早稲田実業学校初等部は、名門早稲田大学の系属校として、一貫した教育方針のもとにお子様たちの学びをサポートしています。
学力の向上はもちろんのこと、豊かな人間性の育成にも力を入れており、その一環として行事活動が非常に充実している点が大きな特徴です。
本記事では、早稲田実業学校初等部で行われる代表的な行事について、プロが詳しくご紹介するとともに、なぜ同校がこれほど行事に力を入れているのか、その背景にも迫ります。
【早稲田実業学校初等部】どうして行事はこんなに注目されるのか?
早稲田実業学校初等部の行事は、単なるイベントとして終わるものではなく、教育理念を実践する場として大きな役割を果たしています。
行事を通じて、児童たちは日々の学びを実体験し、仲間と協力し合うことで成長を遂げていきます。そのため、在校生や保護者の心に深く刻まれる場面が数多く存在するのです。
では、なぜこれほどまでに注目を集め、憧れの対象となるのでしょうか。大きく3つの理由からご紹介します。
「去華就実」と「三敬主義」に基づく人格形成の場として行事をとらえているから
早稲田実業学校初等部では、校是「去華就実」(華やかさを去り、実を就く)と校訓「三敬主義」(他者・自己・事物を敬う)を掲げ、その精神を児童たちに伝えています。
これらの理念は、行事の一つひとつに深く根付いており、児童たちは行事を通じて謙虚さや誠実さ、思いやりの心を学ぶ場として捉えられています。
例えば、新入生を迎える会や卒業式などの行事では、児童が互いに尊敬の念を持ちつつ、自己の成長を確認する貴重な機会となります。このような教育方針に基づく行事があることから、早稲田実業学校初等部の行事は、単なるイベントではなく、人格形成の場として注目を集めているのです。
一貫教育の中での基礎力と人間性の育成を大切にしているから
早稲田実業学校初等部は、早稲田大学まで続く一貫教育のスタート地点として、基礎学力の向上と豊かな人間性の育成を重視しています。
行事もその一環として位置づけられており、児童たちは自ら考え、発表し、協力する機会を通じて、社会性や表現力を養っています。
例えば、文化祭や運動会では、児童が主体的に企画・運営を行い、協力し合う中でチームワークやリーダーシップを学んでいきます。このように、一貫教育の中での学びの土台を築く場として行事が存在していることから、早稲田実業学校初等部の行事は保護者や在校生の間でも特に注目を集めているのです。
異学年交流を通じた社会性と協調性の育成しているから
早稲田実業学校初等部では、異学年交流を積極的に取り入れ、児童たちが互いに学び合う場を提供しています。
例えば、1年生と6年生がペアを組んで行う「1年生を迎える会」では、6年生が新入生をエスコートしながら学校生活をサポートし、自らの責任感を自覚する機会となっています。また、4年生から6年生が参加するクラブ活動では、上級生がリーダーシップを発揮しながら下級生をサポートすることで、異学年での協力や信頼関係の構築が図られています。
さらに、中等部・高等部との合同活動では、吹奏楽部の演奏会やダンスクラブの指導を通じて、年齢を超えたつながりが生まれ、児童たちは目標となる上級生の姿に刺激を受けることができます。
このような異学年交流を通じて、児童たちが社会性や協調性を学ぶ場として行事が機能していることから、早稲田実業学校初等部の行事は多くの関心を集めているのです。

【早稲田実業学校初等部】代表的な行事まとめ
早稲田実業学校初等部では、受験生家族や外部の方々から注目を集める行事が多数行われています。以下では、学校生活の中でも特に特色ある代表的な行事についてご紹介します。
入学式(4月)
早稲田大学の大隈講堂にて、新入生の入学式が行われます。クラスごとに登壇し、担任の先生からの呼びかけに元気よく返事をする姿は、早稲田実業の新たな一員となった喜びを感じさせます。
また、早稲田大学総長からの祝辞もあり、伝統と誇りに包まれた式典となります。ここでの経験は、児童たちにとって新たな学校生活のスタートを印象深く彩る場となっています。
春の早慶戦応援(5月)
毎年5月に行われる早慶戦は、早稲田実業学校初等部の児童たちが一体となって応援に参加する恒例行事です。応援部やチアリーダーの熱気あふれる応援に加え、両校のエール交換ではライバル校同士の絆も感じられます。
特に、勝利後の校歌斉唱は、児童たちにとって一体感を感じる貴重な時間です。この行事を通じて、早稲田実業の伝統と誇りを肌で感じる機会となっています。
稲作体験 5年生(6月)
5年生を対象に実施される稲作体験では、国立市の水田を借りて田植えを行います。裸足で泥の中に入る感触は、普段の生活では味わえない貴重な経験です。
田植えを終えた後は、教室に戻って俳句を作り、自然や農作業の体験を言葉に表現します。こうした活動を通じて、自然への感謝やものづくりの大切さを学ぶ機会となっています。
トライアスロン教室(7月)
夏の恒例行事となっているトライアスロン教室は、児童たちが自らの限界に挑戦する場です。初日から2日間はプールでの水泳練習や、自転車の取り扱い方を学びます。
最終日にはスイム&ランのアクアスロンが行われ、全力を出し切ってゴールするお子様たちの笑顔が印象的です。達成感を味わうと同時に、仲間との絆も深まる特別な行事となっています。
海外研修(夏休み期間中)
夏休み期間中には、海外での貴重な体験学習が実施されます。6年生の希望者を対象としたオーストラリアホームステイでは、現地のホストファミリーとの生活を通じて異文化を学びます。
さらに、1〜3年生が参加するハワイサマープログラムでは、現地の学校で英語の授業を受けながら異文化交流を楽しみます。4〜6年生向けのスイスサマープログラムでは、乗馬やテニス、寮生活を通して英語力の向上と国際感覚の育成が図られます。
これらの海外研修は、早稲田実業学校初等部ならではの充実した体験学習として人気を集めています。
早稲田大学創立者大隈重信と故郷佐賀(4〜6年生希望者)(夏休み期間中)
夏休みに実施されるこの行事では、4〜6年生の希望者を対象に、早稲田大学の創立者・大隈重信の生涯とその故郷である佐賀県を訪ねるプログラムが行われます。
プログラムは2部構成となっており、第1部では早稲田大学キャンパス内でのフィールドワークや大学教授による特別授業を通して、大隈重信の功績や建学の精神について学びます。
第2部では佐賀県を訪問し、大隈重信の故郷を巡りながら、その生涯や精神を肌で感じることができる貴重な学びの場が提供されます。
運動会(9月)
秋の訪れとともに開催される運動会は、児童たちが日頃の練習の成果を発揮する場です。爽やかな秋空の下、各学年ごとに様々な種目が行われ、徒競走やリレーでは全力疾走する児童たちの姿が印象的です。
保護者も参加できる競技が用意されており、家族全員で楽しむことができる行事として、多くの注目を集めています。
文化祭(いなほ祭)(10月)
早稲田実業学校全体で行われる文化祭「いなほ祭」では、中高等部の校舎を舞台に、各クラブや学年ごとに展示や発表が行われます。
小学校の児童も参加し、自分たちの作品を発表したり、他学年の展示を見学したりすることで、学年を超えた学びの場となっています。
特に、受験を控える家族にとっては、学校の雰囲気を実際に感じる絶好の機会となっています。
大縄集会(12月)
12月に開催される大縄集会は、1年生から6年生までが参加する全校行事です。クラスごとに練習してきた縄跳びの技術を披露し、学年ごとに異なる技にも挑戦します。
特に6年生はダブルダッチや十字クロス跳びといった高度な技を披露し、集会のハイライトを飾ります。この行事を通じて、仲間との協力や目標に向かって努力する大切さを学びます。
学習発表会(2月)
1年間の学びの集大成を発表する学習発表会は、1年生から6年生までの全学年が参加する行事です。各学年ごとにテーマを設定し、音楽や劇、工作の発表を行います。
特に6年生にとっては、小学校生活最後の発表会となるため、感動的なシーンも多く見られます。保護者や在校生も観覧できるこの行事は、児童たちが学んだことを堂々と披露し、自信を深める機会となっています。
卒業式(3月)
3月に行われる卒業式は、早稲田実業学校初等部での6年間の学びを締めくくる重要な行事です。卒業証書の授与や、在校生からの送る言葉、保護者への感謝のスピーチなどが行われ、感動的な雰囲気に包まれます。
児童たちはそれぞれの夢や目標を胸に、新たなステージへと旅立っていきます。
【コラム】早稲田実業学校初等部が海外研修(行事)に力を入れる理由
早稲田実業学校初等部では、他校と比べても非常に早い段階、1年生の頃から希望者のみとなりますが、海外研修プログラムに参加することができます。
また、行事一覧では紹介しませんでしたが、例年11月頃に「5日間、5、6年生の希望者が台湾の小学生児童の家にホームステイするプログラムも存在します。
このように、早稲田実業学校初等部が海外研修や国際交流プログラムに力を入れるのはなぜなのでしょうか。
早稲田実業学校初等部が海外研修に力を入れる理由のひとつには、異文化体験を通じて多様な価値観や文化を理解し、国際感覚を育成することがあります。
同校では、児童が自身の語学力を駆使して外国の人々と交流し、異文化を直接体験する機会を設けています。これにより、児童は国際社会で活躍するための基礎を築くことができるのです。
また、早稲田実業学校初等部では教室での座学だけでなく、稲作体験や宿泊学習など、五感を使った実体験を重視した教育方針を掲げています。海外研修もその一環として位置づけられており、異文化の中での生活や学習を通じて、児童の心身の健やかな育成を図っています。
さらに、初等部から高等部までの一貫教育体制の中で、初等部で培った国際感覚や語学力を中等部・高等部でさらに伸ばす機会が提供されています。
特に高等部では、海外交流や国内研修の充実に加え、補助資金制度を活用した自主的な活動の支援も行われており、初等部の段階から国際教育に力を入れることが、児童の将来の可能性を広げる重要な取り組みとなっています。
【早稲田実業学校初等部】行事がすごい!?ハワイに行く!?その秘密に迫る!
早稲田実業学校初等部の行事は、ただ楽しむだけのイベントではありません。各行事には教育的な意図がしっかりと組み込まれており、児童たちの心と体、そして人間性を豊かに育てる貴重な学びの機会となっています。
一方で、海外研修や宿泊行事などには金銭的な負担や保護者の協力が求められる場面も多くあります。だからこそ、事前にしっかりと心構えを持ち、家族全員でサポートしていくことが大切です。
早稲田実業学校初等部の行事を通じて得られる経験は、かけがえのない成長の機会です。これらの体験が、お子様の未来への大きな一歩となるよう、ご家族で一丸となってサポートしていきましょう。