【2025.03.31 メディア掲載】

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青山学院初等部

【青山学院初等部】運動/体操の試験内容をプロが徹底解説!

【青山学院初等部】運動/体操の試験内容をプロが徹底解説!

塾長
塾長

青山学院初等部は、キリスト教精神に基づき「他者への思いやり」と「自立した行動力」を育むことを大切にしている共学校です。個性を大切にした教育方針のもと、お子様一人ひとりの“ありのままの姿”をしっかり受け止めてくれる校風が、多くのご家庭から支持されています。

 

そんな青山学院初等部の入試に登場する「運動テスト」。この記事では、その内容や評価の観点、そしてご家庭での効果的な準備方法について、プロが徹底解説していきます。

【青山学院初等部】運動体操試験とは

青山学院初等部の入試は、例年2日間にわたって実施され、2日目の「適性検査B」では、主に実技系の課題が行われます。

 

その中に含まれるのが「運動テスト」です。その他にも「絵画・工作テスト」「集団テスト(行動観察)」が同日に実施され、お子様の総合的な資質が評価される構成となっています。

 

「運動テスト」といっても、単純に“運動能力”を測るわけではありません。青山学院初等部がこの課題で重視しているのは、指示を理解し、順序立てて行動できるか、自分の身体をコントロールできるか、周囲に配慮しながら動けるか──といった、いわば“身体を使った思考力”です。今回は、実施形式や評価の観点、ご家庭での備えまでを詳しくご紹介します。

 

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【青山学院初等部】運動体操試験が出題される理由

青山学院初等部の運動テストは、「できる・できない」を判定するものではなく、「どのように取り組むか」「その過程で何を見せてくれるか」に焦点を当てた試験です。

 

同校の教育理念は「自由の中の規律」「個の尊重」に根ざしており、運動を通じてその子の内面──集中力、忍耐力、自己制御力、そして協調性や社会性を見極める狙いがあります。

 

特に、模倣体操や連続運動、バランス系の課題を通じて見られているのは、先生の指示に対してどう反応し、どのような意識で行動するかという“日常の延長にある姿”。

 

また、失敗しても諦めずに取り組もうとする姿勢や、他の子とぶつからないように動く配慮、周囲に流されずに自分のペースを保つ意志の強さなど、ペーパーでは測れない“人間力”の部分が問われています。

 

青山学院初等部における運動テストは、まさに「心と体のバランスのとれた成長」が求められる場面なのです。

 

【青山学院初等部】運動体操試験の内容構成

青山学院初等部の運動テストは、単なる体力測定ではなく、子どもがどのように考え、動き、環境に対応するかを見ることを目的とした構成になっています。

 

毎年多少の変化はあるものの、基本的には以下の3つの要素を組み合わせて実施されており、各課題を通じて多面的な力が見られています。

 

模倣体操

模倣体操は、先生や音声の指示に従ってその通りに体を動かす課題です。ジャンプ、腕回し、屈伸、足踏み、手を叩くなどの基本動作が含まれており、見たもの・聞いたことをすぐに理解して再現する「瞬時の理解力と模倣力」が試されます。

 

体全身を使って大きく動けているか、メリハリをつけて動作できているか、音に合わせられているかも評価のポイント。

 

また、「よく見て、よく聞いて行動する力」は、学習姿勢や授業中の態度にも通じる重要な資質として重視されています。失敗しても立て直せるか、指示が変わったときに柔軟に切り替えられるかなど、心の安定性も見られる場面です。

 

片足バランス、クマ歩き、クモ歩きなど

このセクションでは、主に「体幹の安定性」「柔軟性」「筋力バランス」が見られます。片足で静止する、片足跳びをする、四つ這いで前進する(クマ歩き)、手と足で支えてお尻を上げて歩く(クモ歩き)など、バリエーション豊かな動きが課されます。

 

青山学院初等部では、これらを単に“できるか”ではなく、「姿勢を崩さずに取り組めているか」「指示通りに動作を継続できるか」など、姿勢や粘り強さといった非認知スキルを観察しています。

 

体の使い方だけでなく、周囲の子とぶつからないように気配りをしたり、順番を守って待てたりするかといった、社会性も同時に見られる点が特徴です。

 

連続運動

連続運動は、ジャンプ・しゃがむ・まわる・走る・止まるなど、複数の動作を組み合わせて行う課題です。ひとつひとつの動きの正確さに加えて、流れの中で次の動作にスムーズに移行できるかという「運動の連続性」や「リズム感」「持久力」も評価対象になります。

 

中には、「フープを飛び越えて→四角のマットまでスキップ→ライン上を歩いて戻る」などのコース型課題もあり、空間認識力や記憶力、段取り力も問われます。コースを間違えても焦らず対応できるか、最後までやり切ろうとする姿勢が見られるかといった、心の粘りも重要な評価ポイントになります。

 

個人の運動能力に差が出やすい課題ですが、“がんばろうとする姿勢”がもっとも高く評価される構成です。

 

【青山学院初等部】運動体操の試験内容

近年の青山学院初等部の運動テストでは、「運動能力そのもの」よりも「集中力」「判断力」「態度」などの総合的な人間力が重視されています。

 

単調な動きを繰り返すような課題ではなく、ルールの理解・即時対応・社会性が求められる内容が目立ちます。

 

※実施日やグループにより、出題内容は一部異なる場合があります。以下の記述はあくまで代表的な一例です。

 

2024年度実施運動体操試験

■出題内容

2023年度実施試験と近しい出題傾向でした。テスターの動きに合わせて行う模倣体操全般、準備運動や指の体操(グーパーをするなど)、腕回しやラジオ体操が行われました。その後、片足バランス、くま歩き、クモ歩きなどに取り組み、連続運動としてケンケンや障害物の飛び越えなどが指示されました。

 

最後に、お手玉をバトン代わりにして行うリレー競争に取り組みましたが、順番を決める話合いをしたり、プレートにお手玉を載せて一緒に運ぶなどの課題が出題されました。

 

■特徴

2024年度は、模倣体操や基本動作に加え、集団での協力性や役割意識が色濃く問われる構成となっていました。

 

とくにリレー課題では、話し合いによる順番決めや、プレートにお手玉をのせて運ぶといった協同作業があり、単に運動能力を見るだけでなく、「相手と協力する力」「チームの一員として行動する力」が重視されていました。

 

また、運動課題としてはバランスや空間認識、体幹の強さが問われる項目が多く、動きの正確性よりも“どう取り組むか”の姿勢が大きな評価ポイントとなったと考えられます。

 

2023年度実施運動テスト

■出題内容

テスターの動きに合わせて行う模倣体操、準備運動や指の体操(グーパーをするなど)、腕回しやラジオ体操から始まり、目をつぶって片足バランス、くま歩き、クモ歩きなどに取り組み、両足ジャンプも行いました。

 

お手玉運びリレー(詳細は2024年度実施を参照)の後は、連続運動として平均台を渡る→マットの上に飛び降りる→ろくぼくに登ってから降りる→両足ジャンプで障害物を飛び越えるような出題でした。

 

■特徴

この年は、身体操作における「制御」と「集中」がテーマとなっていた印象です。目を閉じた状態での片足バランスなど、身体感覚を研ぎ澄ませる課題や、ろくぼくを含んだ立体的な連続運動では、恐怖心に負けずチャレンジする姿勢が問われました。

 

また、リレー課題でのチームワークも引き続き重視され、他者を思いやりながら動けるかが評価の鍵に。全体として、“身体を使って考える力”と“仲間との協調性”の両立が求められる構成となっていました。

 

2022年度実施運動テスト

■出題内容

例年通りの模倣体操(テスターの動きに合わせて準備運動や指の運動)の後、その場でジャンプや片足バランスが出題。その後、お手玉運びリレー(詳細は2024年度実施を参照)に取り組み、けんけんぱも出題されました。最後の連続運動では、平均台渡り→跳び箱に上る→降りる→ケンケンパと連続した課題に集中的に取り組みました。

 

■特徴

2022年度は、基本運動+連続課題という構成を通して、基礎体力と応用力のバランスが試された内容でした。

特にけんけんぱや跳び箱、平均台といった多様な運動器具の組み合わせでは、動作の正確性以上に、「指示の理解と手順の記憶」「安全への配慮を持ちながら行動する力」など、複合的な思考力が評価されていたと考えられます。

また、お手玉リレーを通じて協調性も観察されており、集団の中で“自分の役割を果たす力”も見逃せない評価軸だったといえるでしょう。

【青山学院初等部】運動体操試験と5つのお約束

青山学院初等部の運動テストでは、「5つのお約束」がどれだけ日常に根付いているかが大きな評価ポイントとなります。

 

たとえば「よくかんがえてします」は指示を理解して行動する力に、「じぶんのことはじぶんでします」は身のこなしや切り替えに表れます。また、「れいぎただしくします」は先生への挨拶や態度に、「しんせつにします」は順番を守ったり他の子への配慮に現れます。

 

テストは、決められた動き以上に“日常がにじみ出る姿”が見られる場面。つまり、お約束を守る習慣がそのまま評価につながるのです。

【青山学院初等部】運動体操試験から考える対策

運動テスト対策は、必ずしも広い場所や専門的な指導が必要というわけではありません。むしろ、家庭でのちょっとした遊びや日常的な体の使い方の工夫が、試験本番での「のびのびとした動き」「集中力の持続」「判断の的確さ」へと直結します。

 

ここでは、ご家庭で手軽に取り組めて効果の高い3つの実践方法をご紹介します。

 

「お手玉運び」で協調性と集中力を育てよう!


青山学院初等部の運動テストでは、近年「お手玉をバトン代わりに使ったリレー」や「プレートの上にお手玉をのせて運ぶ」など、細やかな操作と協調性が求められる課題が多く出題されています。

ご家庭でも、紙皿やトレイを使って「お手玉を落とさずに運ぶ」練習を取り入れてみましょう。スタートからゴールまでの距離を変えたり、途中に障害物を設けると、さらに空間認識力や注意力を高めることができます。

また、兄弟姉妹や保護者とチームを組んで「バトンリレーごっこ」を行うと、順番を守ることや、受け渡しの丁寧さを意識する練習にもなります。単なる運動能力だけでなく、「相手を思いやる気持ち」や「自分の動きに責任を持つ力」が育つ、総合的な取り組みになります。

 

「からだ遊び」でバランス感覚と空間認識力を育てる

運動テストでは、平均台のような直線上を歩く、片足で立つ、くぐる・またぐ・回るなど、空間を意識した動作が多く出題されます。

 

これに対応するには、日常の中で“からだを使った遊び”をたくさん経験することが重要です。たとえば、家の中でマスキングテープでラインを作り「その上を落ちないように歩こう」といった遊び、枕やクッションを使って「またいで渡る道」を作るといった工夫で、体幹やバランス感覚を養えます。

 

狭いスペースでも安全にでき、楽しみながら空間認識力を伸ばすことができます。

 

「ルールのある動き遊び」で判断力と社会性を養う

青山学院初等部の運動テストでは、“動き”そのもの以上に、「ルールを理解して守る力」や「その場にふさわしい行動を取る力」が見られています。

 

ご家庭での対策として効果的なのが、「ルールのある動き遊び」です。たとえば「ジャンプは3回まで」「止まったら座る」「音が鳴ったら逆回り」といった簡単な指示を出し、それを守って動く遊びを取り入れると、判断力・自己制御・切り替え力が同時に育ちます。

 

また、兄弟姉妹や保護者と一緒に取り組むことで、順番を待つ、譲るなどの社会性も自然と身につきます。遊びながら心と体のバランスを整えることが、まさに試験対策になるのです。

 

【青山学院初等部】運動/体操の試験内容をプロが徹底解説!まとめ

青山学院初等部の運動テストは、運動能力の高さを測るための試験ではなく、「どのように行動し、どう向き合うか」を見つめる試験です。

 

模倣力や判断力、集中力、そして周囲を思いやる社会性──すべてが“日々の過ごし方”の中で育まれていく力です。運動が苦手なお子様でも、真剣に取り組む姿勢やあきらめない心が、何より大きな魅力として伝わります。

 

だからこそ、ご家庭では「できた・できない」よりも、「楽しく体を動かす」経験を大切にしてください。努力した分だけ、必ず心と体が育ちます。応援しています!

 

藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
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など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
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