革新的な教育環境を提供し、現代社会に適応した先進的な学びを実現する東京農業大学稲花小学校。日本が誇る名門大学「東京農業大学」から脈々と受け継がれる普遍的な教育理念を軸に、開校以来常に注目を集め続けています。また、共働きの家庭が安心して預けられる環境づくりに力を入れ、親御様のワークライフバランスを支える仕組みも充実。受験者の関心が高く、入学を希望する家庭が後を絶ちません。そんな東京農業大学稲花小学校の受験倍率は、今一体どの程度まで上昇しているのでしょうか。
【東京農業大学稲花小学校】日本の私立小学校トップの超高倍率
東京農業大学稲花小学校は、新設校にもかかわらず日本の私立小学校トップの一角をなす超高倍率校です。日本の私立小学校を代表する慶應義塾幼稚舎（東京都）、同慶應義塾横浜初等部（神奈川県）、中学校受験校として断トツの人気を誇る洗足学園小学校（神奈川県）といった名だたる私立小学校と肩を並べる倍率です。設立後10年も経っていない新設校としてはこの倍率は驚異的で、東京農業大学稲花小学校がどれほど魅力的かつ多くのご家庭に支持されているかがうかがえます。
東京農業大学稲花小学校はその考査内容も難易度が高いことで有名です。都内トップレベルを誇るペーパー試験を中心に、絵画工作、行動観察も一切の油断は許されません。また、新設校であるが故に試験の方針が固まり切っておらず、毎回様々な変化を見せてくることから、東京農業大学稲花小学校を本命として受験準備を進めるご家庭にとっては、その対策にも苦慮されることでしょう。
【東京農業大学稲花小学校】倍率推移
東京農業大学稲花小学校の受験倍率は毎年非常に高くなっているのです。では、実際の倍率はどうなっているか。その推移を詳しく見ていきましょう。
東京農業大学稲花小学校の受験倍率は、2019年の開校以来一貫して高い水準を維持しており、「私立小学校倍率ランキング」ではベスト５の常連とも言われています。男女共に超高倍率ではありますが、特に男児の倍率が頭ひとつ抜けている点も特徴です。以下は、過去5年間（2019年～2024年）の推定倍率です。
■総合
| 2024年 | 約12.2倍 |
| 2023年 | 約13.7倍 |
| 2022年 | 約12倍 |
| 2021年 | 約17.6倍 |
| 2020年 | 約12.8倍 |
| 2019年 | 約12.0倍 |
■男児
| 2024年 | 約13.3倍 |
| 2023年 | 約14.2倍 |
| 2022年 | 約13.2倍 |
| 2021年 | 約18.7倍 |
| 2020年 | 約14.7倍 |
| 2019年 | 約13.1倍 |
■女児
| 2024年 | 約11.0倍 |
| 2023年 | 約13.3倍 |
| 2022年 | 約10.7倍 |
| 2021年 | 約16.5倍 |
| 2020年 | 約11.1倍 |
| 2019年 | 約10.9倍 |
（※正確な数値は公表されていないため、推定値を含みます。）
【東京農業大学稲花小学校】倍率が高い理由
東京農業大学稲花小学校の倍率はなぜこれほどまでに高いのでしょうか。その理由を4つのポイントに分けて、プロが詳しく解説します。
新規開設校として注目を集めているから
東京農業大学稲花小学校は2019年に開校しました。首都圏の大学附属小学校としては2013年の慶應義塾横浜初等部（神奈川県）以来の新設校となります。都内の大学附属小学校は歴史が長い学校が多く、新規開校するケースは非常に珍しいため、開校当初から大きな注目を集めました。
また、「私立小学校の歴史を変える」とも称されるように、東京農業大学稲花小学校は従来の私立小学校とは異なる独自のコンセプトを掲げています。１年生から始まる毎日の英語授業・探究型学習・農業教育・先進的なICT活用など、温故知新とも言える次世代を見据えた教育を実践。お子様の自主性や創造力を伸ばすカリキュラムが支持されています。
さらに、共働き世帯やパワーカップル層からの支持も非常に厚いのが特徴です。充実したアフタースクールや、忙しい保護者のライフスタイルにフィットしたサポート体制を整えることで、時代に合った学校として評価されています。こうした話題性と時代性が相まって、受験者が年々増加し、高い倍率を維持しているのです。
受験日が４日設定されており、他校と併願しやすいから
東京農業大学稲花小学校の入試は、例年11月1日から11月4日の4日間で実施されており、受験者は希望日を自ら選択できるシステムになっています。この柔軟な日程設定が、高倍率を生む大きな要因のひとつとなっています。
東京都内の人気私立小学校は、例年11月1日や2日に入試を実施することが多く、受験日程の重複が避けられないという課題がありました。そのため、受験生の家庭は第一志望校の受験を優先せざるを得ず、他校の併願が難しくなる傾向にありました。しかし、東京農業大学稲花小学校は複数の日程を設けることで、他の難関校とバッティングせずに受験することが可能となり、併願校としての選択肢に入りやすくなっています。
この柔軟な受験スケジュールにより、「ぜひ挑戦してみたい！」「せっかくなので受験をしておかねば！」という層の受験者も多く、結果的に応募者数の増加につながっています。特に、開校以来話題性のある学校であるため、「共学かつ小中高一貫校志望のご家庭は必ず受けるよう」お通いの受験塾（お教室）から指示されることも多く、結果的に倍率の高さを維持しているのです。
難関校の一角として、トップレベルのご家庭に支持されているから
東京農業大学稲花小学校の受験倍率を押し上げているもうひとつの大きな要因は、都内でも屈指の難易度を誇るペーパーテストにあります。東京農業大学稲花小学校のペーパーテストは、単に知識を問うものではなく、短時間で大量の問題を解くスピード・思考力・応用力が求められる内容となっており、最難関校の対策をしている受験生でなければ太刀打ちできない難易度です。
特に「1枚にかけられる時間が短い」ことが大きな特徴で、テンポよく次々と解答しなければならないため、思考の柔軟性と瞬発力が試されます。また、単なる計算問題や知識問題ではなく、「論理的思考」「空間認識」「言語表現」「記憶力」といった多様な能力を測る問題が出題され、応用力の高さが求められます。このような出題形式のため、一般的なペーパー試験の対策だけでは不十分であり、難関校向けの特別な準備をしているご家庭がチャレンジする傾向が強くなります。
結果として、最難関校を本命とする層が「腕試し」として東京農業大学稲花小学校を受験するケースが増加。このように、全国トップレベルのご家庭が集まることで、受験者の学力水準が押し上げられ、必然的に倍率が高くなっています。
また、新設校のため合格ラインの傾向が不透明であり、「どんな対策をすれば確実に合格できるのか」が掴みづらい点も、高倍率につながっています。対策に苦労するご家庭が多い中で、最終的に幅広い分野でバランスよく能力を持つ「万能型」の優秀な児童が合格しやすいことが、結果的に学校のレベルを引き上げる要因となっています。
中学校受験で高い人気を誇る東京農業大学第一高等学校中等部へ入学できるため
東京農業大学稲花小学校の受験倍率が高い理由のひとつに、系列の「東京農業大学第一高等学校中等部」への進学ルートが確保されていることも挙げられます。東京農業大学第一高等学校中等部は、中学受験市場において高い偏差値を誇る難関校のひとつであり、毎年多くの受験生が合格を目指す人気校です。本校の児童は、一定の条件をクリアすることで内部進学が可能となるため、「中学受験を回避しながらも、難関中学相当の学校へ進学できる」点が、大きな魅力となっています。
さらに、東京農業大学第一高等学校は、高等部からの募集を停止し、完全中高一貫校へ移行する予定とされています。これにより、これまで高校受験でチャレンジすることが可能だった受験機会が減少し、「中学受験の段階で入学しなければ、進学の道が閉ざされてしまう」という状況が生まれます。その結果、同校を志望するご家庭は、より確実な進学ルートを確保するために、小学校受験の段階から東京農業大学稲花小学校を選択する傾向が強まっています。
また、東京農業大学第一高等学校中等部は、単なる進学校ではなく、探究型の学びを重視した特色あるカリキュラムを展開しており、大学附属校としての強みを生かした教育が魅力です。特に、農学・環境科学・生物学などの分野に興味を持つ生徒には、大学との連携を活かした先進的な学びの機会が提供される点も、人気を集める理由となっています。
こうした背景から、中学受験市場における難関校への進学ルートを確保できる点が、東京農業大学稲花小学校の倍率を押し上げる大きな要因となっています。小学校受験を通じて、安定した進学ルートを得たい家庭にとって、本校は非常に魅力的な選択肢となっているのです。
【東京農業大学稲花小学校】倍率は高い！？その理由は？？まとめ
東京農業大学稲花小学校が都内屈指の高倍率を誇る理由は、メディアを沸かす注目度だけではありません。東京農業大学を軸とした本質をとらえた教育理念や、現代を反映させた最新のカリキュラムといった教育内容が、受験者家族にとって大変な魅力となっているためです。
東京農業大学稲花小学校への合格を目指すのであれば、最高難易度を誇るペーパー試験をはじめとする考査を突破するため、お子様の総合力を高め、どのような問題が出題されても対応できる柔軟性と基礎学力を身に付けることが必須です。また、親御様の役割として、学校研究を深めることも大切なポイントとなります。東京農業大学稲花小学校は、まだ設立されて日が浅く、在校生や卒業生を見つけるだけで一苦労です。しかし、このように学校のリアルを知る人々のお話を聞くことは学校研究の基礎となります。東京農業大学稲花小学校の高倍率を潜り抜け、合格を勝ち取れるようご家族が一丸となって努力を重ねることが必要となります。
