【青山学院初等部】編入試験は行われるのか
結論から申し上げますと、青山学院初等部では定期的に編入試験が実施されています。ただしその時期や対象学年、性別については一定ではなく、実施が見送られる年もあります。
また募集人数も非常に限られているため、実施されたとしても受験できるのは一部のご家庭に限られます。
入学試験と同様、編入試験の倍率も非常に高く、狭き門であることに変わりはありません。情報をいち早くキャッチし、万全の準備をしておくことが肝要です。

【青山学院初等部】行われた近年の編入試験
過去数年において、以下のようなタイミングで編入試験が実施されています。
実施時期 | 募集内容 |
2025年2月(告知:同年1月) | 新3年生男児 若干名 |
2024年2月(告知:同年1月) | 新2年生男児 若干名 |
いずれも実施直前に告知されており、募集から試験までの期間が非常に短いのが特徴です。また、実施時期としては「春休み前」や「夏休み前」が多く、新学期開始と同時に編入できるよう配慮されていることがうかがえます。
【青山学院初等部】編入試験の難易度・編入倍率について
青山学院初等部の編入試験は「欠員補充」が前提となっており、実施されるかどうかも不透明です。そのため、出願者数や合格者数などの詳細は公開されていません。
ただし、毎回非常に人気が高く、1名の募集に対して10~20名以上の応募があることも珍しくありません。試験が行われるだけでも大きな注目を集めるため、競争率は非常に高く、対策も一筋縄ではいかないと言えるでしょう。
【青山学院初等部】編入試験が人気の理由
青山学院初等部の編入募集が、どうしてこれほどまでに人気なのでしょうか。その理由を、プロが3点に絞って解説します。
附属の青山学院中等部・高等部が中学受験市場で大変人気のため
青山学院中等部・高等部は、都内でもトップクラスの人気を誇る中高一貫校であり受験偏差値も60前後とトップクラスの難易度を誇ります。
青山学院初等部に在籍していれば、基本的に中学受験を経ることなく、そのまま内部進学が可能になります。これは多くのご家庭にとって大きな魅力です。
近年では中学受験が過熱しており、小学生のうちから長時間の勉強や激しい競争にさらされる子どもも少なくありません。そのような状況を回避しつつ、質の高い教育環境と安定した進学ルートを確保できる青山学院初等部の価値は、年々高まってきています。
特に中等部・高等部では国際教育・ICT・探究学習にも力を入れており、進学先としても大変注目されています。こうした背景から、編入の機会はごくわずかであっても、狙いたいと考えるご家庭が絶えないのです。
中学受験の困難さに気づいたご家庭が途中編入を目指すから
小学校に進学してしばらく経つと、当初想定していたよりも中学受験が過酷であることに気づくご家庭が多くなります。
子ども自身の性格や学習ペース、家庭の生活スタイルとのミスマッチなどにより、思っていたように受験準備が進まず、悩まれるケースも少なくありません。
そんなとき、内部進学制度のある青山学院初等部への編入は、ひとつの現実的かつ理想的な選択肢となります。特に、青山学院が掲げる「自分で考え、他者と共に歩む」教育方針は、受験偏重ではなく、子どもの全人格を育てようとする家庭にとって大きな魅力です。
小学校受験時に惜しくも不合格となったご家庭が再チャレンジするため
年長時の入試で青山学院初等部を本命としながらも、残念ながらご縁を得られなかったご家庭にとって、編入試験は再挑戦の貴重なチャンスです。試験の出題傾向や面接の雰囲気を経験しているため、初回よりも冷静に準備を進められるのが大きな利点です。
また、在学後の学校生活を深く理解したうえで「やはりこの学校に通わせたい」という確信を持っているご家庭は、モチベーションも高く、再受験に向けた行動が非常に的確である傾向があります。
そのため、募集が出る可能性のある時期を調べておく、学校の教育理念や行事に関心を寄せるなど、日々の生活の中でも学校との距離を縮める努力を続けているご家庭が多く見受けられます。
このような「本気度」が面接などでも伝わりやすく、選考においても好印象を与える可能性があります。限られた募集枠であっても、再チャレンジを強く望む家庭にとっては、編入試験は長年の思いを実現する再出発の舞台なのです。
【青山学院初等部】の編入試験の内容
青山学院初等部の編入試験では、以下のような項目が出題されます。
国語
算数
集団テスト
保護者面接
国語・算数:思考力と表現力を重視した学力評価
青山学院初等部の筆記試験では、単なる知識の詰め込みではなく、「考える力」を重視しています。国語では、文章を正確に読み取り、自分の考えを的確に表現する力が求められます。算数では、計算力だけでなく、文章題や図形問題など、論理的思考力が試されます。これらの試験を通じて、「自ら考え、学び、探究する力を持つ子ども」を見極めることが目的とされています。
集団テスト:協調性と社会性の観察
集団テストでは、劇遊びや制作活動、運動課題を通して、子どもの協調性や積極性が見極められます。例えば、劇遊びでは、子どもたちが自分たちで話し合って配役を決め、台詞を考え、発表します。このプロセスでは、リーダーシップを発揮する子、周囲と調整しながら動く子、サポートに回る子など、それぞれの性格や役割が自然に現れます。また、制作課題では、手先の巧緻性だけでなく、他の子どもと協力しながら作業を進める力が求められます。青山学院初等部では、宿泊行事や課外活動が非常に多く、子どもたちが仲間と協力しながら学ぶ機会が多いため、こうした「集団での協働力」が非常に重要視されています。
保護者面接:家庭の教育方針と学校との適合性
保護者面接では、家庭の教育方針や子育てに対する考え方が問われます。青山学院初等部はキリスト教に基づいた教育を実践しており、日々の学校生活にはお祈りや宗教行事が自然に組み込まれています。そのため、保護者が学校の教育理念を十分に理解し、共感しているかどうかは、重要な評価ポイントとなります。
特に重視されるのが、「このご家庭に、学校と協力して子どもを育てていこうとする意思があるかどうか」という点です。
青山学院初等部では、学校と家庭が車の両輪となって児童を育てていくという文化が根付いています。行事への参加や係活動、保護者役員の務めなどにも積極的に関わる姿勢が求められ、在校生の保護者の多くは、それらを面倒と感じることなく、むしろ進んで協力しています。
たとえ編入であっても、青山学院初等部の一員となる以上、保護者にも同様の理解と姿勢が求められます。こうした点も、面接における適合性の重要な判断材料となるのです。
【青山学院初等部】の編入試験を突破する方法
編入試験はいつでも誰にでも開かれているものではありません。だからこそ、チャンスを逃さず掴むためには、日頃の備えが必要です。ここでは合格の可能性を高める5つの具体的な対策を紹介します。
近所の教会などへ、日曜礼拝に参加する
青山学院初等部は、キリスト教(プロテスタント)を教育の根幹に据えた学校であり、日々の学校生活には礼拝・祈り・宗教行事が自然に組み込まれています。
これは単なる形式ではなく、「心を育てる教育」として極めて大切にされています。入学後は朝の礼拝や週1回の宗教の授業、クリスマス礼拝などの年中行事を通じて、子どもたちは聖書の教えや隣人愛、感謝の心を学んでいきます。
そのため、宗教教育に馴染みのないお子様がいきなりこの環境に飛び込むと、大きな戸惑いやストレスを感じてしまう可能性があります。事前に近所の教会へ足を運び、日曜学校や子ども向けの礼拝に参加することで、自然な形で宗教の世界に触れる機会を作っておくことがとても重要です。
また、宗教行事は家庭との連携も求められます。保護者自身もキリスト教に対する理解を深めておくことで、家庭でも一貫した価値観で子どもを支えることができ、面接時にも宗教教育への積極的な姿勢が評価されるでしょう。
単なる「対策」ではなく、学校の本質を理解し共鳴することが、編入試験突破の第一歩なのです。
学年に応じた基礎学力の定着
青山学院初等部の編入試験では、国語と算数を中心とした筆記試験が実施されることが多く、ここでしっかりとした学力を証明する必要があります。求められる水準は「平均点」ではなく、「限られた枠を争う中で頭ひとつ抜けること」。そのためには、日々の積み重ねによる確実な学力の定着が不可欠です。
国語においては、単なる読解問題にとどまらず、「自分の考えを丁寧に説明する力」や「文章の中の感情や意図を読み取る力」など、思考力や表現力も問われます。日記を書く、感想文に取り組む、親子で読書内容を語り合うといった日常的な習慣を通じて、言葉を使って考える力を育てましょう。
算数では、計算力はもちろんのこと、文章題や図形問題など思考力を問う問題にも対応できる柔軟さが求められます。年齢に応じたドリルをこなすだけでなく、パズルやロジック問題に親しむことも効果的です。特に高学年になるほど内容が高度化するため、学年相応+αの力を意識して取り組みましょう。
非認知能力を高める生活を送る
青山学院初等部が重視するもうひとつの大きな柱が、学力以外の「非認知能力」です。これは数値化できない「人間力」を指し、協調性・粘り強さ・自己制御力・好奇心・リーダーシップなどを含みます。編入試験でも、集団テストや面接でこうした要素が重視されると考えられています。
非認知能力を高めるには、日々の生活の中で「自分で考え、行動し、振り返る」経験を繰り返すことが最も効果的です。例えば、家庭内での役割(お皿洗い・買い物の手伝いなど)を任せて責任感を育んだり、兄弟げんかを通じて相手の立場を考える習慣をつけたりするのもひとつの方法です。
宿泊体験や英語・自然体験など多様な経験を重ねる
青山学院初等部の学校生活には、1年生から宿泊行事があり、最終的には8泊を超える「洋上小学校」まで段階的に行われます。こうした宿泊行事に耐えうる心身の準備は、受験対策としても非常に有効です。
ご家庭でも週末や長期休暇を利用して、お子様だけで参加する宿泊イベント(キャンプ・合宿・お泊まり保育など)に挑戦させておくことで、自立心や生活力を養うことができます。
また、英語教育や国際交流に力を入れている青山学院では、異文化に触れる機会も重要視されています。
イングリッシュキャンプやオンライン英会話、海外キッズプログラムへの参加などを通じて、「言葉の壁を超えて伝え合う力」「多様性を楽しむ力」を育てておくと、面接でも豊かな経験としてアピールできるでしょう。
加えて、自然体験を通じて得られる「観察力」や「好奇心」も重要な素養です。植物を育てる、虫を観察する、自然の中で五感を働かせるような遊びを意識的に取り入れていきましょう。
編入試験対策ができる、塾・家庭教師・家庭学習サービスを探す
私立小学校の編入試験は情報が少なく、出題傾向や合格基準も一般的な模試とは異なる特殊なものです。そのため、受験対策に精通した塾や家庭教師と連携しながら準備を進めることが成功への近道となります。
弊社では、小学校受験で高い実績を誇る学習指導メソッドをもとに、編入試験に特化した最新の学習サポートを提供しています。時間の制約があるご家庭にも対応可能な柔軟なプログラムをご用意していますので、まずはお気軽にご相談ください。
【青山学院初等部】編入試験は行われるのか!難易度は?!プロが徹底解説まとめ
青山学院初等部では、学年や時期によって不定期ながらも編入試験が実施されています。しかし、その門は極めて狭く、対策を怠れば合格は困難です。だからこそ、日頃から教育方針を理解し、学力・非認知能力・宗教教育への適応力をバランスよく養っておくことが重要です。
数少ないチャンスを確実に掴むために、ご家庭でできる準備を一歩ずつ、丁寧に進めていきましょう。