キリスト教(聖公会)教育を主軸として個性と尊厳を大切にする教育の下、幼い男の子をのびのび育てることに定評のある立教小学校。
受験倍率も高く、例年大人気の入学難関校のひとつですが、最近立教小学校が行う「教育相談」が復活したのはご存じでしょうか。
立教小学校の居郁相談とはいったい何なのか、また、どんな手順で進められ、どのようなご家庭が参加しているのか。プロが徹底解説します。
立教小学校の教育相談とは?
立教小学校の教育相談とは、立教小学校に入学を希望されるご家庭の中で、お子様の就学に際して相談などがある場合に、学校側に直接相談をすることができる機会です。
コロナ禍の最中は中止となっていましたが、昨年から復活。例年4月頃に募集が開始され、参加できるのはその年に考査を受ける年長児をお持ちのご家庭に限られています。
立教小学校が行う教育相談は、「お子様の健康上の問題等、学校にどうしてもご相談したいことがおありの方のみお受けいたします」と案内されています。
しかし実際には、第一志望として同校を志望するご家庭にとって、参加が事実上必須と言われています。
この教育相談では、学校側が家庭の教育方針や価値観を把握し、同校の教育理念と合致しているかを確認する場となります。
そのため、ただ形式的に参加するだけでなく、志望動機や家庭の教育方針を明確に伝えられるよう、受験本番さながらの準備が求められます。
家庭の熱意や学校との適合性を直接アピールできる貴重な機会である一方、しっかりと準備を行わなければ逆効果になる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
【立教小学校】教育相談の流れ
立教小学校の教育相談は、おおむね以下の様な流れで実施されます。
前述した通り、コロナ禍で数年間中止されていました。近年再開されましたので、その段取りや進め方には一部変更があるかもしれません。実際にお申し込みをされる際に、最新情報を得るようにしてくださいね。
STEP1 募集告知の確認
立教小学校の教育相談は、例年4月頃から告知が開始されます。学校のホームページに情報が掲載されますので、定期的にチェックするよう心がけましょう。
STEP2 申込
立教小学校の学校ホームページに募集告知が掲載されたら申し込みをします。指定された申込開始日以降に電話で申し込みます。当日の開始時間は電話が混みあって中々つながらないこともあるようですので、時間をおいてこまめに入電しましょう。また、場合によっては早々に受付枠が埋まってしまう場合もあります。できる限り受付初日~遅くとも翌日までには申し込みを行いたいところです。
申込電話の中で「具体的にどのような相談か。」と聞かれる場合もあるかもしれませんので、相談内容については簡潔に答えられるように準備しておきましょう。
例:息子に食物アレルギーがあり給食等について相談したい。軽度の心臓疾患があるが、就業に問題がないか。など
STEP3 事前準備
立教小学校の教育相談に参加する前に、1番大切なのが事前準備です。
当日相談したい内容を簡潔にまとめておきましょう。
それをメインテーマとして、軸がそれない程度にいくつかの追加質問も考えておくこともお忘れなく。
教育相談は、各家庭ごとに時間が区切られています。
時間をオーバーすると、学校側や次にお待ちのご家庭に迷惑をかけてしまいます。
相談したいことはしっかり相談しながらも時間厳守で終わらせられるよう、コンパクトにまとめておくことが肝心です。
また、志望動機やご家庭の教育方針、学校研究なども本番さながらのレベルで準備してください。
相談をきっかけに、お話の内容が学校への志望度を伝える流れになった時に、準備不足でしどろもどろの回答になってしまっては大きな損です。
また、そのような状態を学校側に露見させてしまうと「このご家庭はわが校にあまり熱心ではないか。志望度は低いのかな。」とマイナスなイメージを持たれてしまいます。「立教小学校にどうしても入学をしたい!だから、子供に関することで心配な点を事前にクリアにしたい。」という真剣な想いを持って教育相談に参加されているご家庭であれば、志望動機や教育方針などもしっかりと答えられるはずです。
ぜひ本番面接の予行練習のつもりで、できる限りの準備をして臨みましょうね。
STEP4 相談当日
申込の電話、もしくはそれ以降の学校側とのやり取りのなかで、相談に行く日時が決定されます。指定された日時になりましたら学校へ伺いましょう。
服装は、基本的には面接本番のようなお受験スーツが望ましいです。
髪型やメイク、バッグなどの持ち物も本番に倣うようにしましょう。
また、夫婦で参加するのが暗黙の了解です。当日は遅刻は絶対NGですが、早く到着し過ぎるのもマイナスです。必ず指定時間に迎えるように、念のため道のりや交通情報を確認しておきましょう。
STEP4 相談終了後
教育相談は、相談をして安心してそれで終わりではありません。帰宅後、記憶が薄れぬうちに必ず当日の会話を記録として残しておきましょう。
- 日付け
- 相談を担当してくださった先生(教職員の方)のお名前
- 質問内容とそれに対する解答
- 教育相談を通して、どのような気持ちになったか(感想)
をまとめておくのです。
そして、受検本番を迎えられましたら、面接で必ずこの話題に触れましょう。もちろん、流れを逸脱して突然話を持ち出すことはいけません。
しかし、志望動機などをお話しする際に「教育相談で◎◎先生から○○のようなお話をいただき、より一層御校入学への気持ちが強くなりました。」といったように、自然な流れで触れられるとよろしいでしょう。
立教小学校の教育相談を受けておきたい方
ここまで読み進めたことで、立教小学校の教育相談について深く理解されたかと思います。では、実際に立教小学校の教育相談を受けておきたい方がいいのはどのようなご家庭なのでしょうか。プロが具体的な例を挙げて解説します。
就学に関して、お子様の健康上の問題に心配のあるご家庭
お子様の健康上の問題について心配があるご家庭であれば、特に積極的に立教小学校の教育相談に参加しましょう。
学校側はお子様が安心して学校生活を送れる環境を整えるために、健康面での特別な配慮が必要かどうかを事前に把握したいと考えています。
教育相談を通じて、アレルギーや慢性疾患、発育上の課題など、日常生活や学業に影響を与える可能性のある事項について詳しく共有し、適切な対応方法を話し合うことができます。また、学校側に誠意をもって情報を伝えることで、双方が信頼関係を築く第一歩ともなります。
就学に関して、健康問題以外に学校に相談したいことがあるご家庭
健康面以外で、就学に関する不安や質問があるご家庭にとっても、立教小学校の教育相談は有用です。
例えば、教育方針や学力面でのサポート、家庭環境や言語面での特別な事情について学校に相談したい場合、教育相談を活用することができます。次いで多いのは宗教に関する相談です。
立教小学校はキリスト教(聖公会)の教えをベースとして教育理念や教育方針をまとめています。
同宗教のご家庭であればすんなり受け止められる価値観ではありますが、今まで無宗教や仏教、その他の宗派に属しているご家庭であれば、そのギャップに戸惑ったり、宗教が異なることで受験に不利が生じのではないかと不安に感じられることも多いです。
そんな場合に、ご自身の宗教観を明らかにした上で腹を割って相談してみることは有益です。
その他、学校の教育理念やカリキュラムに対する具体的な質問や、家庭の価値観と学校との適合性について確認することで、より安心して受験や入学を進められるでしょう。
立教小学校が第一志望のご家庭
立教小学校を第一志望として志望するご家庭にとって、教育相談は必ず受けるべき重要な機会です。
相談の流れによっては、志望動機や家庭の教育方針、学校への期待などを明確に伝えるチャンスにつながりますので、参加する際には受験本番さながらの準備をしておきましょう。
教育相談を通じて学校との相互理解を深めることで、受験成功の可能性が高まります。また、学校側は相談の機会を通じて、家庭と学校の相性や相互理解、ご家庭の価値観やご様子などを知ることになります。
教育相談がうまくいけば、それ自体が間接的にプラスに働くと言えるでしょう。
ただ、気を付けなければいけないのがその切り出し方です。学校からは明確に「本校受験に際して必須となる面談ではございません。」と提示されています。
これを無視して、いきなり面接のように志望動機や立教小学校入学への熱意を語りだしたら、学校側はどう思うでしょうか。
学校の指示を無視し、教育相談の機会を自分勝手に使う無遠慮で非常識なご家庭と捉えかねられません。
相談をする中で、結果的に学校への熱意を伝える形になっていることが理想的です。ですので、最初は必ず「就学に際する相談」を行うように勧めていきましょう。
立教小学校の教育相談は受けるべき?プロが解説まとめ
立教小学校の教育相談とは、立教小学校に入学を望むご家庭が、お子様の就学に際し気になる点を相談できる貴重な機会です。
また、お話の流れや準備次第によっては、学校側に入学熱意を伝える大きなチャンスにもなることでしょう。
真摯にアピールすることができれば、立教小学校側もきっとプラスの印象を残してくれるはずです。常識の範囲内で、学校側への感謝と尊敬の念を持ち、礼節をわきまえた上でぜひ参加してみてくださいね。
