横浜きりん学園は、学校に行きづらくなった子どもが通える新しい学校だと聞きました。
どんな学校で、どうすれば入学できるのか、くわしく知りたいです。
横浜きりん学園は、2026年1月に横浜市栄区に開校した私立の義務教育学校で、文部科学省が指定する「学びの多様化学校」です。一般的な私立小学校の「受験」とは性格がちがい、不登校などで教育上の特別な配慮が必要だと校長が認めたお子さまが入学の対象になります。
大切なのは、以下の3点です。
・まず入学基準を読み、お子さまが対象になるかを確かめること
・説明会・見学と体験授業・個別相談の3つすべてに親子で参加すること
・お子さまの気持ちを第一に、無理のない入学(転入学)の時期を選ぶこと
横浜きりん学園の個別相談、家庭学習サポート、願書作成、面接対策を行う筆者が詳しく解説していきます。
横浜きりん学園への入学を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【横浜きりん学園】どんな学校?基本情報
横浜きりん学園は、学校法人森学園が設置する私立の義務教育学校です。所在地は神奈川県横浜市栄区庄戸3-1-1で、2026年1月に開校しました。文部科学省から「学びの多様化学校」(以前は不登校特例校と呼ばれていた学校)の指定を受けています。学校教育法第1条に定める正規の学校なので、ここでの学びは通常の小学校・中学校と同じように卒業につながります。
義務教育学校は、小学校と中学校の9年間を1つの学校で通して学ぶ形です。横浜きりん学園では、1〜6年生を前期課程、7〜9年生を後期課程とし、同じ校舎で学ぶ施設一体型をとっています。公式サイトに示されている定員は、前期課程が235名、後期課程が120名です。
授業の時間数の合計は標準的な学校と同じにしながら、40分授業と長めの休み時間(50分)、一人ひとりのペースで取り組む「こつこつタイム」を組み合わせているのが特徴です。朝は9時から朝活やクラブがあり、1時間目は9時50分から始まります。朝が苦手なお子さまにも配慮した時間の組み方といえるでしょう。
さらに、心理や福祉の専門家がアドバイザーとして関わり、学校の中と外の両方からお子さまの学びを支える体制をとっています。「勉強の遅れ」だけでなく、「安心して過ごせる場所」をつくることを大事にしている学校です。
【横浜きりん学園】入学の対象と入学基準
横浜きりん学園を考えるうえで、いちばん大切なのが入学基準です。公式サイトの入学案内では、義務教育の課程に就学している、または就学する予定のお子さまのうち、不登校などのために教育上の特別な配慮が必要だと校長が認めた方を対象としています。
つまり、ほかの私立小学校のように「希望すればどなたでも出願できる学校」ではありません。学力の高さで選ぶ学校ではなく、いまの学校生活に困りごとを抱えるお子さまが、もう一度安心して学べる場所として用意された学校です。お父様・お母様は、この点をまず正しく理解しておくことが大切です。
もう一つ知っておきたいのが、募集の形です。2026年10月23日時点で公式サイトに出ているのは、令和8年度(2026年度)の9月・1月の転入学の案内で、対象は1年生から7年生、募集人数は若干名となっています。2027年度(令和9年度)4月の新1年生向けの募集要項は、公式サイトではまだ確かめられません。新1年生からの入学を考えているご家庭は、説明会や個別相談で直接たずねてみてください。最新は募集要項でご確認ください。
義務教育学校なので、7年生以降へは同じ学校の中でそのまま進みます。私立の小中一貫校で中学への進み方がどう決まるのかについては、私立小学校の内部進学の考え方もあわせて読んでみてください。
【横浜きりん学園】入学までの流れと日程(令和8年度の例)
横浜きりん学園では、入学を希望するご家庭に、次の3つすべてへの参加を求めています。
- オンライン学校説明会(保護者のみ)
- 学校見学と体験授業(お子さまと保護者)
- オンライン個別相談(お子さまと保護者)
3つに参加したご家庭にウェブ出願用のURLが届き、そこから先の手続きに進みます。公式サイトに示されている流れは、ウェブ出願(願書の受付)、特色検査と面接、転入学の手続き(オンラインの手続きと書類の郵送)、転入学説明会と登校日、という順番です。説明会などの申し込みは、学校の予約サイトから受け付けています。
令和8年度の転入学の募集要項(PDF)に出ている日程は、次のとおりです。
- 9月転入:出願6月22日〜6月29日、特色検査・面接7月7日、結果通知7月10日、手続き期限7月13日、転入学説明会8月4日
- 1月転入:出願10月26日(月)〜11月3日(火)、特色検査・面接11月10日(火)、結果通知11月13日(金)、手続き期限11月16日(月)、転入学説明会12月8日(火)
1月転入の出願は、この記事を書いている時点のすぐ先に予定されています。ただし、出願の前に説明会・見学・個別相談の3つを済ませておく必要があるため、これから考えるご家庭は、まず予約サイトの空き状況を確かめましょう。日程や時間は変わる場合があると学校も案内しています。最新は募集要項でご確認ください。
特色検査と面接の具体的な内容は、公式サイトでは公表されていません。一般的な小学校受験のペーパーテストのような準備は求められていないと考えてよいでしょう。それよりも、体験授業や個別相談の場で、お子さまのいまの様子やご家庭の願いを、ありのまま伝えることが大切です。
【横浜きりん学園】教育の特色とカリキュラム
横浜きりん学園の教育の中心は「食育」です。全学年で総合的な学習の時間を増やし、校内の食育菜園(エディブルガーデン)での栽培と、「会社活動」と呼ぶ体験的な学びを柱にしています。教科の枠をこえて調べ、仲間と力を合わせて課題を解決する力を育てることがねらいです。
学びは、お子さまの成長に合わせて3つの段階に分かれています。
- 1〜4年生(のびのび・児童部):四季の食育活動を通して、興味のあることを五感で体験する
- 5〜7年生(わくわく・初等部):グループで協力し、いろいろな考えにふれながら、よりよい方法を生み出す
- 8・9年生(ぐんぐん・中等部):朝市やカフェでの接客、コストの管理、広報などを会社活動として経験し、地域の中で役割と責任をもつ
異なる学年が一緒に学ぶ機会も大切にしています。下の学年のお子さまは上の学年にあこがれ、上の学年のお子さまは自分から役割を引き受けることで成長していく、という考え方です。
一年の行事も、畑や季節とつながったものが多く並びます。梅もぎと梅干し作り、マルシェ、収穫祭、栗拾い、芋掘り、餅つき、味噌づくりのほか、スポーツフェスやミュージックフェスなどもあります。校内には、自校で調理した給食を出す「きりんの台所」、地域の方も利用できる交流の場「きりん食堂」、富士山が見えるラウンジ、ドームや水遊び場のある屋上の広場などがあります。法人の農園や茶室、放課後等デイサービスも併設されており、学校の外の時間まで見通した環境づくりがされています。
【横浜きりん学園】学費と通学・アクセス
学費については、公式サイトの入学案内に「学費/納入金」の項目がありますが、2026年10月23日時点で、金額を公式サイトの本文から確かめることはできませんでした。検定料も同様です。説明会や個別相談の際に、入学金・授業料・給食費・スクールバスの費用などを一覧でたずねておくと安心です。年度によって変わることもありますので、最新は募集要項でご確認ください。
通学の方法は、公式サイトで次のように案内されています。
- JR港南台駅から神奈中バス「港55」で「庄戸」下車、徒歩1分
- JR大船駅、京急金沢八景駅から神奈中バス「船08」で「八軒谷戸」下車、徒歩15分
- スクールバス:JR本郷台駅〜認定こども園いのやま〜校舎前(2026年4月以降に運行予定と案内)
公共交通機関で一人で通うのがむずかしい場合は、車での送迎もできます。ただし校門の前での停車や駐車はできず、近くの指定駐車場にとめて、保護者が校門まで付き添う決まりです。通学に不安があるお子さまほど、毎朝の動きを具体的にイメージしておくことが、無理なく通い続けるための近道になります。
【横浜きりん学園】入学を考えるご家庭へのアドバイスとよくある質問
横浜きりん学園への入学は、「合格するための準備」よりも「お子さまに合うかどうかを確かめる時間」が大切です。体験授業でお子さまがどんな表情をしていたか、帰り道にどんな話をしたか、ぜひ記録しておいてください。願書や面接で家庭の考えを伝えるときにも、その記録がいちばんの材料になります。
伝え方に迷うときは、いまの学校での様子、家庭で大切にしていること、横浜きりん学園のどんな点に希望を感じたのかを、短い言葉で整理しておくとよいでしょう。考えをまとめる相手がほしいときは、オンライン個別相談で一緒に整理することもできます。
Q. 学力の試験はありますか?
公式サイトには、選考として「特色検査・面接」と書かれています。具体的な内容は公表されていないため、ペーパーテストの有無は説明会や個別相談で確かめてください。
Q. いま通っている学校との関係はどうなりますか?
転入学の手続きは、合格後にオンラインと書類の郵送で行うと案内されています。在籍している学校とのやりとりも含めて、結果通知のときに学校から詳しい案内があります。
Q. 神奈川県のほかの私立小学校とも比べたいのですが。
横浜きりん学園は対象となるお子さまが決まっている学校なので、一般の私立小学校とは選び方がちがいます。県内の私立小学校全体を見ておきたい方は、神奈川県の私立小学校のまとめも参考にしてください。
どの学校を選ぶ場合も、主役はお子さまです。お子さまが「ここなら行ってみたい」と思える場所を、ご家族で一緒に見つけていきましょう。
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