【2025.03.31 メディア掲載】

ベネッセ教育総合研究所様のWEBメディア「ベネッセ教育情報」に取材いただいた「願書における家庭教育方針の書き方と記入例」が掲載されました。
記事を読むメディア掲載一覧
早稲田実業学校初等部

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストの内容や対策方法についてプロが徹底解説!

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストの内容や対策方法についてプロが徹底解説!

塾長
塾長

早稲田実業学校初等部の入試では、学力や運動能力だけでなく、お子様が他者とどう関わり、どんなふうに行動するかを見極める「行動観察テスト」が非常に重視されています。

 

このテストは、いわゆる“お勉強ができる子”かどうかではなく、人としてどのように成長しているかを丁寧に見つめるものであり、まさに「本質的な力」を問う試験です。

 

特に近年は、個々の振る舞いだけでなく、「話し合いの姿勢」「集団の中での立ち位置」「問題への取り組み方」などが細かく観察されています。

 

この記事では、そんな行動観察テストについて、その意図・出題傾向・具体的な課題内容・ご家庭での対策方法までを、過去3年分の実例をもとに徹底解説していきます。

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストとは

早稲田実業学校初等部の「行動観察テスト」は、複数人のお子様たちが一緒に活動する中で、協調性・自発性・思いやり・問題解決力などを自然な形で見極める試験です。

 

課題はごっこ遊びや運搬ゲーム、話し合いを伴う選択活動など、日常の延長線にあるような設定が多く、知識やテクニックでは対応できない“人としての土台”が試されます。

 

例えば「道具が人数分ない」「ルールを自分たちで決める」といった不自由な状況も、あえて設定されることがあります。そこにおいて、自分だけが得をしようとしたり、困っている子を放っておいたりすれば、それはすぐに見抜かれてしまうのです。

 

早稲田実業学校初等部では、この「自立し合い協力し合う姿勢」を大切にするため、行動観察を通じてお子様の本質的な人間力”を丁寧に見極めているのです。

 

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストが出題される理由

早稲田実業学校初等部が行動観察テストを重要視しているのは、単に協調性を見るためではありません。

 

この学校では、6年間を通じて仲間と共に学び合い、支え合いながら成長していくことを教育の柱としています。だからこそ、「他者とどう関わるか」「集団の中でどう動くか」といった人間関係の基礎力が重視されるのです。

 

また、小学校という場は「一人で考え、一人で答える」場面よりも、「友達と一緒に考え、折り合いをつけながら進める」場面のほうが圧倒的に多いのが現実です。

 

行動観察テストでは、そのような実際の学校生活に近い場面をシミュレーションすることで、「この子が入学後にどのようにクラスで過ごすか」を見極めようとしているのです。

 

さらに早稲田実業学校初等部では、単に指示を守るだけの「よい子」を評価するのではなく、自分の意見をきちんと持ち、なおかつ他者の意見も尊重できるバランスの取れたお子様を歓迎しています。

 

だからこそ、行動観察テストでは「目立つ子」や「リーダータイプ」だけでなく、聞き手としての姿勢や、優しく寄り添う態度も大きな評価対象となっているのです。

 

早稲田実業学校初等部 受験完全ガイド【2025年最新版】
早稲田実業学校初等部 受験完全ガイド【2025年最新版】 \合格率97%/ 早稲田実業学校初等部 家庭学習サポート 詳しくはこちらをクリック ...

 

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストの試験内容

ここからは、2022年度から2024年度にかけて早稲田実業学校初等部で実際に出題された行動観察テストの内容をご紹介します。

 

いずれの年度も、日常的な遊びや集団活動を通じて「お子様本来の姿」が浮き彫りになるような課題が出題されています。

 

どの場面でも、お子様たちの自然なふるまいが観察されるよう工夫されており、知識や演技ではごまかせない「人間性」や「育ち」が問われる構成となっています。

 

2024年度実施 行動観察テスト

■試験内容

・2人1組で棒を使ってボールを運ぶ/お盆で風船を運ぶ

・新聞紙やレジャーシートを使い、スポンジやボールを協力して運搬

・大小の箱を組み合わせて段ボールで運搬、相談して効率化

・風船やボールをシートで弾ませる遊び、うちわで風船を扇いで運ぶ

・ビニールひもに様々な道具を通し、手を使わずにゴールまで送るルール遊び

 

■特徴

全体を通して「運ぶ」「弾ませる」「通す」といった協力が前提となる作業活動が中心でした。注目すべきは、どの課題も1回目実施→グループで話し合い→2回目に挑戦という流れになっており、改善力・他者との対話姿勢・建設的なコミュニケーションが見られています。

 

また、風船や新聞紙、段ボールなど、不安定な素材や不自由な条件が課題に盛り込まれており、その場で考え、調整し、協力する柔軟性が求められた年といえるでしょう。

 

2023年度実施 行動観察テスト

■試験内容

・お祭りごっこ(スーパーボールすくい・輪投げ・金魚釣り・的当てなど)

・お店屋さんごっこ(八百屋・魚屋・肉屋・洋服屋など)

・保育園ごっこや遊園地ごっこ、ボウリング・ボール投げなど

・すべての活動で、グループ内の話し合いによる選択制+道具が人数分より少ない

 

■特徴

この年のテーマは「ごっこ遊び×選択×話し合い」。どちらの遊びをするか、どう役割分担するか、道具が足りない中でどう工夫するかといったやり取りが、課題の中に多く含まれていました。

 

特に重要なのは、「自分がやりたいこと」だけでなく、「みんなと決めたこと」に従えるかどうか。この年は、折り合いをつける力・相手の意見を受け入れる柔軟性が問われていた年といえるでしょう。

 

また、「役割を押し付けない」「困っている子をフォローする」といったさりげない思いやりのある行動も、大きな評価につながったと考えられます。

 

2022年度実施 行動観察テスト

■試験内容

・水族館・動物園・森と海の中などの世界を題材にしたイメージ共有と話し合い

・ピクニック・遊園地など、どこに行き、何をするかを自由に構成→ごっこ遊びで表現

・ボール運び・風船送りなどの運動系グループ課題(途中で話し合いタイムあり)

 

■特徴

この年は、「想像する→相談する→みんなで表現する」という流れが大切にされていました。特に、舞台設定が豊かでストーリー性のある課題が目立ち、創造力や共有力、身体での表現力が強く問われました。

 

また、物理的に協力が必要な課題(風船送りなど)では、「自分の役割に責任を持つ」「ルールを守る」「グループで最善を考える」ことが観察されていたと考えられます。

 

早稲田実業学校初等部の方針である「仲間と共に考え、学び合う力」を、遊びと活動の中で自然に引き出そうとする意図が色濃く反映された年でした。

 

【早稲田実業学校初等部】ご家庭でできる行動観察テスト対策

早稲田実業学校初等部の行動観察テストでは、知識や訓練では補えない「日常のふるまい」がそのまま表れます。


特別な練習をするというよりは、日々の生活の中で“思いやり”や“自律”を育てていくことが何よりの対策になります。

 

ここでは、2022〜2024年度の出題傾向をふまえて、ご家庭で無理なく取り組める行動観察テスト対策を3つご紹介します。

 

ごっこ遊びを通じて「話し合う力」と「役割分担」を体験する

行動観察では、「どちらの遊びにするか」「誰がどの役をやるか」といった話し合いの場面が多く登場します。そこで必要なのは、自分の意見を伝える力と、他の意見を受け入れる柔軟さです。

 

その力を自然に育てるには、家庭でのごっこ遊びがぴったりです。たとえば「お店屋さんごっこ」「お祭りごっこ」「お出かけの計画ごっこ」など、遊びの中に話し合いや分担を入れることで、楽しみながら経験を積むことができます。

 

「何のお店にする?」「どっちの役やりたい?」といった親からの問いかけをきっかけに、“どう決めるか”を一緒に考える習慣をつけてあげましょう。決めたことを守る、相手に譲る、思い通りにならなくても参加し続ける――それらすべてが、試験の中で評価される大切な行動です。

 

「困っている人を見つけたら声をかける」習慣を育てる

2024年度のように、あえて人数分の道具がなかったり、上手くいかない条件が与えられる試験では、”誰かが困っている場面でどう振る舞うか”が大きな評価の分かれ目になります。

 

ご家庭でも、たとえば兄弟や友達と遊んでいる時に、誰かが困っていたら「〇〇ちゃん、困ってるみたいだね。どうする?」と声をかけてみてください。

自分から自然に「手伝おうか?」「いっしょにやろう」と言えるようになるには、小さな場面で“気づいて声をかける”体験の積み重ねが必要です。

 

また、日常の中で「ちょっと手が届かない」「順番を譲る」などの状況があれば、それをチャンスと捉えて、お子様自身が行動できるように促す声かけをしてあげましょう。

 

優しさや思いやりは、教え込むのではなく、日々の暮らしの中で感じ取っていく力なのです。

 

「決まりごと」や「ルールを守る姿勢」を家庭の中で意識づける

行動観察では、試験中に設けられたルールやお約束を守れるかも重要な評価ポイントです。たとえば「風船は手で押さえない」「順番を守る」「強く引っ張らない」など、注意深く聞いて、正しく行動に移せる力が求められます。

 

これを家庭で育てるには、「遊ぶ前にルールを決める→守る→振り返る」というサイクルを親子で意識するのが効果的です。

 

たとえば「今日はブロック遊びを10分したら、お片づけしよう」「順番で色を選ぼう」といった小さなルールを設けて守る練習を日常に取り入れることで、指示理解や自己コントロール力が育っていきます。

 

うまく守れなかった時も、「どうすれば次は守れるかな?」と一緒に考えてあげることで、ルール=我慢ではなく、みんなが楽しく過ごすための約束であるという理解が深まり、試験でも自然にその姿勢が現れるようになります。

 

【早稲田実業学校初等部】行動観察テストの内容や対策方法についてプロが徹底解説!まとめ

早稲田実業学校初等部の行動観察テストは、知識や技術だけでは決して対応できない、お子様の“育ち”や“人としての土台”を見極めるための大切な試験です。

 

課題を上手にこなすことよりも、「友達とどう関わるか」「どんな声をかけるか」「自分の意見と違う意見をどう受け入れるか」など、日常のふるまいに宿る小さな力の積み重ねが、もっとも大きな評価の対象となります。

 

だからこそ、行動観察の対策に“特別な準備”は必要ありません。

大切なのは、日々の生活の中で、ごっこ遊びを通じたやり取りや、ちょっとした思いやりの行動を重ねていくこと。親子の関係の中で育まれた温かな姿勢は、試験の場でも自然とにじみ出るものです。

 

入試はゴールではなく、早稲田実業学校初等部での豊かな6年間の始まりです。合格を目指すその先にある学校生活を見据え、今できる日々の積み重ねを大切にしていきましょう。

 

 

藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
願書作成や面接対策、受験指導など小学校受験のことなら何でもお任せ!
願書作成97%、面接レッスン93%、受験指導100%
など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
\ Follow me /
うみ塾長のYoutube
error: Content is protected !!