公立小学校から私立小学校に編入する際、多くの手続きが必要となります。
何かひとつでも見落としてしまうと手間が増えてしまうことや、最悪予定していた編入日が後ろにずれこんでしまうリスクさえあります。
私立小学校編入手続きは、保護者の責任のもとミスすることなく確実に進めていく必要があります。
公立小学校から私立小学校編入手続きの流れ
公立小学校から私立小学校への編入手続きは、どのような流れで進んでいくのでしょうか。経験豊富なプロが詳しく解説します。
公立小学校での編入手続き
まず、現在通っている公立小学校に編入の意思を伝え、必要書類の準備を行います。
担任の先生や学校事務室に連絡し「在学証明書・成績証明書」などの発行手続きをお願いしましょう。
これらの書類は、編入先の私立小学校で必要となります。(*学校所在地、学校によって異なりますので必ず確認してください。)
また、学校によっては親御様と学校長との面談が求められる場合もありますので、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
最後に、これまでお世話になった先生方や職員の皆様、お友達へのご挨拶も忘れずに行いましょう。
市町村役所での手続き
市町村役所での手続きも必要となる場合があります。
特に、編入先の学校が現在お住まいのエリアと異なる場合(学区外や別の自治体など)「転出届」や「転入学通知書」の発行が必要になることがあります。
これらは市町村役所の教育委員会で行われる手続きとなりますので、事前に役所の窓口やウェブサイトで必要書類や手続きの流れを確認しておきましょう。
役所関係の手続きと前項で解説した「公立小学校の手続き」が同時進行する場合もあるため、スケジュールに余裕を持ち漏れなく進めましょう。
日用品や学用品の準備
編入後、すぐに新しい学校生活に馴染めるよう必要な日用品や学用品を準備します。
私立小学校では学校指定の教材や特定の文房具が求められる場合がありますので、事前にリストを確認して揃えておきましょう。
また、制服や体育着の採寸や注文、通学用カバンの準備も重要です。特に制服は、ひとりひとり採寸をした上でオーダーするため時間がかかります。詳細をしっかりチェックして対応しましょう。
新しい通学ルートの確認と練習
私立小学校への編入に伴い、新しい通学ルートの確認と登下校の練習を行いましょう。
多くの私立小学生はバスや電車といった公共交通機関を利用して通学します。
通学時間や乗り換えが必要な場合、実際に通学路を保護者と一緒に歩いたり、公共交通機関の利用方法を確認したりすると安心です。
今まで公立小学校に通っていたお子様の場合、公共交通機関を利用しての登下校は初めての経験になると思われます。
バスや電車の利用方法だけではなく、登下校のマナーやルールを身に付けることも大切な取り組みです。
また、天候や時間帯による状況の変化も考慮しておくと、スムーズに通学を開始できるでしょう。
編入前の心の準備と友達とのお別れ
編入前の期間は、現在の学校での最後の時間を大切にしましょう。
まだ幼いお子様にとって、慣れ親しんだ環境やお友達との別れは大変に辛く心身にストレスのかかるものです。
お友達や先生とお別れの挨拶をし、感謝の気持ちを伝えることで心の整理がしやすくなります。
また、新しい環境に不安を感じるお子様には、私立小学校での楽しみなことや興味のある活動について話し、時間をかけて一緒に期待感を育てていきましょう。
保護者もお子様の気持ちに寄り添い、励ましながら穏やかに編入初日を迎えられるようサポートすることで、お子様も前向きな気持ちになれますよ。
公立小学校から私立小学校編入手続きでよくある問題
ここからは、公立小学校から私立小学校編入手続きでよくある問題と、その解決方法を詳しくご紹介します。
必要書類の不備や遅延
編入手続きで求められる書類に抜け漏れが生じたり、準備が遅れることはよくあります。
特に「在学証明書」や「成績証明書」、「入学承諾書」など、学校側で発行手続きを行う書類は時間がかかることもあります。
また、市町村役所での「転出届」や「転入学通知書」の取得が漏れてしまうケースも見受けられます。
これらが不足していると、私立小学校での手続きが進まなくなる可能性があります。
事前に必要な書類リストを作り、ご夫婦で指差し確認をしながら抜け漏れを防ぎ、締切を守れるように余裕を持った準備を心がけることが大切です。
制服や学用品の準備の遅れ
私立小学校では、学校指定の制服や教材、学用品が必要となる場合が多く、それらの準備が間に合わないことがあります。
採寸や注文・配送には時間がかかるため、購入の締切を過ぎてしまうと編入タイミングに支障をきたす可能性があります。
また、学校によっては特別な教材や備品が必要となるため、案内を見落とすと後から慌てて手配することになりがちです。
学用品の準備ミスがあると、私立小学校側からマイナスの印象を持たれてしまうかもしれません。
何事も最初が肝心となりますので、入学案内を丁寧に読み、準備物の一覧を作成して計画的に対応しましょう。
通学ルートの安全確認不足
新しい通学路を確認せぬまま編入日を迎えると大変なことになります。
交通の便が悪い、乗換に時間がかかる、危険な箇所があるといった問題が判明することがあります。
公共交通機関を利用する場合、乗り換えや遅延リスクを想定していないとお子様が困惑し、最悪学校にたどり着けなくなる恐れもあります。
また、そんな辛い経験がきっかけとなって、行き渋りや苦手意識を抱えてしまうお子様もいらっしゃいます。
そのため、実際に親子でルートを確認・練習を繰り返し、時間や安全性を確認することが必要です。
費用に関するトラブル
私立小学校は、入学金や授業料・教材費など、公立校よりも多くの費用がかかります。
この費用の支払い期日や支払い方法を見落とすと、手続きが遅れる原因になることもあります。
また、想定外の追加費用が発生する場合もあるため、案内書に記載された費用や必要な支払いについて、余裕を持って準備をしておきましょう。
不明点がある場合は、遠慮せず学校に直接問い合わせて問題ありません。
心理的な負担や不安
編入に伴い、お子様が新しい環境に対する不安やプレッシャーを抱えることがあります。
「友達ができるだろうか」「授業についていけるだろうか」といった不安を放置すると、新しい学校の環境に適応できず、最悪行き渋りを起こしてしまう可能性もゼロではありません。
親御様が不安を感じている場合も、お子様に影響を与えることがあります。
事前に学校での活動を見学したりすることで、不安を和らげるサポートが必要です。
その際、編入先の学校を好んでもらいたいが故に、元いた公立小学校を悪く言ったり比較するのは絶対いけません。
お子様にとっては、想い出のたくさん詰まった大好きな場所です。今まで過ごした場所を肯定しながらも、新しい環境で過ごす楽しみや期待を育むアプローチを心がけてくださいね。
公立小学校との文化の違いに対する戸惑い
公立小学校から私立小学校に編入する際、多くの家庭が文化の違いに戸惑うことがあります。
特に私立小学校では、学校運営の方針や教育理念が明示されており、それに基づいたルールや保護者の協力体制が求められることが一般的です。
公立小学校では比較的「学校にお任せ」という姿勢であっても問題なく過ごせたかと思いますが、私立小学校ではそうはいきません。
保護者が教職員と共に積極的に学校行事や運営に関与し、二人三脚でお子様の教育に取り組む姿勢が求められます。
お客様気分で受け身の態度では、学校や他の保護者との間に軋轢が生じることもあります。
初めての環境で戸惑うこともあるかもしれませんが、学校の理念を理解し、助け合いと支え合いを意識した関係を築くことで、円滑な学校生活が実現します。
転入後のお子様サポート
私立小学校に編入した後、お子様が新しい環境に順応するには、保護者による学習と心身の両面でサポートが不可欠です。
私立小学校では授業の進度が速く、宿題の量が多かったり難易度も高かったりすることが一般的です。
特に「宿題のお直し」は私立小学校の名物的習慣です。
お子様の取り組まれた宿題を保護者が事前に目を通し、間違いがあった場合は、学校に提出する前にお直し指導を行うことです。
慣れないうちはお子様だけでなく親御様も対応に追われ時間の取られる作業となります。
また、編入生という立場から、新しい友人関係や校内のルールに慣れるまでに時間がかかるでしょう。
お子様は多大なストレスを感じ、大人が思う以上に精神的な負担がかかることもあります。
こうした環境変化に対応できるよう、日常的にお子様の話を聞く時間を設けたり、体調の変化に気を配ったりしましょう。
場合によっては親御様が仕事をセーブし、学習面やメンタルケアに専念する時間を確保する必要があるかもしれません。
編入後の最初の数か月は特に目をかけ、陰ひなたとなってお子様が安心して新しい環境に適応できるよう努めましょう。
公立小学校から私立小学校編入手続きで押さえておきたいポイントまとめ
公立小学校から私立小学校への編入手続きやその準備には、物理的に時間が取られる【実務面】と、お子様の心を中心とした【心理面】両方のフォローが必要になります。
実務面に気を取られ、1番大切なお子様の精神的なサポートがないがしろになってしまうと、せっかく編入できたとしても新しい学校生活が悲しいものになってしまうかもしれません。
親御様としては忙しい日々が続くことになりますが、お子様のメンタルを最優先とし、晴れの日を迎えてくださいね。
