほぐすことが大切です。
お母様の緊張はお子さまに伝わるため、まず保護者自身が深呼吸を。
家族全員の呼吸が整うと、写真には不思議と“安心感”が写り込みます。
まとめ|幼稚園受験の家族写真は“家庭の温度”を伝えるもの
幼稚園受験における家族写真は、「形式」ではなく「信頼感を伝える手段」。
そこに写るのは、家庭のあたたかさ・協調性・教育への姿勢です。
早めの準備で撮影時期を確保し、服装・髪型・表情まで整えておくと、願書作成にも余裕が生まれます。
写真館選びに迷ったり、全体の流れをサポートしてほしい場合は、専門家に相談してみましょう。
参考:
受験準備は「早めの一歩」が安心につながります。
家族写真を通して、“我が家らしさ”を丁寧に届けてください。
【幼稚園受験】願書写真は笑顔厳禁?!疑問をプロが解説の記事も参考にしてみてください。
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