早稲田実業学校初等部は、東京都国分寺市に所在する日本を代表する私立小学校のひとつです。
1901年に創立された早稲田実業学校の附属校として2002年に設立され、教育方針には『去華就実』という理念が掲げられています。
華美なものを避け、実質を重んじる姿勢を通じて、お子様たちの自立心や協調性を育むことを目的としています。加えて、運動や芸術教育にも力を入れ、全人的な成長を目指す環境が整えられています。
そんな難関・大人気校である早稲田実業学校初等部に、塾やお教室に一切通うことなく、自宅学習・対策だけで合格することは可能なのでしょうか?プロが徹底解説します。
【早稲田実業学校初等部】塾なし・お教室なしで小学校受験に挑戦することは無謀?
小学校受験において、塾やお教室に通わずに合格することは不可能ではありません。しかし、合格率を上げるためには自宅学習だけでなく、適切な教材選びや生活習慣の見直しが重要です。
特に難関校である早稲田実業学校初等部の場合、塾なしでの合格はさらにハードルが高くなります。なぜなら、早稲田実業では幅広い試験内容が課され、特に「生活習慣テスト」「ペーパーテスト」「絵画巧緻性」「運動・体操」など、多岐にわたる対策が必要となるからです。
【早稲田実業学校初等部】塾なし・お教室なしで合格できるお子様の特徴
早稲田実業学校初等部に、塾なし・お教室なしで合格できるお子様にはどのような特徴があるのでしょうか?
自立心と生活習慣の確立
早稲田実業学校初等部では、生活習慣のレベルの高さが求められます。身の回りのことを自分でできることはもちろん、始業式の翌日から一人で登校することが求められるため、自立心が重要です。「やってもらう」ではなく、「自分でやってみよう」とする姿勢が合格に近づきます。
さらに、日々の生活の中で「自分のことは自分でやる」という習慣が徹底されていることも大きなポイントです。食事の後片付け、翌日の準備、決まった時間に起きて行動するなど、生活リズムを整えることは受験対策にも直結します。
特に、親が手伝いすぎず、お子様が自分の力でできることを増やしていくことが重要です。また、失敗しても「次はどうする?」と自分で考えさせることで、自己解決力や問題解決力も養われていきます。
粘り強さと挑戦心
早稲田実業学校初等部の校是「去華就実」は、派手さよりも地道にコツコツと努力する姿勢を重視しています。困難に直面しても諦めず、粘り強く取り組むお子様が好まれます。このような姿勢は、試験だけでなく、入学後の学校生活でも重要です。
さらに、問題が解けなかったときや失敗したときに「次にどうすればいいか」と考えられる粘り強さも求められます。例えば、ペーパーテストで間違えた問題をそのままにせず、解き直しを繰り返すことで学習の定着が図れます。
失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢を持つことで、早稲田実業学校初等部が求める「主体的な学び」に繋がっていきます。また、親が過度に干渉せず、お子様の挑戦を見守る姿勢も重要です。
他者への敬意と協調性
早稲田実業学校初等部の校訓「三敬主義」に基づき、他人を敬い、協調性を持って行動できるお子様が求められます。
集団行動や面接では、相手の話をしっかり聞き、自分の考えを適切に伝える力が評価されます。日常生活での会話や共同作業を通じて、他者への敬意を育むことが大切です。
特に早稲田実業学校初等部では、クラス活動やグループワークを通して、他者と協力しながら課題に取り組む機会が多く設けられています。
ここで問われるのは、単に自分の意見を言うだけでなく、相手の意見を尊重しながら適切に応答できるコミュニケーション能力です。
日常生活の中でも「ありがとう」「ごめんなさい」といった基本的な挨拶や感謝の言葉をきちんと伝えられることが重要です。家庭内で親が率先してお手本を見せることで、お子様にも自然とその習慣が身についていきます。

【早稲田実業学校初等部】試験内容と、塾なし・お教室なしでの対策方法
早稲田実業学校初等部の一次試験(受験者のみが参加する入学試験)は、「ペーパーテスト」「生活習慣テスト」「絵画巧緻性」「運動・体操」の4つの要素で構成されています。各テストごとに塾なしでの対策法を考えてみましょう。
ペーパーテストの自宅対策
早稲田実業学校初等部のペーパーテストでは、基礎的な知識・理解力・思考力をベースとした総合的な内容が出題されます。自宅対策としては、受験向け問題集や通信教育を利用して、日々の学習習慣を確立することが有効です。特に過去問題の演習を繰り返し行うことで、問題形式に慣れることができます。
基礎力を徹底すること、市販のドリルを繰り返すことで学力の基礎をしっかり見つけます。頻出問題分野だけを対策していても、思考力や問題解決力は身に付かないため、まずは全範囲を網羅的に取り組むことが必要です。
その上で、年長春頃から早稲田実業学校初等部によく出る単元を集中的に身に付けましょう。
生活習慣テストの自宅対策
早稲田実業学校初等部の生活習慣テストでは、基本的な生活習慣やマナー、指示の理解力が試されます。
親子での生活リズムの見直しや、食事・着替え・片付けの習慣化を徹底することで、塾なしでも十分な対策が可能です。
まさに「ご家庭での生活・しつけ」の様子が見られるテストであり、お教室や塾では1番対策が難しいものになります。
一方で、こういった身の振る舞いやしつけを身に付けさせるには長い時間と親御様の根気が試されます。
特に共働きや他にご兄弟がいてお忙しいご家庭の場合、時間を割くこと自体が大変かもしれません。またお子様主体で取り組むと大変時間がかかるので「もう、お母さんがやったほうが早いわ!」なんて思ってしまうことも多いです。
ご家庭生活も試験対策と捉え、腹を据えてじっくり取り組む姿勢と覚悟があれば自宅対策が可能です。
また、躾の厳しい幼稚園やお受験園に在籍している場合、日常生活の中で自然と受験レベルのしつけや生活習慣が身につきやすくなります。
さらに、幼稚園生活の中で「当たり前」に受験対策を行ってくれる環境であることも、お受験園の大きな特徴です。
しつけやマナー、行動に対するレベルが高く、周りのお友達も同じく高い基準で生活しています。結果的に、お子様自身も「ちゃんとやらないと」という意識が自然と身に付くため、家庭内でのしつけにも好影響を与えるでしょう。
絵画巧緻性の対策
小学校受験、特に早稲田実業学校初等部の絵画巧緻性テストでは「ただ美しい絵が描ける」、「器用に工作が作れる」といった能力だけでは太刀打ちできません。
「ただ美しい絵が描ける」、「器用に工作が作れる」といった能力だけでは太刀打ちできません。
試験官の指示をしっかり聞き、聞いた通り手指を動かす指示理解の能力や、作品に対し質問された場合に自分の意見を伝える表現力・語彙力なども求められます。
こういった能力は、「小学校受験とはどういったものか」と理解しているプロ講師の指導を仰ぐ必要がある単元と言えましょう。また、親御様も講師の指導内容や重要視するポイントを理解することで、自宅での練習をより強度の高いものへ昇華させることも可能です。
運動・体操の対策
私立小学校の運動・体操テストは、学校ごとに異なる内容が出題されることが多いため、早稲田実業初等学校の傾向を把握したうえで練習することが大切です。
公園や運動施設を活用して基礎体力を養いながら、年長春以降は短期講習で専門的な指導を受けることが効果的です。
絵画・巧緻性対策と同様、小学校受験における運動・体操テストというのはただ「速く走れる、強くボールが投げられる」、「運動神経が良い」といった能力だけでは戦えません。
試験官の指示をしっかり聞き、聞いた通りに体を動かす指示理解の能力や、一度にまとめて細かな指示を受け、その指示通りに様々な動作を行う「記憶力」「実行力」も必要不可欠となります。
また、運動に特化した幼稚園などに通うことも有効です。運動に力を入れている専門性の高い幼稚園に通わせると、日常生活の中で当たり前にハイレベルの運動に取り組む機会に恵まれます。
こういった幼稚園出身者は、運動の基礎能力がかなり高い状態で受験対策を行いますので、季節講習で試験攻略のコツさえ身に付ければ早々に結果を出すことが可能なのです。
【早稲田実業学校初等部】塾なし・お教室なしで合格できるのか?その方法をプロが徹底解説!まとめ
早稲田実業学校初等部の入試は、多岐にわたる分野で構成されており、塾なしでの合格は不可能ではありませんが、計画的な対策が求められます。
特にペーパーテストや生活習慣テストについては、自宅対策でも十分カバーできる部分が多いですが、絵画巧緻性や運動・体操に関しては、短期講習などの専門指導を受けることが合格への近道となります。
また、年長春以降の模試受験も欠かせません。親子で計画的に取り組むことで、塾に頼らずとも合格を目指せるでしょう。