「伸び伸びとした教育環境」と「一貫した学びの流れ」で高い支持を集める桐朋学園小学校。学力だけでは測れない「人間力」や「考える力」を育むことが、同校の大きな魅力です。
その根底には、「一人ひとりの子どもの心を大切にし、自然に親しみ自然から学ぶ」という建学の精神があります。
こうした理念のもと、子どもたちは豊かな自然の中でのびのびと育ち、自ら考え行動する力を自然と身につけていきます。
この記事では、そんな桐朋学園小学校を「偏差値」という切り口から掘り下げ、その特色や他の有名私立小学校との比較について詳しく解説します。
【桐朋学園小学校】偏差値はどれくらい?
このような人気難関校である桐朋学園小学校の受験偏差値は、いったいどれほどのものなのでしょうか。お受験のプロが詳しく解説します。
小学校受験における偏差値の意味
まず初めに、小学校受験における偏差値の取り扱いについて解説します。小学校受験において「偏差値」という明確な指標は存在しますが、中学・高校受験の偏差値とは大きく異なる性質を持っています。
小学校受験では、学力だけでなく、お子様の性格や個性、家庭の教育方針、保護者の価値観なども重要な選考基準となります。そのため、中学・高校受験のような「学力偏差値」ではなく、模擬試験の結果や合格率をもとにした「合格判定」や「難易度ランク」として示されるのが一般的です。
これらの偏差値は、試験内容の分析や合格者の実績に基づいた推定値であり、各学校の正式な選考基準とは異なるため、あくまで参考値として扱う必要があります。
また、私立小学校の入試では、ペーパー試験以外(※桐朋学園小学校ではペーパー試験が行われません)にも行動観察や願書・面接(保護者含む)が重視されるため、学力だけではなく、総合的な評価を受けることを理解しておくことが重要です。
桐朋学園小学校の偏差値
桐朋学園小学校は、全国屈指の難関小学校として知られており、その難易度は倍率や定員枠の高さからも明らかです。
2025年度実施の入試(2026年度入学児童)では、わずか68名の募集に対して750名以上が志願。志願者倍率は11.3倍に達し、首都圏の志願倍率ランキングではベスト5に入る人気です。

【桐朋学園小学校】他校との偏差値の比較
※各学校の教育の特徴を50〜80字程度で簡潔に記述
学校 | 偏差値 | 教育の特徴 |
慶應義塾幼稚舎 | 68 | 日本の私立小学校の中でも最も歴史ある学校の一つ。6年間担任持ち上がり制や教科別専科制を両輪とし、児童の健やかな成長を多くの教職員が見守ります。 |
雙葉小学校 | 67 | 「祈る心のある子ども」「思いやりのある子ども」「実行力のある子ども」を育てることを目指しながら、生徒の自主性や個性を尊重し、内面の成長を重視する教育を行っています。 |
白百合学園小学校 | 65 | カトリックの精神に基づいた教育を特徴とする女子小学校。心の教育、マナー教育、自主性を尊重した教育を重視、児童の判断力を育むことを目指します。 |
早稲田実業学校初等部 | 64 | 「去華就実」と「三敬主義」を基盤に、自主独立の精神を養い、社会に貢献できる人材育成を目指します。国際教育、体験学習、クラブ活動など特色ある教育活動も展開しています。 |
東京農業大学稲花小学校 | 64 | 「冒険心の育成」を教育理念に掲げ、本物の自然に全身で触れ合う独自教育を実践。毎日の英語授業など現代的な学びも特徴で、新設校ながら入試倍率トップクラスを誇る人気校です。 |
立教小学校 | 63 | 聖公会に属する男子小学校。男子教育のプロフェッショナルとして温かい雰囲気の中で愛情あふれる男子教育を実践。小学校から大学までの一貫教育で成長を支えます。 |
立教女学院小学校 | 62 | 武蔵野の緑に囲まれた自然豊かな環境で、四季を感じながら学べるプロテスタント校。心の豊かさや協調性を育む教育を大切にしています。 |
桐朋学園小学校 | 61 | 伸び伸びとした教育環境で支持され、「人間力」や「考える力」を育むことに重点を置く。自然体験や探究型学習を通して、主体性と表現力を引き出します。 |
桐朋小学校 | 61 | 自然豊かな環境の中で芸術・音楽など創作活動を重視。児童を子どもらしくのびのびと育てることに定評があり、感性と自主性を育む独自教育が魅力です。 |
東洋英和女学院小学部 | 60 | プロテスタント校で幼稚園から大学までの一貫教育を実践。少人数制で、食堂で全員が共に食事をするなどアットホームな環境の中、豊かな心を育みます。 |
田園調布雙葉小学校 | 60 | 中学校・高校の入試が行われないため、12年間の濃密な人間関係の中でお互いを尊重する心が育まれます。祈る心と優しさを育てる教育方針のもと、安心して長い学びを続けられる環境が魅力です。 |
学習院初等科 | 60 | 日本文化を大切にし、私立小御三家の一角として伝統と格式を誇る名門校。最高学年による2kmの遠泳など、文武両道を体現しています。 |
青山学院初等部 | 59 | プロテスタント校で大学までの一貫教育が魅力。英語教育に力を入れ、8泊を超える充実した宿泊学習など多様な体験活動を通して心と体を育みます。 |
暁星小学校 | 59 | カトリック系の男子小学校で、キリスト教精神を基盤に知・徳・体の調和を図る全人教育を実践。国際教育やICT教育、さらにサッカーやフランス語教育など文武両道を大切にしています。 |
東京都市大学付属小学校 | 58 | 中学受験校としても実績を誇り、「日本一楽しく受験に迎える」小学校として人気を博しています。のびのびとした学びの中で、確かな基礎学力と主体性を育む教育が特徴です。 |
帝京大学小学校 | 58 | 緑豊かな環境の中で最先端の教育設備と、教科担任制による専門性の高い授業が特徴。「生きる力」を育むことを目指し、キャリア教育やセカンドスクール(宿泊学習)などの教育活動を展開。 |
成蹊小学校 | 57 | 広大なキャンパスでの自然観察や栽培活動、少人数制と教科担任制による質の高い授業、さらに国際交流を通じた英語教育など多面的な学びが魅力です。 |
淑徳小学校 | 57 | 大乗仏教精神を基盤とした教育を行う共学校。「共に生きて、共に生かしあう」という共生の心を大切にし、感謝する心、いつくしみの心、創造する心の育成を目指します。。 |
※偏差値は弊社の独自調査による算出
【桐朋学園小学校】偏差値が高い理由
桐朋学園小学校の偏差値が高い理由を3つのポイントに絞って解説します。
特色ある教育
桐朋学園小学校では、「体験を通じて学ぶ」という教育の軸を非常に大切にしています。
校内外での自然観察や野外活動、ものづくり、演劇といった実体験型プログラム、さらには教科横断型の活動を通じて、お子さまたちは「どうして?」「なぜ?」と自ら問いを立て、主体的に考える力を育んでいきます。
これらの学びを通して、お子さまたちの主体性や発想力、表現力を伸ばすことができるのが大きな特徴です。単なる知識の詰め込みではなく、「学ぶ力」そのものを養うことに重点を置いており、これが他の学校との大きな違いと言えるでしょう。
豊かな教育環境
桐朋学園小学校は、自然に囲まれた恵まれた教育環境を活かして、のびやかでバランスのとれた人間形成を目指しています。
広々とした校庭や充実した施設、豊かな緑に囲まれたキャンパスでの活動を通して、子どもたちは五感を使いながら成長していきます。
このような環境の中で、友達と協力し合う経験や、失敗から学ぶ機会を大切にし、自立心や社会性を自然に身につけることができます。
「ゆとりある時間」と「豊かな自然の中でのびのび育つ」という点は、特に保護者から高い支持を集めている理由のひとつです。
内部進学制度(桐朋中学校・桐朋女子中学校)
桐朋学園小学校は、附属校である桐朋中学校・桐朋高等学校(男子)、桐朋女子中学校・高等学校(女子)への内部進学制度を有しています。
桐朋中学校および桐朋女子中学校は、いずれも中学校受験において高い偏差値を誇る人気校です。
そのため、中学校受験を経ることなく、長期的に安定した教育を受けられる点が魅力とされ、安心して子どもを託したいと考えるご家庭からの支持を集めています。
附属の中学校・高等学校への進学を前提に、小学校時代をのびのびと過ごせるという安心感と、将来の選択肢が広がる点が大きな魅力となっています。
まとめ:偏差値の高い桐朋学園小学校に受かるためにすべきこと
桐朋学園小学校は、行動観察や面接、願書などを通じてお子さまの「主体性」「考える力」「協調性」といった人間力を総合的に評価する人気校です。
合格を目指すには、学習面の準備だけではなく、普段の生活の中で「自ら考えて行動する力」や「他者と協力する姿勢」をしっかりと育むことが重要です。
また、学校の教育理念を理解し、その方針に合ったご家庭の姿勢や価値観を願書や面接でしっかりと表現することも大切なポイントになります。
専門的な対策と家庭での一貫した取り組みによって、お子さまの自然な魅力を引き出し、合格へとつなげていきましょう。