洗足学園小学校は、いわゆる中受校(在校生のほとんどが中学校受験に挑戦する学校)として抜群の人気と実績を誇ります。
基礎学力の定着と総合力の育成を重視し、オリジナルテキストや独自の検定を活用した学びを特徴とし、唯一無二の教育カリキュラムを提供しています。
こうした学習環境が素地となり、洗足学園小学校で学んだ多くの児童が難関中学校へ進学し、「御三家」や「女子御三家」などトップレベルの中学校にも多数の合格者を輩出しています。
また、洗足学園小学校は、単純な学力だけでなく、実体験を重視した教育や、志願者によるオーケストラなど集中力や創造力を鍛え、充実した人格形成を行う初等教育力も評判です。
その結果、小学校受験においてトップクラスの人気を不動のものとした洗足学園小学校ですが、その入試偏差値はどの程度なのでしょうか?また、他の私立小学校と比較した場合の難易度はどのレベルに位置するのでしょうか。プロが詳しく解説していきます。
小学校受験に偏差値は存在するのか
小学校受験において、「偏差値」という明確な指標は存在しますが、中学・高校受験の偏差値とは大きく異なる性質を持っています。
小学校受験では、学力だけでなく、お子様の性格や個性、家庭の教育方針、保護者の価値観なども重要な選考基準となります。
そのため、中学・高校受験のような「学力偏差値」ではなく、模擬試験の結果や合格率をもとにした「合格判定」や「難易度ランク」として示されるのが一般的です。
これらの偏差値は、試験内容の分析や合格者の実績に基づいた推定値であり、各学校の正式な選考基準とは異なるため、あくまで参考値として扱う必要があります。
また、私立小学校の入試では、ペーパー試験以外にも行動観察や面接が重視されるため、学力だけではなく、総合的な評価を受けることを理解しておくことが重要です。
【洗足学園小学校】偏差値
前述の通り、小学校受験には公式な偏差値は存在しませんが、受験塾や幼児教室などで公表される「難易度ランク」を参考にすると、洗足学園小学校の入学難易度は高いと考えられます。
私立小学校の入試難易度を示す際には、難関中学の合格実績、競争率、入試の内容、志願者層などが参考になります。一般的に、小学校受験の難易度を相対的に評価するために「偏差値換算」をする場合、洗足学園小学校は偏差値60〜65相当と推測されます。
これは、同じ首都圏人気私立小学校の中でも難関~かなり難関のレベルに位置すると考えられます。
【洗足学園小学校】偏差値を他の小学校と比べてみる
洗足学園小学校の偏差値を、受験時に併願されることが多いと言われる他の私立小学校と比較してみましょう。
・開智小学校(埼玉県) :偏差値 55~60
・国立学園小学校(東京都):偏差値 58~63
・さとえ学園小学校(埼玉県):偏差値 55~60
・品川翔英小学校(東京都):偏差値 45~50
・精華小学校(神奈川):偏差値 55~60
・東京都市大学付属小学校(東京都):偏差値 55~60
・トキワ松学園小学校(東京都) :偏差値50~55
・日出学園小学校(東京都):偏差値50~55
・文教大学附属小学校(東京都) :偏差値50~55
・宝仙学園小学校(東京都):偏差値 55~60
*あいうえお順
これらの学校は洗足学園小学校と比較され、実際の受験期には併願校となる場合も多いです。特に、同じ「中学校受験校」として、精華小学校や都市大学付属小学校は併願校になりやすいです。
都内となりますが、「国立学園小学校(東京都)」、「宝仙学園小学校(東京都)」は、洗足学園小学校と同様に中学受験を意識したカリキュラムを組んでおり、受験対策が重要になります。「開智小学校(埼玉県)」も近年人気が急上昇しており、通学範囲内であればぜひ併願をお勧めしたい学校となります。
各校とも中学校受験を目指す学校はありますが、洗足学園小学校と同様「実体験を重要視する」、「集中力を強化するカリキュラム」、「学校全体で中学校受験に前向きに取り組む校風」といった点が類似しています。
時に孤独であったり、キリキリとした空気が流れてしまいがちな中学校受験において、在校生全体で目標に向かって切磋琢磨できる環境は、尊く、また得難い貴重なものと言えるでしょう。
また、中受校ではないながらも「暁星小学校」、「慶應義塾横浜初等部」、「白百合学園小学校」、「成蹊小学校」、「筑波大学附属小学校(国立)」、「東京農業大学稲花小学校」、「雙葉小学校」、「立教女学院小学校」、「早稲田大学系属早稲田実業学校初等部」といったペーパー難関校(入学試験の難易度が高く、特にペーパーテストが難しいことで有名な学校群)は併願されやすい傾向にあります。
洗足学園小学校は神奈川所在のため、東京都内の私立小学校より約2週間ほど早く入学試験が実施されます。
そのため、受験日の重複を避けられることから、都内難関校を目指すご家庭がこぞって受験に参戦します。その結果、全体の偏差値が底上げされるという現象が起きているのです。
【洗足学園小学校】近年の入学試験傾向
洗足学園小学校は、偏差値60~65の範囲に位置し、中学受験を前提とした教育を行う難関私立小学校の中では名実ともにトップ校です。
また、受験日が東京都内より早めに設定されている背景から、受験日かぶりが起こりづらく、関東近郊から実力者たちが大挙して押し寄せる大人気校です。
その一方、「ペーパーテストができれば合格できるんでしょ」と安易に考えていると大きなしっぺ返しに合うのが洗足学園小学校の受験です。
洗足学園小学校は、学校側が公式に「第一志望のご家庭に入学してほしい」という希望を明言しています。また、その方針が試験内容にも反映されています。
難関かつ大量のペーパー試験は、暗記力や単純な思考では乗りこなせません。「7割はベーシックは問題、3割は今まで出題されたことのない問題を出す」とも述べています。そのため、受験期間中に身に付けてきた知識や思考力をフル回転させ、答えを導き出す粘り強さや諦めない心も重要視されます。
運動テストや絵画巧緻性テストは、毎年定番のスタイルで出題されますので、これができないと「洗足学園小学校の試験対策をしてこなかったな」と判断されてしまう可能性があります。
また、近年では一次試験・二次試験の両方で行動観察が出題されるようになりました。「お勉強だけができるお子様ではなく、協調性を持って協力しながら物事を進められる、集団行動ができるお子様を求めている」という学校側の無言のメッセージでもあるのでしょう。
また、洗足学園小学校は親御様にも試練を与えます。過去、二次試験に進んだご家庭だけが面接を実施されていました。
そのため保護者は「二次試験に進んでから面接の準備をすればいい」とやや余裕をもって考査に挑めました。しかし近年、二次試験での親子面接がなくなった代わりに、一次試験で保護者アンケートが実施されることになりました。
その結果、洗足学園小学校の入学考査に挑戦するご家庭は「学校研究」「志望動機」「アンケート対策」の3つを同時進行で行わなければならなくなりました。
この結果、「ペーパー難関校である洗足学園小学校で合格を得て、都内の本命校に挑む」といった、洗足学園小学校の試験を前哨戦と捉えるような発想のご家庭にとっては、大変苦しい展開となりました。
こういった変更からも、洗足学園小学校の一貫した姿勢が見て取れますし、ここまで厳しい試練を与えられてなお「洗足学園小学校に入学したい」と強く願い努力を重ねたご家庭だけが合格を勝ち取ることになったのです。
特に、志願者数の多さと競争率の高さが特徴であり、合格を勝ち取るためには十分な準備と対策が必要となります。
入試では、単なる学力試験だけでなく、ペーパー試験・行動観察・面接の総合評価が求められるため、受験生一人ひとりの学力や適性だけでなく、協調性や自主性、思考力、コミュニケーション能力など、幅広い要素が審査の対象となります。
また、洗足学園小学校は、中学校受験を強く意識したカリキュラムを導入しており、高い進学実績を誇ることから、受験を視野に入れた家庭からの支持が非常に厚く、それが高い倍率につながっています。
「最難関私立小学校」とされる「慶應義塾横浜初等部」や「早稲田大学系属早稲田実業学校初等部」と比べると、やや入りやすいものの、一般的な私立小学校と比べると入学難易度は高く、入学することが大変難しい学校のひとつです。
【洗足学園小学校】偏差値とその推移を検証!入学難易度を解説 まとめ
偏差値60~65の範囲に位置し、最難関のひとつにも数えられる洗足学園小学校。偏差値の高さはもちろん、併願校とされる学校群の名前を見るだけでも、その入学難易度の高さがご理解いただけると思います。
洗足学園小学校の入試では、「第一志望である」という姿勢を最後まで貫くことが合格のカギとなります。
そのため、お子様の学力だけでなく「この学校に入りたい」という熱意を持ちながらも学校側が求める児童像とご家庭の方針を一致させていくことが、合格への重要なステップといえるでしょう。