ママ
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志望園はどうやって選べばいいですか。家が近いことや、名門であることだけで決めてもよいのでしょうか。
うみ塾長
うみ塾長
「近いから」「名門だから」だけで決めるのはおすすめしません。教育理念、教育内容、宗教教育、通園のしやすさ、雰囲気、卒園後の進路、試験日程の7つの視点で比べると、お子さまにもご家庭にも合う園が見えてきます。

幼稚園受験でも小学校受験でも、願書作成や面接で絶対に必要になるのが志望理由です。いろいろなご家庭と志望理由についてお話しする中で、わかったことがあります。それは、思ったよりも多くのご家庭が「家が近いから」「名門だから」といった理由で志望園や志望校を選びがちだということです。

もちろん、家から近いことも大切ですし、名門と呼ばれるブランドがお子さまのキャリアにとってメリットになることもあるでしょう。しかし、本当にそれだけで志望園を決めてよいのでしょうか。幼児期にどのような環境で育つかは、お子さまの人格形成にとって非常に重要です。この記事では、元幼稚園受験の面接官である私が、志望園の選び方を7つのポイントに分けて解説します。

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幼稚園は私立が多数派:選択肢が多いからこそ軸が必要

幼稚園は全国にいくつあるかご存じでしょうか。文部科学省が公表している「令和6年度 学校基本調査」によると、幼稚園の数は約8,500園で、そのうち私立幼稚園が約6,000園です。幼稚園全体の約7割を私立が占めていて、ほとんどの幼児が私立幼稚園に通っている計算になります。

特に都市部は私立幼稚園の数が多く、どの園を選べばよいのか迷ってしまいますよね。だからこそ、あらかじめ「何を基準に選ぶのか」という軸を持っておくことが大切です。

ポイント1:教育理念や教育方針

幼稚園にはそれぞれの園で大切にしている価値観があり、その価値観は教育理念や教育方針に表れています。教育理念や教育方針によって、保育や教育の在り方は大きく変わります。志望園を選ぶにあたって、まずはここを確認してください。

お子さまの健やかな発達のためには、ご家庭と幼稚園の教育理念・教育方針が一致していることが大切です。ご家庭の教育方針と共通しているかどうかを確認しましょう。もし異なる場合でも、園の教育理念や教育方針を理解して、足並みを揃えながら子育てをしていけるかを考えてみてください。

たとえば、ご家庭では「規律のある子どもに育てたい」という方針なのに、園は「のびのびと保育をして個性を尊重する」という方針だったらどうでしょうか。お子さまが自我や社会性を形成していく上で、園とご家庭の方針が違いすぎるのは、よいこととは言えません。幼稚園への不信感につながらないためにも、できるだけご家庭と同じ方向を向いて歩んでいける園を選んでください。

ポイント2:教育内容と教育の特色

どんなに素晴らしい教育理念や教育方針を掲げていても、それが教育内容として具体化されていなければ意味がありません。

基本的に、幼稚園の教育内容は『幼稚園教育要領』に則って、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域に分けられています。そのうえで私立幼稚園では、各園の教育理念や教育方針に基づいて、さまざまな特色のある活動を取り入れています。

たとえば、日頃の「遊び」ひとつをとっても、自然との触れ合いに重点を置く園、運動能力の向上を目指す園、知的な刺激を取り入れる園など、園によって違いがあります。英語教育、音楽活動、リトミック、自然体験、食育など、魅力ある教育を行っている園もたくさんあります。

どの教育内容も魅力的ですが、すべての活動を網羅することはできません。いくつかの園を比較して、ご家庭が大切にしたい教育内容に近い園を選びましょう。

ポイント3:宗教教育の有無

宗教法人が設立母体となっている私立幼稚園では、その宗教の価値観に基づいた教育が行われています。その宗教の考え方を身につけるために、お祈りの時間や説法を聞く時間を設けている園がほとんどです。

宗教的な教育は、特定の教義を教え込むためではなく、道徳的な価値観を身につけたり、人間性を育んだりする目的で行われています。幼稚園に入園したからといって、特定の宗教に入信するよう強制されることはありません。

ただし、ご家庭の宗教と異なる場合は、日々のお祈りや宗教的な行事に抵抗感がないかを判断する必要があります。ご家庭の子育ての価値観と合っているか、その宗教の価値観を受け入れられるかを見極めましょう。

ポイント4:通園のしやすさ

自宅や勤務先に近い、通園バスがある、通園時間が短いなど、通園しやすい園を選びましょう。通園が大変だと、親御様にもお子さまにも負担がかかります。夏の暑さ、冬の寒さ、雨や雪の日でも、無理なく通える園だとよいですね。

通園のしやすさは、インターネットの経路検索だけで判断せず、実際に登園する時間帯に通園経路を通って確かめる必要があります。電車が混んでいる時間帯かもしれませんし、園周辺の道路が混んでいるかもしれません。歩道は自転車の通行量が多くて危険かもしれません。実際に通ってみないとわからないことがありますので、お子さまと一緒に確認してみてください。

通園時間が短いと、その分ご家庭での時間を充実させたり、習い事に通ったりできるというメリットもあります。特に、小学校受験を考えていらっしゃるなら、ご家庭での学習時間を確保するためにも、通園しやすい園を選ぶようにしましょう。

ポイント5:幼稚園の雰囲気

先生、園児、保護者、園舎、園庭、周囲の環境など、園の雰囲気が合うかどうかも重要なポイントです。お子さまが楽しく通えて、親御様も安心して預けられる雰囲気の園を選びましょう。雰囲気が合うかどうかは個人のフィーリングによるところが大きいものの、不信感や不安感を抱えたまま入園すると、後悔の種になります。

雰囲気は、実際に足を運ばないとわからない部分です。見学会、体験会、説明会、公開行事などに参加して、園の空気を感じとってみてください。口コミを調べたり、幼児教室の先生やその園に在籍している保護者の方から話を聞いたりするのも参考になります。

ポイント6:卒園後の進路

私立幼稚園や国立幼稚園に通うお子さまは、系列の小学校へ内部進学するか、小学校受験をするかのどちらかの進路をとることがほとんどです。

内部進学ができる園

系列小学校への内部進学が可能な園は、小学校受験を有利に進められるのがメリットです。大きな問題がなければ、園長先生の推薦を得て小学校に進学できる、いわゆる内部進学の制度があります。ただし、園によっては推薦枠の人数制限や推薦基準を設けているため、まったく対策が必要ないわけではありません。内部進学制度を利用して大学まで一貫教育を受けられる園には、たとえば青山学院幼稚園、学習院幼稚園、成城幼稚園、玉川学園幼稚園などがあります。

小学校受験に強いと言われる園

一部の園は「小学校受験に強い」と言われています。特に「御三家」と称される若葉会幼稚園、枝光会附属幼稚園、愛育幼稚園は、名門・有名小学校への入学を希望するご家庭に非常に人気があります。関連記事として、【名門幼稚園御三家】幼稚園受験をするなら知っておくことや、【幼稚園受験】大学までエスカレーター式のデメリットをプロが解説もあわせてご覧ください。

ポイント7:試験日程・試験内容

幼稚園受験は秋に集中して行われることが多く、併願する園の試験日程が重なってしまう可能性があります。そのため、志望園選びでは受験戦略も園選びの要素になります。具体的な日程は園ごとに異なりますので、最新は募集要項でご確認ください。

多くのご家庭は、複数の私立幼稚園を受験しています。このとき、教育方針や試験内容が似ている園を受験する方が、受験準備の負担が少なくなります。特に準備期間が短いお子さまの場合は、効率的に対策しやすくなるのがメリットです。親御様の面接対策やお子さまへのサポートもしやすくなります。

ただ、やはり「通わせたい園」をしっかりと選ぶことが最優先です。受験戦略や試験内容は、あくまで試験日程が重なってしまったときに考慮する程度にとどめておきましょう。

7つのポイントを、説明会や見学会で確かめる

ここまでの7つのポイントは、ホームページやパンフレットだけでは判断しきれません。園の空気感や教育に対する姿勢は、説明会や見学会に足を運んではじめて分かります。説明会では、園長先生による理念や特色の説明、施設見学、先生と在園児の様子、質疑応答といった内容が一般的です。園によっては、保育を体験する体験型、教育方針を詳しく話す講話型、少人数で質問しやすい個別説明会など、形式が違います。

見るポイントを、7つの視点に結びつけて整理すると次のようになります。メモを取り、あとで園ごとに比べられるようにしておくと便利です。

視点 説明会・見学会で見ること
教育理念・教育内容 園長先生の話、保育で大切にしている点、特色ある活動の中身
宗教教育 お祈りや行事の様子、保護者が参加する場面の有無
通園のしやすさ 実際の経路、通園バスの有無、延長保育の有無
幼稚園の雰囲気 園児の元気さや挨拶、先生の言葉づかいと子どもへの距離感、園庭や施設の清潔さと安全面
保護者の関わり 行事の頻度、保護者同士の雰囲気、費用や給食

質問をするときは、園の方針を理解したうえで、家庭の状況を少し添えて「知りたい」という姿勢で聞くのがコツです。たとえば「現在は〇〇を意識していますが、御園ではどのような育ちを大切にされていますか」という聞き方です。「合格の基準」や「倍率」など、選考に直接かかわる内容は避けましょう。説明会の服装や持ち物、質問の仕方は幼稚園受験の説明会で失敗しないために|服装・質問・確認ポイントを徹底解説で解説しています。

説明会に参加したら、記憶が新しいうちに、その日の印象と得た情報を整理してください。家族とも共有しておくと、志望園の優先順位が見えやすくなります。

志望理由にもつながる園選び

ここまでの7つの視点で園を比べていくと、「なぜこの園なのか」を自分の言葉で説明できるようになります。それはそのまま、願書や面接で問われる志望理由の土台になります。見学会や説明会で感じたこと、教育方針への共感、ご家庭の子育ての価値観との重なりをメモに残しておくと、後の書類作成や面接対策でも役立ちます。「家が近い」「名門だから」という理由も、ほかの視点と組み合わせて語ることで、説得力のある志望理由になります。

まとめ

幼稚園を選ぶときに意識したいポイントは、次の7つです。

  1. 教育理念や教育方針
  2. 教育内容と教育の特色
  3. 宗教教育の有無
  4. 通園のしやすさ
  5. 幼稚園の雰囲気
  6. 卒園後の進路
  7. 試験日程・試験内容

人気がある幼稚園が、必ずしもお子さまにふさわしい幼稚園であるとは限りません。入園後に「こんなはずではなかった」「イメージと違った」ということにならないよう、慎重に幼稚園選びを進めてください。ご家庭ごとに大切にしたい軸を決めて、見学会や説明会にも足を運びながら、お子さまにもご家庭にも最良の選択をしていただければと思います。

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