編入対策

私立小学校編入は塾なしでも可能?成功のための戦略

私立小学校編入は塾なしでも可能?成功のための戦略
塾長
塾長

中学校受験の激化や小学校受験人気の高まりをうけて、私立小学校へ編入を希望されるご家庭が増えています。

しかし、それでなくとも籍が限られる私立小学校です。

編入となるとその募集数も大変少なく、数年にわたり編入募集がかからない学校も当たり前に存在します。

そのため、私立小学校の編入についての情報は一般的にはほとんど出回りません。

そんな閉ざされた世界とも言える「私立小学校の編入試験」ですが、塾に通うことなく合格することは可能なのでしょうか。プロが解説します。

 

私立小学校編入は塾なしは、厳しい

塾なしで私立小学校への編入が厳しいといわれる最も大きな理由は、編入試験に関する情報収集が非常に難しいことです。

私立小学校は学校ごとに試験内容や合格基準が異なり、公開されていない情報も多いため、一般の家庭が過去問や試験傾向を独自に集めることはほぼ不可能です。

また、編入試験では願書や面接を通じて家庭の教育観や学校との相性が評価されます。

小学校受験の経験がない家庭では、専門家のアドバイスなしでこれらの対策を行うのは非常に難しいです。

さらに、塾を利用しない場合、お子様の学習計画や進度管理をすべて保護者が担う必要があり、大きな負担がかかります。

私立小学校の編入試験では「国語」「算数」「理科」「社会」といった基礎学力を測るテストが行われるため、年次に応じた学力が身についている必要があります。

このため、ご家庭が進学塾並みの学習指導を行う必要があります。

また、編入試験の情報が発表されてから試験日までの期間は短く、十分な準備が難しいです。専門的なサポートがあっても準備は大変で、塾なしでは合格の可能性が非常に低いのが現実です。

 

私立小学校編入を塾なしで突破するために家庭でできること

塾なしで私立小学校に編入する難しさはご理解いただけたかと思います。

しかし、その上でなお塾なしで編入試験を突破したいと願う場合、ご家庭でどのようなことに取り組めばいいのでしょうか。プロが詳しく解説します。

 

保護者が学習指導をする

私立小学校の編入試験を塾なしで乗り越えるには、保護者が中心となって基礎学力習得の準備を進める必要があります。

前述した通り、私立小学校の編入試験には基本的に「国語・算数」のペーパー試験が課されます。(3年生以降は社会・理科が追加される場合あり)このペーパー試験を突破するには、文部科学省が定める学習要綱に沿った受検学年相当の基礎学力を身に付けている必要があります。

編入試験に対応できる基礎学力を身につけるため、保護者が教材選びや学習計画を行い、お子様の学習をサポートしていくことになりますが、これは想像以上に負担が大きい作業です。

保護者様が共働きの場合など、時間を確保するだけでも大変な思いをされることでしょう。

家庭学習環境の整備

家庭学習のサポートと合わせて、家庭内でお子様が集中して学習できる環境を整えることも親御様の大事な役割となります。

静かで明るい場所に学習スペースを設け、ワークやプリントといった教材・文房具を整理整頓することで、お子様が集中して効率的に学習を進められる環境づくりを行いましょう。

また、日常生活の中で学習時間のルーティンを作り、毎日決まった時間に勉強する習慣をつけるとよいでしょう。

 

 読書習慣、日記(作文)をつける

多くの私立小学校では、読書の時間を大切にします。

また、自分の感情を表現するための方法として、児童に毎日の日記を習慣化させている学校も多いです。

私立小学校に編入した暁には、このように読書習慣・毎日の日記付けに取り組む必要が出てきます。

読書の習慣がなければよい日記は書けませんので、この2つは大きくひもづいていると言えるでしょう。

また、こういった習慣は読解力や思考力強化にもつながるため、意識的に読書習慣をつけることが大切です。

物語や伝記、説明文など、さまざまなジャンルの本を読むことで、語彙を増やし、表現力や理解力を養うことができます。

また、日記や作文だけでなく、読書感想文を書くことで、自分の考えを整理する力を伸ばすこともできます。

 

課外学習や実体験する機会を積極的に持つ

私立小学校は、学力だけでなく、多様な体験や興味関心を持つお子様を求める傾向があります。

季節に関する習慣や自然の中で目に映り肌に触れた経験が、机の上の勉強につながるとの考えからです。

博物館や美術館、自然体験などに出かけ、幅広い経験を積むことが大切です。

暦の行事を大切にし、日本らしい遊びに取り組んだり、キャンプや牧場、山登りなど自然を全身で感じる機会を設けましょう。

また、お子様が興味を持つ活動をサポートし、それに関するエピソードを願書や面接で活用することも可能です。

 

志望校選び、編入情報の収集を行う

志望校選びと編入情報の収集も重要です。

私立小学校の試験内容や求める児童像は学校ごとに異なるため、保護者が資料や説明会を通じて情報を集め精査する必要があります。

在校生や卒業生家族を見つけ、詳しく教えてもらうことも有効です。

ただし、学校内部の情報や編入情報は公に出回りにくく、適切な対策方法を見つけるのに苦労する場合があります。

また、過去の出題内容を得た上で次回の試験内容を予想し対策するのは、受験のプロであっても時間がかかるものです。

 

願書・面接対策

願書・面接対策も避けて通れません。

前述の通り、志望動機や家庭の教育方針を志望校に合わせてまとめる必要があり、専門的なアドバイスや知見、経験がないと難しいことがあります。

また、面接本番に向けて、保護者の身なりや持ち物などの準備も大切。

基本的には小学校受験と同等の装い・持ち物を用意すれば問題ないでしょう。

一部、学校ごとのローカルルールも存在するため、在校生家族などに話を聞き各校に合った準備を行いましょう。

 

祖父母など家族、ベビーシッターなど外部の協力を得る

共働きや核家族の場合、編入試験に関するすべてのタスクを保護者だけで賄おうとすると早々に限界が訪れます。

祖父母や兄弟といった親族も協力を仰ぎ、お子様をサポートする体制を作ることで保護者の負担を軽減しましょう。

家族全体で一丸となって取り組む姿勢は、お子様のモチベーションにもつながります。

ご家族の協力を得るのが難しい場合は、ベビーシッターさんやお手伝いさん、家庭教師など外部の力を頼ることも検討しましょう。

費用は掛かりますが、関わる大人の手を増やすことで、塾なしでもある程度の準備を進めることが可能になります。

 

私立小学校編入を塾なしで取り組む際のメリット

私立小学校の編入試験に塾なしで取り組もうとされるご家庭には、それぞれのご事情があると思います。

ここからは、私立小学校編入を塾なしで取り組む際のメリット・デメリットをそれぞれプロが解説します。まずはメリットからです。

 

費用が掛からない

塾を利用しない場合、塾代や教材費などの大きな費用の負担がなくなります。

その分、他の教育関連費用や家庭内の貯蓄、編入後の学費などに充てられるため、経済的な負担を軽減できます。

また、親御様自身が教材や学習計画を選ぶことで、コストや難易度レベルをコントロールしやすくなるのも利点です。

 

ご家庭の時間を有効活用できる

塾の送迎時間や、今お通いの小学校の帰宅時間に縛られず、家庭のスケジュールに合わせて受験準備に取り組めることもメリットです。

家庭学習をメインとすることで、今お通いの小学校での活動やお友達と遊ぶ時間、習い事などを整理する必要がなくなります。

また、親子で一緒に学びながら進められるため、親子のコミュニケーションが深まる機会にもなります。

 

自宅学習の習慣がつく

塾に頼らず自宅で学習することで、お子様に学習習慣や自主的に学ぶ習慣が身につくことも大きなメリットです。

これは編入試験に限らず、今後の学校生活や小学校生活全般に役立つ力となります。

特に、自分で課題を見つけ解決する力やPDCAを回す素地が知らず知らずのうちに身に付く点も長期的なメリットです。

 

私立小学校編入を塾なしで取り組む際のデメリット

次に、私立小学校編入を塾なしで取り組む際のデメリットを改めてプロが解説します。

 

編入志望校の学校情報や、過去の試験情報が集められない

塾を利用しない場合、志望校の学校情報・試験傾向や過去の試験内容を入手するのが難しくなる可能性があります。

学校のホームページや説明会で得られる情報には限りがあるため、具体的な対策が立てにくいのが課題です。塾を利用しない分、何か別の方法で情報を収集する必要が生じます。

 

願書、面接といった保護者の対策ができない

私立小学校への編入試験では、お子様の学力だけでなく、保護者の志望理由や家庭の教育方針が重視されます。

塾を利用しない場合、願書の作成や面接練習など、保護者がご自身で調べて、自己流で対応しなければならず、不安を覚えたり準備不足に陥りやすいです。

 

お勉強の指導など保護者の負担が大きくなる

塾なしの場合、お子様の学習指導や計画作成も保護者が一手に担う必要があります。

特に、志望校が特定の科目や分野に特化した試験を課すような学校であると(例:立体図形問題に特化している等)、ニッチな情報や専門的な知識が求められ保護者の負担が大きくなる可能性があります。

仕事との両立が難しくなる場合もあり、時間的・精神的な負担が懸念されます。

 

私立小学校編入は塾なしでも可能?成功のための戦略まとめ

繰り返しになりますが、公立小学校から私立小学校へ塾なしで編入することは大変な困難が伴います。

しかし、正しい手法と知識を元に戦略的に進め、外部の手も上手に借りながら進めていくことで困難を乗り越えることもできるかもしれません。

諦めることなく、ぜひご家族で協力し合ってチャレンジしてみてくださいね。

 

藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
願書作成や面接対策、受験指導など小学校受験のことなら何でもお任せ!
願書作成97%、面接レッスン93%、受験指導100%
など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
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