慶應義塾幼稚舎 説明会(3744文字)
慶應義塾幼稚舎は、慶應義塾の理念を基盤とした教育を行う伝統と歴史を持つ日本最古の私立小学校です。
東京都渋谷区広尾の地に広がる自然あふれる環境の中、お子様たちはのびのびと元気いっぱいに学びながら、心身を磨き、自立心や社会性を身につけます。
体育や芸術、国際交流の機会も多く、個々の才能を最大限に伸ばす環境が整っていることから、その環境でご子息・ご令嬢を学ばせたいと願う保護者は後を絶たず、注目が途切れることはありません。
第一志望のご家庭に限らず多くの受験者家族が、慶應義塾幼稚舎のことをもっと知りたいと願い、その学校説明会には例年参加希望者が殺到しています。
【慶應義塾幼稚舎】学校説明会は実施されているのか
慶應義塾幼稚舎では、毎年夏に学校説明会が実施されています。ただし、一般的な学校説明会のように、大勢の保護者が講堂に集まり、校長先生や教職員の話を直接聞く形式ではありません。それでは、慶應義塾幼稚舎の学校説明会はどのような形で行われているのでしょうか。
学校説明会
近年、慶應義塾幼稚舎の学校説明会は動画配信形式で実施されています。毎年6月上旬に申し込みが開始され、6月下旬から動画の配信がスタートします。
この動画は学校見学会の直前まで視聴可能であり、期間内であれば何度でも視聴することができます。視聴を希望する場合は、申し込み受付期間を逃さないよう注意が必要です。
動画配信の内容には、学校の教育理念や方針、カリキュラムの特徴、学校生活の様子などが含まれており、慶應義塾幼稚舎の基本的な情報を知ることができます。
一般的な説明会とは異なり、自宅でじっくりと視聴できるため、都合の良い時間に繰り返し確認できる点がメリットです。ただし、動画視聴のみでは、実際の学校の雰囲気やお子様たちの様子を肌で感じることは難しいため、可能であれば学校見学会にも参加するとよいでしょう。
学校見学会
慶應義塾幼稚舎では、一般の保護者が参加できる唯一のイベントとして「学校見学会」が実施されています。毎年6月中旬に申し込みが始まり、7月上旬に開催されます。
見学会では、決められたコースを通って幼稚舎の校内を見学できるため、実際の雰囲気を感じ取ることができます。見学時間は約30分と限られていますが、教室や校舎の様子を直接確認できる貴重な機会です。
申し込みは1名ごとに必要で、見学できるのは保護者のみとなっています。夫婦での参加を希望する場合は、それぞれ個別に申し込む必要があります。また、未就学児の入場は一切認められておらず、当日に連れて行っても入場できませんので注意が必要です。
見学会は学校側が設けた厳格なルールのもとで運営されており、参加する際には規則を守り、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
学校説明会の動画視聴と学校見学会の両方を活用することで、慶應義塾幼稚舎についてより深く理解することができます。受験を検討している場合は、これらの機会を有効に活用し、事前にしっかりと準備を進めていくことが大切です。
【慶應義塾幼稚舎】学校説明会と学校見学以外で学校を知る方法
慶應義塾幼稚舎では、学校説明会や学校見学会の開催が限られており、学校の情報を得る機会が非常に少ないのが現状です。
そのため、学校説明会や見学会以外の方法で幼稚舎について深く知ることが求められます。では、どのような手段があるのでしょうか。ここでは、お受験のプロが厳選した4つの方法をご紹介します。
慶應義塾幼稚舎の在校生家族を見つける
慶應義塾幼稚舎の在校生家族と知り合い、学校の内部情報を聞くのは、最もリアルな情報を得る手段のひとつです。
学校の最新の状況を知っているのは、お教室の先生やコネクションを持つ人ではなく、実際に通っている在校生家族だからです。
また、在校生家族と接することで「慶應義塾幼稚舎に合格するお子様や家庭の特徴」を知ることができ、自身の家庭の受験準備や日々の生活に活かすことができます。ただし、知り合ったばかりで親しくもないのに、いきなり受験について詳しく尋ねるのは控えましょう。
まずは、誠実に人間関係を築き、信頼を得ることが大切です。関係性が深まった上で話を聞ける機会があった場合は、感謝の気持ちを忘れず、お礼の言葉や心遣いとしての品を贈るなど、礼儀を大切にしましょう。
慶應義塾幼稚舎に縁故やコネクションのある方を見つける
慶應義塾幼稚舎に縁故を持つ方や、学校とつながりのある方に話を聞くのも有効な手段です。
実際の学校の雰囲気や、受験の実情を知ることができる貴重な機会となります。ただし、こちらも在校生家族と同様に、関係性が浅い段階で受験に関する質問をするのは控えるべきです。
縁故やコネクションを見つけるためには、「慶應義塾出身の知人や友人に声をかける」、「職場や大学時代の知人に相談し辿っていく」などの方法が有効です。意外なつながりが見つかることもあるため、まずは積極的に情報を集めてみましょう。
また、受験を目指していることを周囲に話すのは少し勇気がいるかもしれません。「もしうまくいかなかったらどうしよう」「恥ずかしい思いをするのではないか」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし、しっかりと口に出して助けを求めることで、自分では想像もしていなかった人脈から貴重な情報やサポートを得られることがあります。
大切なのは、焦らず誠実に関係を築き、信頼を得ることです。親しくなった後で話を聞ける機会があれば、しっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。また、礼儀を重んじ、話を聞いた後にはお礼の品を用意するなどの気遣いを忘れないようにすることも大切です。
慶應義塾幼稚舎の在校生やそのご兄弟の通う習い事に行く
慶應義塾幼稚舎の在校生やその兄弟が通う習い事に参加することも、学校について知る手段のひとつです。
なぜなら、幼稚舎の教育方針や理念と親和性の高い習い事が選ばれる傾向があるため、そこでの経験自体が価値のあるものとなります。
また、共通の活動を通じて自然な形で交流が生まれるため、突然「学校について教えてください」と質問するよりも、人間関係を築きやすいという利点もあります。ただし、在校生家族を見つける場合と同様に、まだ親しくないうちから積極的に質問をするのは避けるべきです。
相手に警戒心を抱かれないよう、まずは習い事を純粋に楽しみながら、関係を深めることを意識しましょう。そうすることで、自然な形で学校に関する話を聞ける機会が増えていくでしょう。
慶應義塾幼稚舎に関する書籍を読む
慶應義塾幼稚舎について知るためには、関連書籍を読むことも非常に有効です。特に、願書作成時に参考にすべき書籍として「福翁自伝」は必読とされています。
この他にも、幼稚舎の教育理念や学校生活について詳しく書かれた書籍が多数出版されています。
ここで注意すべき点は、「この本を読めば合格できる」といったノウハウ本やマニュアル本ばかりを参考にしないことです。
慶應義塾幼稚舎の受験において最も重要なのは、学校の教育理念を深く理解し、それを家庭の教育方針と一致させることです。そのため、幼稚舎の歴史や理念を伝える書籍を優先的に選び、学校の本質を理解することを意識しましょう。
また、読んだ内容を家族で共有し、お子様に伝えられる形に落とし込むことも大切です。書籍を通じて得た知識を活かし、家庭の教育方針を見直すことで、より幼稚舎にふさわしい環境を整えることができるでしょう。
■現代語訳 福翁自伝
■福翁百話
■新版 福澤諭吉 家庭教育のすすめ
■慶應幼稚舎と慶應横浜初等部 (朝日新書)
■私が40年間実践してきた慶應義塾幼稚舎での教え方
■慶應義塾幼稚舎の理科教育― 直接経験と採集理科の100年
【慶應義塾幼稚舎】学校説明会は行われるのか?プロが徹底解説!まとめ
受験者の多さやメディアを中心とする注目度の高さから、慶應義塾幼稚舎の学校説明会は例年大変話題となります。しかし、コロナ禍を経て学校説明会の実施がオンラインとなり、気軽に視聴することが可能となりました。
一見ハードルが下がったように思われるかもしれません。しかし、動画で得られる情報と、現地に赴き直接目で見て手で触れて知る情報は、その内容が大きく異なります。
動画視聴を下だけで、慶應義塾幼稚舎を理解したような気になっては、私立小学校最難関校の名をほしいままとする幼稚舎受験には到底太刀打ちできません。
様々なネットワークを辿り、手足を動かし汗をかいて関係者を見つけ、その実情を理解するよう努力を重ねることが、日々受験準備を頑張るお子様に対し、親としてできる最大限の貢献と言えるでしょう。