慶應義塾幼稚舎

【慶應義塾幼稚舎】絵画が出題される理由や対策方法についてプロが徹底解説!

【慶應義塾幼稚舎】絵画が出題される理由や対策方法についてプロが徹底解説!

塾長
塾長

私立小学校御三家のひとつであり、その代表とも言われる慶應義塾幼稚舎。伝統と歴史ある超名門校である慶應義塾幼稚舎は、その入学試験も独特です。

 

保護者面接やペーパーテストが実施されないなど、他の私立小学校と一線を画す特異な試験にも関わらず、例年10倍を超える高倍率を誇ります。受験者総数も1500名がアベレージとなる、文字通り日本で一番受験される私立小学校なのです。

 

そんな慶應義塾幼稚舎の入学試験において、最も注目されるのが「絵画テスト」であるのを、皆様はご存じでしょうか。

 

【慶應義塾幼稚舎】名物絵画テスト

慶應義塾幼稚舎の絵画テストは、非常に独特で難易度が高いことで知られています。試験では、クレヨンやポンキーペンシルを使用し、課題によってはハサミやスティックのりなども用意されます。

 

受験グループごとに異なるテーマが与えられ、これまでには以下のような課題が出題されました。

 

・「透明人間になれるマントを手に入れたら、どこで何をしたいかを描きましょう → そのマントが脱げてしまった場面を描きましょう。」
・「折り紙でおにぎりを作り、お弁当の中身を描きましょう → お弁当を食べた後、どんなことができるようになったかを描きましょう。」
・「困った表情のお面を作りましょう → そのお面をつけた自分の姿を描きましょう。」

 

このように、慶應義塾幼稚舎の入試において絵画テストは重要な位置を占めており、対策をしっかりと行うご家庭も多いかと思います。しかし、出題されるテーマを見ると、単純に絵の上手さを評価する試験ではないことが分かります。

 

福澤諭吉の『福翁自伝』にもあるように、慶應義塾幼稚舎では発想力や品格を重視しており、絵画テストもそうした資質を試す内容になっています。テーマに忠実に描くだけでなく、そこから発展させた表現力が求められる試験だと言えるでしょう。

 

【慶應義塾幼稚舎】絵画が出題される理由

慶應義塾幼稚舎の入試において、絵画は重要な考査のひとつです。では、なぜ慶應義塾幼稚舎では絵画テストが重視されるのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。

 

お子様の知性や頭の回転の良さを読み取っている

慶應義塾幼稚舎の絵画試験は、単に絵を上手に描けるかどうかを問うものではありません。与えられたテーマに対して自由な発想を持ち、独自のアイデアを生み出し、それを視覚的に表現する力が求められます。

 

例えば、物語の展開を考えながら絵を描くような課題や、特定の状況を想像して描写するような問題が出題されることもあります。こうした試験を通じて、お子様がどれほど創造的に物事を考え、論理的に組み立てることができるかが評価されるのです。

 

さらに、慶應義塾幼稚舎の絵画試験では、描いた作品について説明することも求められます。自分の考えを整理し、わかりやすく言葉で伝える力も試されるため、表現力やコミュニケーション能力も重要な要素となります。

 

単に絵を描くだけではなく、絵と言葉を組み合わせて自分の思考を表現する力が必要とされるのです。幼稚舎にはペーパーテストがありませんが、それにもかかわらず合格するお子様は他の難関校にも合格するケースが多く、これは絵画試験を通じて知性や論理的思考力がしっかりと見極められていることの証明と言えるでしょう。

 

作品を通して、お子様の背景にあるご家庭の経験や価値観を探っている

慶應義塾幼稚舎の絵画試験では、自由な発想や独自のアイデアが求められますが、それらは決して偶然生まれるものではありません。

 

お子様がどのような環境で育ち、どのような経験をしてきたのかによって、発想の幅や表現力には大きな違いが生まれます。

 

例えば、自然に触れる機会が多い家庭のお子様であれば、生き物や植物を生き生きと描くことができるかもしれません。一方で、芸術や文化に親しむ機会が多い家庭のお子様は、色彩や構図にこだわった作品を仕上げることができるでしょう。

 

慶應義塾幼稚舎の入試では保護者面接や家族面接が行われません。そのため、受験生が描く絵を通じて、家庭で大切にされている価値観や教育方針を見極めていると考えられます。

 

どのようなテーマを与えられたときに、どのような発想をするのか。それは、お子様だけの問題ではなく、ご家庭の環境そのものが反映される部分でもあります。受験生の絵からご家庭の教育方針や価値観を読み取ることで、幼稚舎の求める資質に合ったご家庭かどうかを見極めているのです。

 

慶應義塾幼稚舎に特化した対策が必須のため、本気度を測る

慶應義塾幼稚舎の絵画試験は、他の私立小学校の試験とは一線を画す特殊なものです。一般的な絵画の試験であれば、課題に沿って絵を描くことができれば十分かもしれません。しかし、幼稚舎では創造性を最大限に活かした作品を求められるため、一般的な絵画教室での学習や短期間の対策だけでは対応しきれません。

 

例えば、単に物の形を正確に描くことができるだけでは不十分であり、そこにストーリー性や独自の工夫を加えることができるかどうかが重要視されます。そのため、幼稚舎の絵画試験に対応できる力を身につけるには、長期間にわたる特別な対策が必要となるのです。

 

このように、幼稚舎の絵画試験に合格できるお子様は、単に絵が得意というだけではなく、それだけの準備をしてきたという証でもあります。つまり、幼稚舎の試験に本気で向き合い、家庭全体でしっかりと対策を重ねてきたかどうかが試されているとも言えるでしょう。

 

絵画試験を通じて、お子様自身の能力はもちろん、ご家庭の受験に対する姿勢や本気度を見極めることも、この試験の大きな目的のひとつなのです。

 

【慶應義塾幼稚舎】絵画テストが難しい理由

前章で解説した通り、慶應義塾幼稚舎では絵画テストを大変重視します。そして、その重要度に比例するようにその難易度も高いものとなっています。慶應義塾幼稚舎の絵画テストは、どのようなところが難しいポイントになっているのでしょうか。プロがその難しさを解説します。

 

お子様ご自身で考える独創性あふれるアイデアが必要だから

慶應義塾幼稚舎の絵画テストでは、単純な模写や記憶に頼った描写は求められません。お子様自身が考えた独自のアイデアを持ち、それを具体的なビジュアルとして表現することが求められます。

 

しかし、自由な発想を持っていても、それを的確に絵として表すのは未就学児にとって容易ではありません。想像力を具体化する訓練が必要であり、日頃から多様な経験を積み、発想を形にする練習を重ねることが重要です。

 

お子様が自分の言葉で語るプレゼン力が必要だから

絵画テストでは、試験官から「お尋ね」と呼ばれる質問を受けることがあります。この場面では、単に質問に答えるのではなく、自分の作品について詳細に語り、思考の背景や創作の意図を説明することが求められます。

 

さらに、試験官が興味を持つような発言ができれば、質問が重ねられ、より深い対話へと発展する可能性があります。これは単なる受け答えの能力ではなく、豊かな言葉の表現力や、自分の考えを相手に伝えるプレゼンテーション能力が試される重要なポイントとなります。

 

お子様が得意とする「定番モチーフ」を準備する必要があるから

慶應義塾幼稚舎の絵画テストでは、その場でアイデアを生み出す柔軟性が求められます。しかし、ゼロから発想するのは大人でも難しいものです。

 

そのため、事前に自分の得意なモチーフを深く掘り下げ、どんな出題にも対応できるよう準備することが重要です。

 

例えば、「犬」が好きなら、どんな状況が提示されてもその中で犬を描けるようにするだけでなく、犬についての豊富な知識を持ち、質問に対して的確に答えられるようにすることが求められます。

 

【コラム】慶應義塾幼稚舎の絵画制作名物「お尋ね」とは

慶應義塾幼稚舎の入学試験における絵画制作テストには、独特の特徴があります。そのひとつが「お尋ね」と呼ばれる試験官の質問です。試験中、先生方が受験生のもとを巡回し、絵の内容について問いかけを行います。この「お尋ね」は単なる確認ではなく、お子様の発想力や表現力を測る重要な要素のひとつです。

 

質問の内容は、「何を描いたの?」といった基本的なものから、「どうしてこの色を選んだの?」「このキャラクターはどんな性格なの?」といった、より深掘りしたものまでさまざまです。お子様がどのように考え、どんな背景をもってその作品を描いたのかを知るためのものであり、単なる技術力だけでなく、発想の豊かさや論理的思考力も試されています。

 

また、「お尋ね」は一度だけではなく、何度も繰り返されることがあります。一説によると、試験官から複数回質問を受ける受験生ほど、試験官の関心を引いており、結果として合格に近づくとも言われています。これは、お子様の答えが魅力的で、さらに掘り下げたくなるような内容であることを意味します。逆に、短い返答やあまり広がりのない会話だと、それ以上の質問が続かないこともあるため、「お尋ね」は受験生のコミュニケーション力を試す場でもあるのです。

 

慶應義塾幼稚舎では、ペーパーテストがなく、お子様の総合的な力を重視するため、絵画試験の中でのこうしたやりとりも重要な判断材料となります。ただ絵を描くだけではなく、自分の考えをしっかり言葉にできることが求められるのが、幼稚舎の試験ならではの特徴と言えるでしょう。

 

【慶應義塾幼稚舎】近年出題された絵画テストテーマ

近年、慶應義塾幼稚舎の絵画テストで出題されたテーマをいくつかご紹介します。こちらの内容を一目見ただけで、慶應義塾幼稚舎の絵画テストの難易度の高さと複雑性がご理解いただけるかと思います。

 

*慶應義塾幼稚舎入試の絵画テストは、同じ出題内容でも実施日や時間帯により出題条件が変わる場合があります。

 

2024年度課題 地球の素敵な場所

2024年度の絵画テストでは、「地球にやってきた宇宙人に、あなたが素敵だと思う場所を紹介する」というテーマが出題されました。受験生は、地球の中で特に魅力的だと感じる場所を選び、画用紙にクレヨンを使って描くことが求められました。描く場所は、自然豊かな風景でも、街の風景でも自由であり、お子様自身が「ぜひ見せたい!」と思う場所を表現することが大切でした。

 

また、絵を描いた後は、近くに座るお友達とペアになり、お互いの絵について説明し合う時間が設けられました。さらに、何度もペアを作り直して、繰り返し話す機会がありました。このような試験形式は、絵を描く力だけでなく、発想力や表現力、そして自分の考えを伝えるコミュニケーション力が求められる内容となっていました。

 

2023年度課題 オリジナル公園

2023年度の課題では、自分だけのオリジナル公園を作るというテーマが出題されました。受験生には、B4サイズのホワイトボードとホワイトボード用マーカー、さらに木や噴水、ベンチ、砂場、ブランコ、鉄棒、滑り台などが描かれたマグネットが1セットずつ配られました。これらの素材を使い、自分の好きな公園を自由にデザインすることが求められました。

 

公園の配置や遊具の選び方には個性が表れ、それぞれのお子様の発想力が試されました。その後、自分が作った公園で誰かと何かをしている様子を、画用紙にクレヨンを使って描くよう指示されました。ただ公園を作るだけでなく、「公園をどう使うのか」「そこでどんな楽しいことができるのか」といったストーリー性も重視される課題となっていました。

 

2022年度課題 プレゼント

2022年度の絵画テストでは、「誰かにプレゼントを贈る」というテーマが出題されました。まず、受験生は自分がプレゼントしたいものを考え、それを画用紙に描きました。贈る相手は自由で、家族や友達、大好きな先生や憧れの人など、お子様が自分で選ぶことができました。

 

次のステップでは、そのプレゼントを渡している場面を描くことが求められました。単にモノを描くだけでなく、「誰に」「どんな気持ちで」渡しているのかを表現することが重要となりました。喜んでいる相手の表情や、プレゼントを選んだ理由などをしっかり考えながら描くことで、お子様の思いやりや表現力が試される課題となっていました。

 

 2021年度課題 お手伝い人形

2021年度の絵画テストでは、「お手伝い人形」をテーマにした課題が出題されました。試験では、関節が動く木製のデッサン人形がひとり1体ずつ配られました。まず、試験官の指示に従いながら、この人形を自由に動かして遊ぶ時間が設けられました。

 

その後、受験生は「この人形が何かしている場面」をイメージし、画用紙に鉛筆で描きました。さらに、次のステップとして「この人形に手伝ってほしいこと」を考え、自分を助けてくれている様子をポンキーペンシルで描くよう指示されました。単に人形の動きを描くのではなく、「どんな手助けをしてほしいのか」「どんな場面で役に立つのか」といった発想力が求められるユニークな課題となりました。

 

【慶應義塾幼稚舎】絵画が出題される理由や対策方法についてプロが徹底解説!まとめ

慶應義塾幼稚舎の絵画テストは、他の私立小学校の試験とは一線を画す特殊な試験です。ただ絵が上手なだけでは通用せず、独自の発想力や表現力、プレゼンテーション能力が総合的に試されます。

 

小手先の対策や一般的な絵画経験では太刀打ちできず、幼稚舎の試験に合わせた対策が必要不可欠です。そのためには、試験のためだけの学習ではなく、日々の生活の中でさまざまな経験を積み重ね、感動したことや心に残った出来事をしっかり刻む習慣をつけることが大切です。

 

一朝一夕で身につくものではないからこそ、お子様の可能性を広げるために、日々の積み重ねを大切にしていきましょう。

 

藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
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など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
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