【小学校受験】濃度の出題意図は?
「濃度」の問題では、理科的な常識があるか、数を比較することができるか、論理的な推理力があるかなどが見られています。
理科的常識があるか
「お風呂に入浴剤を溶かす」「絵の具を水で溶く」「バケツに砂を混ぜる」など、日常生活でも水にものを溶かしたり、水にものを混ぜたりする経験があると思います。このような経験を通して、理科的常識があるかを評価されています。理科的常識を身につけるためには、日常の中にある理科的なことに目を向け、それを言語化して、知識として吸収することが大切です。
数を比較することができるか
水または溶かすものの数量が揃っている場合、もう一方の数量を比較することで濃さを判断することができます。つまり、片方の条件が揃っていれば、実質的にもう片方の数を比較するだけで答えが求められるということです。
論理的な推理力があるか
水の量も溶かすものの数量も異なるときは、論理的にどちらが濃いかを考える必要があります。中には直感的に濃さを判断できる問題もありますが、論理的に考えられるようになることで、直感では判断に迷うような問題でも答えを導けるようになります。
【小学校受験】濃度の出題方法は?
「濃度」の問題は、ペーパーテストによる出題が一般的です。
ペーパーテスト
ペーパーテストでは、水の入ったコップと砂糖などの絵が描かれていて、「コップの上の砂糖を水に溶かしたとき、1番甘くなるコップに丸をつけましょう」などと出題されます。
コップを選ぶ問題が定番ですが、「お手本のコップと同じ甘さになるようにするためには、角砂糖をいくつ溶かせばいいですか。それぞれのコップの横にある四角に、溶かす角砂糖の数だけ丸を描きましょう」というような出題方法もあります。
【小学校受験】濃度の出題内容は?
「濃度」の出題内容には、主に3つのパターンがあります。
同じ量の水に違う数量のものを溶かす問題
「濃度」の中では最も難易度が低い問題です。例えば、「同じ量の水が入ったコップが2つあります。左のコップには角砂糖1個、右のコップには角砂糖2個を溶かすとき、どちらの水が甘くなりますか。」というような問題がこれに当たります。溶かすものの数量の多い方が濃くなり、少ない方が薄くなります。「たくさん溶かすと濃くなる」というのは感覚的にも理解しやすいのでしょう。
違う量の水に同じ数量のものを溶かす問題
例えば、「違う量の水が入ったコップが2つあります。どちらのコップにも角砂糖を2個ずつ溶かすとき、どちらの水の方が甘くなりますか。」というような問題がこれに当たります。水が少ない方が濃くなり、多い方が薄くなります。「溶かすものが少ないと薄くなる」と混同しやすいので気をつけましょう。
水の量も溶かすものの数量も違う問題
異なる量の水に、異なる数量のものを溶かすような問題です。「濃度」の中では最も難易度が高い問題で、模試などでも正答率が低い傾向にあります。正しい解き方を理解していないと論理的に解くことが難しいため、しっかりと対策をしてきたかどうかで明暗が別れることになります。
【小学校受験】濃度の解き方は?
「同じ量の水に違う数量のものを溶かす問題」と、「違う量の水に同じ数量のものを溶かす問題」は、溶かすものか水の数量を比較することで答えを求めることができます。「濃度」というよりも、数量判断の問題ですので、「溶かすものが多いと濃い」「水が少ないと濃い」ということを確認しましょう。どうしても理解が難しいときは、水に砂糖や塩を溶かして飲んでみるのもよいです。実際に体験したことは、記憶の定着に役立ちます。
問題なのは、「水の量も溶かすものの数量も違う問題」の解き方です。こちらは、等分の考え方や公倍数の考え方を使うため、高い思考力が求められます。しかし、「重さ比べ」など他の問題にも応用できる解き方ですので、しっかりとマスターしておきましょう。等分の考え方や公倍数の考え方の詳しい解説はこちらの問題集で扱っています。
【思考】濃度(教材サンプル)
【思考】4 濃度サンプル
教材サンプルのダウンロードはこちらから


【小学校受験】濃度|まとめ
「濃度」の問題は、比較的難易度の高い問題でありながら、解き方を身につけてしまえば正解を期待できる問題です。特に「水の量も溶かすものの数量も違う問題」が解けるようになると、他の受験生と差をつけることができますので、ぜひ本記事でご紹介した教材をご活用いただき、しっかりと解き方を身につけてください。