編入対策

私立小学校への編入はなぜ難しいのか?その理由と解決策

私立小学校への編入はなぜ難しいのか?その理由と解決策
塾長
塾長

近年の私立小学校人気の高まりと中学校受験の激化の影響を受け、私立小学校への編入を検討されるご家庭が増えてきたように感じます。しかし、私立小学校への編入は大変に難しく、また困難を伴うと言われています。

「編入試験対策がこんなに大変ならば、小学校受験をしておけばよかった。」「中学校受験の方がよほど簡単だ。」「諦めて高校受験に舵を切ろう。」といった諦めと失念の言葉があふれかえるのも無理はありません。

私立小学校への編入が難しいと言われる理由

私立小学校への編入が難しいと言われるのは、一体どのような理由からなのでしょうか。私うみ塾長(藤川)の元に集まる編入希望者の皆様から寄せられた相談や一般的な意見を元に

ポイントを4つに絞ってプロが徹底解説します。

 

① 編入募集枠が少ない

私立小学校への編入が難しい最大の理由は、その「募集枠の少なさ」です。

私立小学校では1学年2~3クラスの少人数制を採用していることが多いです。

このため、編入募集が行われるのは、在校生が転居や家庭の事情で退学するなどの欠員が出た場合に限られます。

しかし、そもそも欠員自体が滅多に発生しないため、編入募集がかかる機会そのものが極めて少ないのが現状です。

さらに、募集があったとしても、定員は数人程度と非常に少なく、欠員補充という目的の元学年や性別が限定される場合もあるため、多くの家庭にとって受験資格すら得られないこともあります。

 

② 編入試験の難易度が高い

私立小学校の編入試験は、試験内容の難易度が高く、学校ごとに求められる基準や形式が学校ごとにバラバラのため、その対策に時間がかかりハードルが高いと言われています。

多くの私立小学校では、編入試験で筆記試験が行われますが、学校によっては学年相応のレベルを超えた高度な問題が出題されることも珍しくありません。

小学校受験時に「ペーパーテストの難易度が高い」と言われる学校や、いわゆる中受校(在校生のほぼ全員が中学校受験に挑戦することが前提の私立小学校)などはその傾向が顕著です。

また、学校ごとに試験科目や重点が異なり、過去問題や具体的な情報がほとんど公開されていないため、対策が難しいという特徴があります。

③ 学校ごとの個別対応が必要

私立小学校への編入を目指す際には、学校ごとの個別対応が必要不可欠です。

前述した通り、私立小学校にはそれぞれ異なる教育理念や指導方針があります。

学校によって求める学力や性格、家庭環境が異なるため、受験対策を一律に行うことはできません。

たとえば、学力重視の学校では高度な筆記試験への対策が必要になりますが、一方で、教育理念や宗教的な価値観を重視する学校では、家庭の教育方針や日常生活の過ごし方をアピールすることが重要になります。

このため、各学校の募集要項や過去の試験傾向、教育方針を十分に研究することが求められます。

さらに、志望理由書や面接では、その学校で学びたい具体的な理由を伝える必要があります。

これは単なる「良い学校だから」という理由ではなく、学校の教育理念や特色に沿ったものでなければなりません。

たとえば、「編入希望校でしか学べない特色ある教育を受けさせたい」や「兄弟が在校しているため同じ環境で学ばせたい」など、具体的で納得感のある理由が必要です。

このように学校ごとの個別対応を徹底することが、私立小学校編入試験の合否を大きく左右します。

その反面、「この学校に行きたい」と定めた学校で転入募集が起きるとは限りませんので、1校にこだわることなくある程度つぶしが聞くような試験準備をするといった戦略的思考も必要となるのが難しいところです。

 

④ 編入後の適応が重要視される

私立小学校では、編入後にお子様が既存のクラスにうまく馴染むことができるかをかなり重点的に確認されます。

そのため、編入試験では学力や家庭環境だけでなく、お子様の社交性や協調性といった性格的な側面も評価の対象となります。

私立小学校は少人数制を採用している場合が多く、一人ひとりの影響がクラス全体に与える影響が大きいからです。

試験の際、お子様自身の性格やコミュニケーション能力を確認するために、面接やグループ活動が行われることもあります。

また、学校側は家庭環境や保護者の教育姿勢から、お子様が編入後の学校生活でどれだけスムーズに適応できるかを慎重に見極めます。

編入先の学校にとって、クラスの雰囲気や学級運営が乱されることは大きなリスクです。

また、長年にわたり積み重ねてきた伝統や歴史、その文化を壊すことは絶対に避けたいと考えます。

そのため、どんなに優秀なお子様であっても、学校のカラーにそぐわなかったり、協調性が欠けていると判断された場合は不合格となることがあります。

編入を成功させるためには、保護者が志望校のことをよく研究する必要があります。

また、家庭内でお子様に社交性やマナーを教えるなど、学校生活への適応力を高める準備が欠かせません。

編入試験は、単に学校へ入るためだけでなく、編入後の学校生活における円滑な適応を前提とした選抜が行われるのです。

 

⑤ 保護者の協力姿勢が求められる

私立小学校の編入試験においては、保護者の協力姿勢も重要な評価対象となります。

これは、私立小学校が家庭と連携してお子様を育てることが前提となるからです。

保護者が学校活動や教育方針にどれだけ積極的に協力できるかが、編入試験の合否を左右することもあります。

面接では、お子様だけでなく保護者も評価されるケースが一般的です。

たとえば、家庭内での教育方針や学校との協力姿勢、学校行事への積極的な参加意欲などが問われます。また、私立小学校は学費や寄付金などの金銭的な負担もあるため、経済的な安定性も含めた保護者の覚悟や責任感が見られることがあります。

さらに、保護者が編入希望校の教育理念に共感し、その理念を家庭内で実践できるかも重要なポイントです。

学校によっては保護者の協力が欠かせない活動が多い場合もあり、そのような家庭環境がないと学校側に不安を与えることになります。

このように、お子様だけでなく保護者の姿勢や能力も含めて評価される点が、私立小学校の編入試験の特徴です。

 

難しい私立小学校編入を成功に導くためのポイント

ここからは、高い難易度を誇る私立小学校への編入試験を成功に導く為のポイントについて解説します。

どうすれば難関試験を突破し、編入試験の合格を手に入れることができるのでしょうか。プロがポイントを4つに絞って解説します。

 

各校の編入情報を集める

私立小学校への編入を成功させるには、最初のステップとして各校の編入情報を徹底的に収集することが重要です。

ご家庭の教育方針に合う学校であるか、家から通いやすい距離にあるか、さらに卒業後の進路や教育環境がお子様の将来にどのように影響するかを検討しますしょう。

私立小学校は、教育理念や指導方針・カリキュラムにそれぞれ特色があるため、情報収集の段階でその違いを把握しておく必要があります。

また、編入試験の時期や内容、受け入れ体制についても事前に調査し情報を蓄積しておくことが大切です。

この準備が不十分だと、志望校の条件に見合わない学校を選んでしまったり、試験のタイミングを逃してしまう可能性があります。

家族で共通の目標を持ち、情報を整理することが成功への第一歩となります。

 

編入についてご夫婦で常に話し合っておく

編入を検討する際は、家族で方針や目的を共有し、常に話し合いを続けることが欠かせません。

例えば、「どのような学校であっても編入を優先するのか」「特定の学校にこだわりたいのか」「中学校受験も検討の余地があるのか」など、家族全員が納得できる方向性を明確にします。

また、希望する学校に編入できなかった場合には、中学校受験/高校受験などの代替案も視野に入れる必要があります。

このように、編入の可否だけでなく、その後の選択肢を含めた長期的な戦略を話し合うことで、途中で方針がぶれるリスクを減らせます。

お子様の将来を見据え、家族全員で一貫したビジョンを持つことが、計画を実行に移す際の大きな支えとなります。

 

編入試験に耐えうる塾や家庭教師を探す

私立小学校の編入試験は、突発的に募集が発表され試験終了までの期間が1か月程度と短い傾向にあります。

募集開始を見つけてから準備を始めても間に合わないことが多いため、日頃から学力の基盤を整えておくことが必要です。

基礎学力を日常的に身に付けるためには、計画的な学習習慣が欠かせません。

さらに、編入試験に特化したノウハウを持つ塾や家庭教師を早めに探し、空席が出た場合にはすぐに入塾できるよう準備しておくことも大切です。

塾や家庭教師による指導は、学習の質を高めるだけでなく、編入試験の傾向や対策に合わせた指導を受けられる点で非常に有効です。

お子様の学力だけでなく、ご家庭のライフスタイルや価値観に合う指導者を選ぶこともポイントとなります。長期的な視点で計画を立て、しっかりと準備を進めましょう。

 

お子様に編入について話す、日頃からサポートを行う

編入試験の準備は、お子様にとって精神的・肉体的な負担がかかることが多いです。

そのため、日頃から心身両面でのサポートを行い、お子様の気持ちに寄り添うことが重要です。

特に、お子様自身が転校を希望していない場合には、無理に試験を受けさせることが逆効果になることもあるでしょう。

編入の目的や意義を丁寧に説明し、お子様が納得できる形で進めるよう心掛けることが大切です。

また、試験対策中に感じるプレッシャーを軽減するために、適度な休息やリフレッシュの時間を設けることも効果的です。お子様の気持ちを最優先に考え、無理のない範囲で取り組むことが成功の鍵となります。

 

私立小学校への編入はなぜ難しいのか?その理由と解決策まとめ

私立小学校の編入試験は、その募集人員の少なさや対策方法の特異性から大変な困難を伴う難しいものであると言わざるを得ません。

しかし、正しい知識と方法を知り、合格に向けてまっすぐに努力をすることで成功に導くことも十分可能です。親御様が正しい努力を重ね、お子様に最適な環境を与えてあげてくださいね。

 

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藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
願書作成や面接対策、受験指導など小学校受験のことなら何でもお任せ!
願書作成97%、面接レッスン93%、受験指導100%
など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
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