【立教女学院小学校】偏差値はどれくらい?
多くの受験家庭から高い人気を誇る立教女学院小学校。その偏差値や難易度はどれほどなのか、プロの視点から詳しく解説していきます。
小学校受験における偏差値の意味
まず、小学校入試における「偏差値」について整理しておきましょう。小学校受験にも偏差値という指標は存在しますが、それは中学・高校受験の「学力偏差値」とは異なる意味合いを持っています。
小学校入試では、単に学力だけではなく、お子さまの人柄や資質、さらに家庭での教育姿勢や保護者の考え方までもが評価対象になります。そのため、いわゆる「学力偏差値」ではなく、模擬試験の成績や合格可能性を目安にした「難易度ランク」や「合格判定」として表現されることが多いのです。
これらの数値は、過去の合格者データや入試内容の傾向をもとに算出された参考値であり、各学校が公式に定めた基準ではありません。あくまで受験準備の目安として捉える必要があります。
また、私立小学校ではペーパー試験のほか、運動能力、絵画・制作、巧緻性、行動観察、さらに願書や面接(保護者面接含む)など、多面的な評価が行われます。つまり、単純な学力だけではなく、総合的な人間性が重視される点が特徴です。
立教女学院小学校の偏差値
立教女学院小学校は、キリスト教精神に基づく教育理念と長い歴史を持つ女子校として高い評価を得ています。その人気と伝統の高さは、毎年の入試倍率にも表れています。
2025年度入試(2026年4月入学)では、募集定員72名に対して志願者数は520名を超え、競争倍率は実に約7.2倍に達しました。
【立教女学院小学校】他校との偏差値の比較
学校 | 偏差値 | 教育の特徴 |
立教女学院小学校 | 62 | 武蔵野の緑に囲まれた自然豊かな環境で、四季を感じながら学べるプロテスタント校。心の豊かさや協調性を育む教育を大切にしています。 |
雙葉小学校 | 67 | 「祈る心のある子ども」「思いやりのある子ども」「実行力のある子ども」を育てることを目指しながら、生徒の自主性や個性を尊重し、内面の成長を重視する教育を行っています。 |
白百合学園小学校 | 65 | カトリックの精神に基づいた教育を特徴とする女子小学校。心の教育、マナー教育、自主性を尊重した教育を重視、児童の判断力を育むことを目指します。 |
東洋英和女学院小学部 | 60 | プロテスタント校で幼稚園から大学までの一貫教育を実践。少人数制で、食堂で全員が共に食事をするなどアットホームな環境の中、豊かな心を育みます。 |
田園調布雙葉小学校 | 60 | 中学校・高校の入試が行われないため、12年間の濃密な人間関係の中でお互いを尊重する心が育まれます。祈る心と優しさを育てる教育方針のもと、安心して長い学びを続けられる環境が魅力です。 |
聖心女子学院初等科 | 63 | 聖心女子学院初等科は、キリスト教の教えを基盤に「誠の心」を育む女子校です。思いやりと感謝を大切にし、都心の自然豊かな環境で感性と品格を育成。大学までの一貫教育体制が魅力で、長い伝統と安心感が支持されています。 |
日本女子大学附属豊明小学校 | 58 | 「信念徹底」を教育理念に掲げ、学力と人間性を育てる女子校です。広い校庭と自然環境に恵まれ、協調性や礼儀を大切にした教育が特徴。附属中高・大学への進学が可能な安定した一貫教育も強みです。 |
東京女学館小学校 | 59 | 「自主自律」を重視し、自分で考え行動する力を育む女子校です。都心の緑豊かな広い敷地で、社会性や思いやりを育てる多彩な行事が充実。内部進学制度と幅広い進路選択肢が魅力で、多くの家庭に支持されています。 |
成蹊小学校 | 57 | 広大なキャンパスでの自然観察や栽培活動、少人数制と教科担任制による質の高い授業、さらに国際交流を通じた英語教育など多面的な学びが魅力です。 |
桐朋学園小学校 | 61 | 伸び伸びとした教育環境で支持され、「人間力」や「考える力」を育むことに重点を置く。自然体験や探究型学習を通して、主体性と表現力を引き出します。 |
桐朋小学校 | 61 | 自然豊かな環境の中で芸術・音楽など創作活動を重視。児童を子どもらしくのびのびと育てることに定評があり、感性と自主性を育む独自教育が魅力です。 |
慶應義塾幼稚舎 | 68 | 日本の私立小学校の中でも最も歴史ある学校のひとつ。6年間担任持ち上がり制や教科別専科制を両輪とし、児童の健やかな成長を多くの教職員が見守ります。 |
早稲田実業学校初等部 | 64 | 「去華就実」と「三敬主義」を基盤に、自主独立の精神を養い、社会に貢献できる人材育成を目指します。国際教育、体験学習、クラブ活動など特色ある教育活動も展開しています。 |
学習院初等科 | 60 | 日本文化を大切にし、私立小御三家の一角として伝統と格式を誇る名門校。最高学年による2kmの遠泳など、文武両道を体現しています。 |
青山学院初等部 | 59 | プロテスタント校で大学までの一貫教育が魅力。英語教育に力を入れ、8泊を超える充実した宿泊学習など多様な体験活動を通して心と体を育みます。 |
※偏差値は弊社の独自調査による算出
【立教女学院小学校】偏差値が高い理由
立教女学院小学校の偏差値が高い理由を3つのポイントに絞って解説します。
高い人気と志願者数の多さ
立教女学院小学校は、キリスト教精神に基づいた温かい教育方針と自由な校風、そして豊かな自然環境が魅力で、多くの保護者から支持を集めています。
特に「子どもの個性を大切にしたい」「思いやりのある子に育ってほしい」と願う家庭に選ばれ、定員72名に対して500名以上の志願者が集まる年もあります。さらに、受験日が例年11月2日以降に設定されており、都内の難関女子校(いわゆる「1日校」)と呼ばれる学校の受験日(11月1日)と重ならない点も特徴です。
そのため、多くの女子校志望者が併願先として受験に挑む傾向があり、競争倍率がさらに高まります。加えて、杉並エリアの地域性もあり、周辺の地元志願者が多数受験することも、志願者数が増える要因となっています。
総合的な選考基準の厳しさ
立教女学院小学校の入試では、ペーパー試験だけでなく、行動観察、運動、巧緻性、面接(保護者面接含む)など多面的にお子さまを評価します。
特にペーパー試験では、数の問題や図形問題など、複雑で難易度の高い問題が数多く出題される点が特徴です。これらの問題を短時間で正確に解答する力が求められ、スピーディーな処理能力と高度な思考力が必要になります。
そのため、立教女学院小学校のペーパー試験は「かなり特殊で癖がある」と言われ、十分な対策なしでは太刀打ちが難しいことで有名です。加えて、協調性や社会性、家庭での育ちなども厳しく見られるため、総合的に高いレベルが求められます。
この多角的な評価体制が、偏差値の高さを裏付ける大きな要因となっています。
一貫教育による信頼性と将来性
立教女学院小学校は、小学校から中学校・高等学校、さらに立教大学へとつながる内部進学制度が整っており、将来にわたる安定した進路が保証されている点が大きな魅力です。
この一貫した教育体制は、保護者にとって安心感があるだけでなく、お子さまにとっても長期的な視点で学びを深められる大きなメリットです。
また、長い歴史と実績に支えられた「教育への信頼性」が非常に高く、多くの家庭に選ばれる理由のひとつとなっています。
さらに、女子校でありながら目白にある立教小学校との交流も盛んに行われており、女子だけの環境に偏らず、他者との関わりを持つバランスの良さも魅力的です。こうした多面的な魅力が、難関校としての評価をより一層高めています。
まとめ:偏差値の高い立教女学院小学校に受かるためにすべきこと
立教女学院小学校は、ペーパー試験の難度の高さに加え、行動観察や巧緻性、面接、願書を通して「主体性」「思いやり」「協調性」など、お子さまの総合的な人間力を重視する人気校です。
合格を目指すには、学習面での基礎力を固めるだけでなく、日常生活の中で「自分で考えて行動する力」や「周囲と協力する姿勢」を育むことが欠かせません。
さらに、立教女学院小学校が重視するキリスト教に基づく教育理念を深く理解し、ご家庭の価値観や教育方針が学校と一致していることを願書や面接で誠実に伝えることが大切です。加えて、親御さま、特にお父さまの学校への協力姿勢や深い理解も求められます。
合格は決して容易ではありませんが、丁寧な準備と家庭での一貫した取り組みによって、お子さまの自然な魅力を引き出し、合格という目標に近づけていきましょう。