私立女子小学校において最難関といわれる雙葉小学校に合格するには、入念な試験対策が必要です。
漠然とした準備では雙葉小学校に合格するのは難しいため、まずは雙葉小学校の試験内容をしっかりと把握しましょう。
本記事では、雙葉小学校の試験内容を詳しく解説します。
雙葉小学校の試験を理解し、より合格に近付きたい方は、ぜひ参考にしてください。
雙葉小学校の試験内容
雙葉小学校の試験は例年11月1日と、2日または3日のうち指定された日の合計2日間です。
1日目:ペーパー・巧緻性
2日目:集団テスト・親子面接
それぞれの具体的な試験内容をみていきましょう。
1日目:①ペーパーテスト
雙葉小学校のペーパー試験で頻出の問題は以下のとおりです。
- お話の記憶
- 数量
- 常識(生活常識・理科常識)
- 推理
- 図形
このうちお話の記憶・数量の問題は、ほぼ毎年出題されます。
お話の記憶
お話の記憶は700字〜1000字前後のお話を聞いたのち、問いに答える形式です。
他校に比べそれほど長いお話ではありませんが、物の位置などかなり細かい部分への問いがある点が、雙葉小学校の特徴です。
数量
数量の分野では、基礎的な計数から、足し算・引き算のほか、数人のお皿におやつを分けるといった割り算の要素が含まれます。
雙葉小学校の数量問題は、制限時間が短いため素早さが求められます。
一つ一つの問題はそれほど難易度が高くありませんが、少しずつ指示を変えて出題されるため、指示を聞き逃すと間違えやすいです。
雙葉小学校のペーパーを解くには、指示を正しく聞き取る能力が必要となります。
常識
理科的常識や生活常識では花や季節がよく出題されます。とくに季節は春・夏・秋・冬のくくりだけではなく、日付が決まっているものは何月におこなうものかも問われます。
花の色が変わるものはどれかといった、変化を聞かれる問題もあり、机上のペーパーだけでなく、実体験が知識と結びついているかが問われます。
図形
回転図形・展開図形・重ね図形・パズル・図形構成・間違い探しなど、幅広い図形問題から出題されます。
図形分野の基礎力から応用力まで問われる問題です。
推理
推理の領域では、系列・ブラックボックス・条件推理などが出題されます。
指示された条件を聞き取るほか、自分で法則をみつける観察力や思考力が問われます。
1日目:②巧緻性
雙葉小学校の巧緻性では、過去に以下のような出題がありました。
- クリップ留め
- 画用紙を丸めて輪ゴムで留める
- 瓶のフタを開け閉めする
- 紙を筒状に丸めてシールを貼る
- 紐通し
- 固結び、ちょうちょ結び
- エプロンを畳む
日常の生活動作に結びつく巧緻性の課題が、雙葉小学校の特徴です。
また、クリップ留めや輪ゴム留めなどは、指示が出るまで繰り返しおこなうことを求められます。
手先の器用さや丁寧さのほか、根気強さなどもみられています。
2日目:①集団テスト(行動観察)
雙葉小学校において、集団での行動観察テストは重要です。
例年、子どもたちが夢中になる、以下のような課題が出されます。
- 模倣体操やリズム遊び
- 先生が宇宙人になりみんなで宇宙人の家をつくる
- 動物のお家をつくって探検する
- お店作りをしたあと店員と客に分かれてお店ごっこをする
ついルールを忘れてしまうような楽しい課題のなかで、学校側は協調性やマナーを観察しています。
親子面接
雙葉小学校の面接には以下の特徴があります。
- 面接時間は5~7分程度
- 親子での問答(子どもの答えに対し親がコメントする)
- 親子での活動(絵本を読んだり簡単なゲームをする)
他校の面接に比べ面接時間が短いなか、親子間のコミュニケーションをみられています。
また、以下のような質問が過去にされました。
- お母さんがつくる料理で好きなもの(子どもへの質問)
- 志望理由(父親への質問)
- カトリック教育への考え(父親への質問)
- 子ども時代に受けた教育で子どもに受け継ぎたいこと(母親への質問)
- 最近家族との外出で楽しかったところ(母親への質問)
- 子どもの家庭での様子(母親への質問)
父親へは家庭や教育の方針を聞く傾向があり、母親へは自身の育ちや日常的な親子のコミュニケーションについて聞く傾向があります。また、子どもへは母子関係が分かる質問が多いようです。

【雙葉小学校】試験内容から考える家庭でできる対策
雙葉小学校に合格するための、家庭でできる対策について解説します。
ペーパーテスト対策
お話の記憶は確実に点を取れるようにしましょう。
具体的には、子どもに絵本を読んだあと、出てきた動物の名前など細かい点を質問します。慣れてきたら、お話の記憶問題集を活用して特訓してください。
数量の問題は1問あたり20秒程度で答えられるよう、繰り返し問題を解きながらスピードを求めるようにしましょう。
雙葉小学校のペーパーテストが難しい理由は、問題内容というより出題時の約束事や指示が細かい点が挙げられます。
問題文は一度しか読まれないため、家庭でのペーパー学習では一回で指示を確実に聞き取れるようにしましょう。
また、図形問題や常識の問題では、実際の体験が知識として身についているかが試されます。机上の学習にとらわれず、折り紙やパズルで遊ぶ経験や季節の花や行事を経験させましょう。
巧緻性対策
ひも、クリップ、輪ゴムといった日常生活で使用される道具は、スムーズに使いこなせるようにしておきましょう。
雙葉小学校の巧緻性で評価されるには、手先の器用さだけでなく、集中力や粘り強さが必要です。
家事や手伝いは、途中だけ少し手伝ってもらうのではなく、最初から最後まで一緒におこなうようにしましょう。細かい手作業で作品をつくる、ちぎり絵もおすすめです。
行動観察対策
雙葉小学校の行動観察は、とても楽しく、つい試験であることを忘れてしまうような活動です。
子どもは楽しいと、言葉遣いやふるまいが雑になります。
受験対策のためにふるまいを正すのではなく、日頃から「どうぞ」「ありがとうございます」と自然に言えるように生活しましょう。
ルールのあるゲームや、みんなで協力する遊びを家族でおこない、遊びのなかでも他者を気遣う姿を保護者がお手本として示します。
また、人形をつかって他者の気持ちやふるまいを考えさせるのも有効です。
たとえば、ぬいぐるみを並べ「ルールを守らないクマちゃんに、あなたなら何て声をかける?」「乱暴に道具を渡すワンちゃんと、丁寧に渡すネコちゃん。どちらが素敵かな?」と考えさせましょう。
面接対策
面接では、日頃の親子関係を観察されます。
受験前は、受験勉強が親子のコミュニケーションになってしまいがちなので、簡単なゲームや読み聞かせなど、ゆっくりと子どもと話す時間を毎日とりましょう。
また、両親の子ども時代についての質問は珍しくないため、子どもの頃に受けた教育や夢などをまとめておいてください。
【雙葉小学校】試験内容と対策をプロが解説まとめ
最難関である雙葉小学校の試験対策は、まず試験の特徴を掴むことが大切です。
指示が細かいペーパーテストや、日常の道具を用いた巧緻性、盛り上がりやすい行動観察、親子のコミュニケーションがみられる面接など、雙葉小学校の試験の傾向をご紹介しました。
雙葉小学校の試験の特徴を理解し、対策を進めていきましょう。
雙葉小学校の試験は、その後の子どもの生活や人間力の土台となるものです。受験準備が子どもの財産となるよう取り組んでみてくださいね。