【成城学園初等学校】過去問は入手できる?
成城学園初等学校の入試では、いわゆる筆記試験は実施されておらず、公式の過去問は公開されていません。
そのため、受験対策としては、小学校受験専門の教育機関や出版社が発行する模擬問題集やそっくり問題集を活用することが基本となります。
ここでは、成城学園初等学校の出題傾向に対応した代表的な問題集をご紹介します。
伸芽会「成城学園初等学校・玉川学園小学部 入試問題集」
毎年発行されている学校別問題集シリーズで、成城学園初等学校の出題形式に即した内容が収録されています。
個別テスト・行動観察・運動・面接など、各分野の特徴的な問題とその解説が丁寧にまとめられており、家庭学習での演習教材として非常に実用的です。
理英会「そっくり問題集11 成城学園初等学校(2026年度入試準備版)」
実際の試験に近い構成・形式で作られている「そっくり模試」形式の問題集です。
2026年度入試準備版は、近年の出題傾向を反映し、個別試問・行動観察・運動テスト・面接形式すべてに対応しています。
家庭での本番シミュレーションや、試験当日の流れを掴む練習として有効です。
受験直前期の実力確認にも適しています。
日本学習図書「首都圏版 成城学園初等学校 過去問題集」
基礎的な図形・数量・言語・常識などを収録しており、初学者向けの家庭学習の導入として最適な問題集です。
過去の傾向を分析したうえで構成されているため、基礎から力をつけたいご家庭におすすめです。
いずれの教材も、成城学園初等学校の入試で重視される観点を体系的にカバーしています。最新年度版を選び、お子さまの特性や習熟度に応じて使い分けることが、効果的な過去問対策につながります。
【成城学園初等学校】過去問からわかる出題傾向
成城学園初等学校の入試は、いわゆる「学力」だけでは測れない“総合的な力”が問われます。
具体的には、個別テスト(口頭試問)・行動観察・運動・親子面接の4つの観点から、子ども自身の特性と家庭の教育姿勢がバランスよく見られています。
ここでは各出題形式ごとに、過去3年間(2025〜2023年)の傾向をもとに解説します。
個別テスト(口頭試問)
【出題傾向の概要】
個別テストでは、図形・記憶・言語・数量・常識・巧緻性といった多様な課題がバランスよく出題されます。
全体として「一問一答」形式の口頭試問が多く、聞かれたことに対して、論理的かつ端的に答える力が求められます。
2025年度出題
・点図形
・数量比較(数の多少・順序)
・お話の記憶(短いストーリーを聞いて内容を再現)
・常識問題(マナーや公共マークの意味)
・指示行動(「◯番目に立ってください」「△を取って渡してください」など)
2024年度出題
・しりとり、数の比較(量の多少)
・お話を聞いて内容を答える記憶問題
・点図形の再現
・積み木を見た向きと同じ図を選ぶ
・公共の場でのふるまいに関する常識問題
2023年度出題
・数量(カードに書かれた数の多い順)
・記憶:話の内容の再現、絵の内容再現
・点図形、重ね図形
・道徳・常識に関する問い
・巧緻性:お箸の持ち方、折り紙
行動観察テスト
【出題傾向の概要】
行動観察では、自由遊び・集団活動・課題遂行型ゲームなどを通じて、協調性・社会性・自己抑制・リーダーシップ・他者配慮が観察されます。
指示の聞き取りや応答、チームでの役割分担が重視されます。
2025年度出題
・自由遊び(ままごと、絵本、積み木など)
・チームでの課題活動(積み木運び・ボール渡し)
・お友達とのやり取りにおける協調性・発言・態度
2024年度出題
・3人1組での積み木運び
・ブロックで高く積むチーム競技
・先生の話を聞いて、制限時間内に動く指示行動
2023年度出題
・積み木で構造を再現するペアワーク
・おもちゃ遊び(言葉遣いや貸し借りの様子)
・順番を守るか、会話の適切さが評価項目に
運動テスト
【出題傾向の概要】
運動テストは、体力・敏捷性・協調運動などを確認する場です。
過去の傾向では、ケンケンパー・平均台・ボール運び・ジャンプ・くま歩きといった基本的な運動が中心です。
動きの正確さよりも、ルールを守り最後までやり抜く態度が重視されます。
2025〜2023年度出題(共通傾向)
・ケンパージャンプ、ジグザグ走
・平均台を使ったバランス運動
・ボール渡し・玉運び競争
・指示に従って動く運動模倣
※年度によって内容に細かな差はありますが、大きな変更はありません。
親子面接
【出題傾向の概要】
面接は保護者・お子さまの両方に対して実施されます。
教育方針・志望理由・家庭での過ごし方・お子さまの特徴や性格に加え、子ども自身にも簡単な質問(好きな遊び、最近の出来事など)がされます。
2025〜2023年度出題(共通傾向)
保護者:
・なぜ成城学園を志望するのか
・家庭の教育方針
・子どもとの関わり・遊び方
・他校との併願状況(聞かれることも)
子ども:
・好きな遊び・食べ物・家での過ごし方
・名前・年齢・通っている幼稚園
・両親の名前を言えるかなど、簡単な受け答え
※言葉遣いや態度、親子の自然な関係性も重視されます。
【成城学園初等学校】過去問対策のポイント
成城学園初等学校の過去問は、単なる解答力を問うものではなく、「思考の柔軟性」「言語の運用力」「協調性」など、子どもの総合的な力を見極める内容になっています。
過去問を使った対策では、次のポイントを意識することで、より効果的な学びが得られます。
出題意図を理解することが第一歩
過去問を解かせる際に大切なのは、正答率を上げることよりも、「なぜこの問題が出題されているのか」を大人が理解した上で取り組むことです。
たとえば「話の記憶」では、記憶力だけでなく、集中力や最後まで聞く姿勢も見られています。
ただ正しく答えるだけではなく、話を聞く態度や視線、姿勢も意識しながら練習を行いましょう。
また、「図形の構成」や「重ね図形」では、空間認識力や柔軟な思考が求められます。
最初から難しい問題を解かせるのではなく、積み木や折り紙など、遊びを通じて自然に力を育てるのが効果的です。
反復よりも“質の高い振り返り”を
過去問対策では、単に同じ問題を繰り返すよりも、「解いたあと」の振り返りが重要です。
なぜ間違えたのか
どこに気づけなかったのか
次はどうすればうまくいくか
このように、一緒に考える時間を大切にすると、子どもは自分で考える力や課題への向き合い方を自然に身につけていきます。
「できた・できなかった」だけでなく、「どこをどう頑張ったか」「どう考えたか」という過程を大切にする声かけが、お子さまの成長につながります。
家庭で取り組むには?
家庭での取り組みとしては、親子で楽しく会話をしながら、本番に近い形式の口頭試問を練習するのが効果的です。
面接では、答えの内容だけでなく、表情・声の大きさ・話し方・姿勢といった「伝え方」そのものも大切にされます。
「とはいえ、「家での練習だけでは少し不安」「どんな質問がくるのか想像しづらい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなご家庭には、実際に多くの保護者さまをサポートしてきた私が提供する面接対策サポートもご用意しています。
お子さまの特性やご家庭の考え方に合わせて、自然な受け答えができるよう丁寧にサポートいたしますので、よろしければご活用ください。
【成城学園初等学校】過去問に対応した家庭学習のコツ
成城学園初等学校の入試は、単なる学力だけでなく、家庭での生活習慣や子ども自身の人柄まで問われる多面的な試験です。
そのため、過去問に取り組むだけでなく、日常の中での積み重ねも大きな意味を持ちます。ここでは、試験本番で力を発揮できるよう、家庭で実践できる具体的な学習の工夫をご紹介します。
ペーパー分野の基礎定着と反復練習
過去問を分析すると、成城学園では「話の記憶」「数量」「図形」「常識問題」など、バランスよく出題される傾向があります。
難問を解く力よりも、基本問題を確実に解き切る力が求められています。
たとえば、以下のような工夫を毎日の学習に取り入れてみてください。
- 『ばっちりくんドリル』(理英会)で、計算・図形・言語の基礎を固める
- 絵を見てお話を作る「語彙力・発想力」を養う遊び
- 話の記憶力を高めるために、1日1問「今日の聞き取りクイズ」を親子で実施
短時間で集中して取り組む習慣を作ることが、安定したペーパーテスト力の養成につながります。
巧緻性・指示行動は「遊び」で伸ばす
成城学園では、手先の器用さや、指示に沿って作業する力も評価対象になります。
ハサミやのりを使う課題では、焦らず丁寧に作業できるかが見られます。
家庭ではこんな取り組みが効果的です。
- 折り紙で毎日1作品、丁寧に完成させる
- 「封筒に手紙を入れて封をする」遊びで、細かい作業の練習
- 「3回折ってハサミで切る」など複数の指示を同時にこなす遊び
特に、最初に見本を見せて「やってみようね」と促すと、模倣行動と集中力が同時に鍛えられます。
行動観察に対応する家庭のしつけ・習慣
行動観察テストでは、子どもの日常的な態度や関わり方がそのまま評価につながります。
特別な準備ではなく、毎日の生活が一番の対策です。
家庭で意識したい習慣としては、
- 朝の「おはようございます」、夜の「おやすみなさい」の声かけ習慣
- 食事前後の「いただきます」「ごちそうさま」を丁寧に
- 公園やお友達との遊びで「順番を守る」「譲る」経験を重ねる
これらの生活習慣が自然に身についていると、本番でも無理なく評価される立ち振る舞いができます。
運動課題に対応した基礎体力づくり
成城学園では、ボール投げ、ケンケン、スキップなどの基本運動が出題されています。難しい運動よりも「先生の指示を聞いて正しく動けるか」が重要視されます。
家庭でできる取り組み例として、
- 音楽に合わせたダンス遊びや、親子で「まねっこ体操」
- ジャンプやスキップを取り入れた「障害物ごっこ」
- 風船やボールで「当たらないように運ぶ」ルール遊び
これらを遊びの一環として取り入れることで、自然に体力と指示理解力が養われます。
以上のように、特別な教材や環境がなくても、家庭でできることはたくさんあります。
日常のなかに「学び」を取り込む工夫が、試験当日の落ち着きと実力発揮につながるのです。
もっと具体的なご家庭での学習計画や、習慣づけの方法を知りたい方には、私の家庭学習支援サービスもご活用いただけます。
まとめ:成城学園初等学校の過去問対策は家庭学習がカギ
成城学園初等学校の入試は、ペーパーテストに加えて、行動観察・運動・巧緻性・面接と、多面的に子どもの力やご家庭の教育方針が見られる、総合的な試験です。
そのため、過去問に取り組むことはもちろん大切ですが、単に「解けること」以上に、「日常の中で自然に発揮できるかどうか」が問われます。
つまり、家庭での関わり方や日々の習慣が、そのまま試験に表れると言っても過言ではありません。
過去問は出題傾向を知るうえでとても有効ですが、それだけで準備が完結するわけではありません。
ご家庭での声かけや働きかけが加わってこそ、過去問は本当の意味で活きてきます。
たとえば、私の【家庭学習支援】では、お子さま一人ひとりの性格やペースに合わせて、無理のない取り組み方をご提案しています。
▶ 家庭学習支援はこちら|毎日の取り組みを受験対策につなげるサポート
また、面接では願書と矛盾のない発言や、ご家庭の教育方針の一貫性も評価されます。
「何をどう伝えるべきか分からない」「願書と面接の整合性が不安」という方には、【願書作成サポート】と【回答集つき面接対策】を組み合わせたサポートもご用意しています。
▶ 願書作成はこちら|家庭の考えを言葉にするお手伝い
▶ 面接対策はこちら|実践形式で“伝わる”練習を
一人で悩まず、ご家庭の想いを丁寧に言葉にするサポートを通して、お子さまの“らしさ”を伸ばしていきましょう。
成城学園初等学校の合格は、日々の丁寧な積み重ねの先にあります。