【幼稚園受験】考査当日に親が書く書類まとめ|制限時間つき・下書き不可の園も
幼稚園受験には、あまり知られていない関門があります。お子様が考査を受けている間、親御様も別室で「書かされる」園があるのです。しかも、制限時間つきです。ある園は25分。ある園は、お父様用とお母様用で内容が違う調査書を20分で、しかもメモも辞書も携帯電話も見てはいけません。さらにある園は、ボールペンで記入して、書き損じによる用紙の交換はできません。
これを知らずに当日を迎えると、手が止まってしまいます。この記事では、当日に何を書かされるのか、そして何を準備しておけばよいのかを整理します。ご紹介する記入時間や設問は、これまでに受験されたご家庭から伺った内容です。年度や考査日によって時間や内容が変わることがありますが、どのような準備が必要なのかを知っていただくため、具体的にご紹介します。
動画でも解説しています。
パート1 考査当日に、その場で書く園
まずは、当日にその場で書くタイプです。ここがいちばん大変です。
暁星幼稚園:25分のアンケート
お子様が考査を受けている間、親御様は控え室でアンケートを記入します。時間は25分ほどです。実際に受験されたお母様からは、「アンケートは下書きを準備しないと間に合いません。皆様、すごい勢いで書き、その筆の音にもびっくりしてしまいました」というお話を伺っています。会場に響く筆の音が、この受験の空気をよく表しています。
枝光学園幼稚園:父用と母用に分かれた調査書を20分で
親御様にとって特に負担の大きい課題の一つです。親子遊びと面接が終わったあと、お子様は集団テストへ進み、親御様は控え室で調査書を記入します。時間は20分ほどで、お父様用とお母様用で内容が違います。
- お父様:「親から受けた教育で子どもに伝えたいこと」「座右の銘とエピソード」「家庭の教育で大切にしていること」
- お母様:「入園までの教育」「出産後の心境の変化」「子育てで難しいと思うこと」「幼稚園と保育園の違い」
実際に受験されたご家庭からは、「考査当日に記入する調査書の内容は、考査日によって異なるようでした。メモや辞書、携帯電話を見ることは禁止でした。わが家の面接では、調査書からも質問されました」と伺っています。考査日によって設問が異なったようだ、というお話もあり、事前に設問を知って完璧な文章を用意しておくことは難しいと言えます。
東京学芸大学附属幼稚園 竹早園舎:ボールペンで15分、書き直し不可
こちらもお子様の考査中に記入します。時間は15分ほどです。項目は「与えたくないおもちゃ、あるいはお菓子を子どもが欲しがったとき、どうするか」、そして「その質問にかかわる最近のエピソード」です。実際に受験されたご家庭からは、「筆記具はボールペンが用意されていました。書き損じによる用紙の交換はできないとのことだったので、急ぎつつも丁寧に書くよう心掛けました」と伺っています。そして面接では、「そのように対処されたのはどうしてですか」と、書いた内容について理由を聞かれます。
お茶の水女子大学附属幼稚園:生活のリズムまで書く
こちらもお子様の考査中に記入します。項目はとても具体的です。
- 子どもの起床・就寝時間
- お昼寝の有無
- 育児について相談できる人はいるか
- どこで子どもと一緒に遊ぶか
- 子育てをしていてどのようなときに幸せを感じるか
起床と就寝の時間を書かせる園です。こうした項目から、生活のリズムだけでなく、日頃どのような体制で子育てをされているのかまで、具体的に確認しようとしていると考えられます。
枝光会附属幼稚園:お父様が控え室で記入
これまでの受験例では、お母様とお子様が考査会場にいる間、お父様が控え室でアンケートを記入する形が見られました。項目は、名前、洗礼の有無、洗礼名、生年月日、家族構成、園に望むこと、紹介者の有無、入園前の教育、併願の有無、通園方法です。「併願の有無」まで聞かれます。お父様が一人で書くことになりますので、ご夫婦で事前にすり合わせておかないと、面接での答えとずれてしまいます。
パート2 事前に書いて提出するタイプ
こちらは家で書けるぶん、内容の完成度が問われます。
青山学院幼稚園
出願時に提出する「家庭のようす」の裏面に、3つの記入項目があります。「子どもが青山学院で学ぶ意味をどのように考えるか」「遊びを中心とした保育を実践している本園への入園を希望する理由」、そして「子育てが楽しいと感じたエピソードと、子育てが難しいと感じたエピソード」です。うまくいっている話だけでは埋まらない設計になっています。
雙葉小学校附属幼稚園
考査票を受け取る日に面接資料を提出します。記入項目は、志望理由、家族の教育方針、幼稚園に伝えておきたいこと、そして家族写真です。「家族の教育方針」という欄が独立している点に注目してください。
田園調布雙葉小学校附属幼稚園
提出する志望書類には、志望理由に加えて、自宅から園までの経路と、駅での待ち時間を含む平均所要時間を書く欄があります。
日本女子大学附属豊明幼稚園
面接資料に、「行動の傾向」「保育歴・おけいこ事・その他」「利用する交通機関」「通園に要する時間」「本園を志望する理由」といった記入欄があります。
桐朋幼稚園
出願時に「志願理由記載書」を提出します。項目は、志願理由と、そのほか知っておいてほしいことです。実際に受験されたご家庭からは、「記入欄が広く、まとめるのに苦心しました。また面接では記入したこと以外のエピソードなども求められるので、エピソードは多めに考えておくのがよさそうです」というお話を伺っています。
学習院幼稚園
出願時に提出する別紙は、志望理由の自由記述が中心です。こちらも「記入欄も広かったためまとめるのに苦心しました」という声が出ています。自由記述は、書きやすいようで、実はいちばん力の差が出る形式です。
枝光会駒場幼稚園
調査票が出願時に配付され、考査当日に提出しますので、家で書けます。項目は、本人氏名、性別、生年月日、カトリック信者は霊名と受洗日、健康状態、入園前のしつけの重点、性質、長所、短所、入園前の教育です。「入園前のしつけの重点」という項目が入っているのが特徴です。
湘南白百合学園幼稚園:出願の入力そのものに時間制限がある
少し形が違います。実際に受験されたご家庭からは、「Web出願時に、家庭の教育方針と志望理由を300字以内で入力しました。出願の入力はすべて20分以内に行う必要があるので、園の説明会でも内容を考えておくようアドバイスがありました」と伺っています。書く内容は事前に準備できますが、入力できる時間が20分と決まっています。出願画面を開いてから内容を考えるのではなく、家庭の教育方針と志望理由を、あらかじめ指定された文字数内にまとめておいてください。入力方法や制限時間は年度によって変わる可能性がありますので、出願前に操作方法も確認し、すぐ入力できる状態まで準備しておくことが大切です。
なお、この園では考査当日にもアンケートがあり、「保育園ではなく幼稚園を選んだ理由」「家庭と幼稚園の違いは何か」「一貫校についてどう思うか」といった項目が出ています。記入時間が短いので、募集要項で筆記具の持参が認められている場合は、書き慣れた筆記具を持参することをおすすめします、というお話も伺っています。
| 園 | 書くタイミング | 特徴 |
|---|---|---|
| 暁星 | 当日(約25分) | 下書きがないと間に合わない |
| 枝光学園 | 当日(約20分) | 父用・母用で内容が違う、メモ参照不可 |
| 竹早園舎 | 当日(約15分) | ボールペン、書き損じの交換不可 |
| お茶の水女子大学附属 | 当日 | 起床・就寝時間、相談できる人など |
| 枝光会附属 | 当日 | お父様が控え室で記入 |
| 青山学院・雙葉・桐朋・学習院ほか | 事前提出 | 面接で掘り下げられる |
| 湘南白百合 | Web入力(約20分)と当日アンケート | 教育方針と志望理由を字数内に |
パート3 園は、この書類で何を見ているのか
ここからは、私の見立てです。制限時間を設け、その場で記入させる園があります。メモなどを参照できず、設問が当日までわからない場合もあります。こうした書類では、整えられた文章の上手さだけでなく、その場でご家庭の考えを自分の言葉にできるかが表れます。また、お父様とお母様が日頃から子育てについてどの程度話し合っているかも、回答の内容に表れやすくなります。
一方、事前に提出する書類では、時間をかけられるぶん、園への理解や、ご家庭の教育方針をどこまで具体的に整理できているかが問われます。園によって確認する内容は違いますが、共通して表れやすいのは、教育方針の一貫性、具体的なエピソード、そしてご夫婦の認識がそろっているかという点です。
竹早園舎の設問を思い出してください。「与えたくないおもちゃを子どもが欲しがったとき、どうするか」、そして「最近のエピソード」、さらに面接で「そのように対処されたのはどうしてですか」。エピソードがなければ書けませんし、理由がなければ答えられません。つまり、日々の子育てで、一つひとつの判断に理由を持っているかどうかが表れます。
枝光学園幼稚園で受験されたご家庭は、「子どものことは面接で、親の考えは調査書で把握しようという意図かと思い、調査書に細かく記入するよう心掛けました」と見立てていらっしゃいました。私もこの見立てに賛成です。役割がきれいに分かれています。
パート4 今日からできる準備、4つ
1つ目は、ご家庭の教育方針を200字で書けるようにしておくこと
ご家庭の教育方針は、多くの園で形を変えて問われます。園のパンフレットの言葉を借りるのではなく、ご家庭が何を大切にしてきたかを、自分たちの言葉で書きましょう。まずご夫婦で話して、紙に書いてみてください。事前に言葉にできていなければ、当日の限られた時間でまとめることは難しくなります。
2つ目は、エピソードを5つ、場面つきで用意しておくこと
「いつ」「どこで」「お子様が何をして」「ご家庭がどう関わったか」。複数の具体的なエピソードを整理しておくと、さまざまな設問に自分の言葉で答えやすくなります。面接でも、書いた内容について具体例を求められますので、そのまま使えます。
3つ目は、お父様も書く準備をしておくこと
枝光学園幼稚園はお父様用の調査書があり、枝光会附属幼稚園はお父様が控え室で書きます。「座右の銘とエピソード」「親から受けた教育で子どもに伝えたいこと」は、その場で考えて書けるものではありません。お父様にも、一度書いてみていただいてください。
4つ目は、盛らないこと
園によっては、書いた内容が面接で詳しく掘り下げられます。実際にしていないことを書くと、掘り下げられたときに答えられません。長年ご家庭を見てきた中で感じるのは、飾らずに書いたご家庭のほうが、面接での受け答えが自然になるということです。なお、記入項目や時間は年度によって変わることがありますので、必ず公式の募集要項もご確認ください。
出願書類については、園ごとの記事でも詳しく解説しています。あわせて読んでみてください。【東洋英和幼稚園】合格する願書の書き方をプロが解説/【青山学院幼稚園】合格する願書の書き方をプロが解説
まとめ
幼稚園受験には、お子様の考査中に、親御様もその場で書類を記入する園があります。これまでの受験例では、暁星幼稚園では25分ほどのアンケート、枝光学園幼稚園ではお父様用とお母様用に分かれた調査書、竹早園舎ではボールペンを使った短時間での記入が行われています。また、お茶の水女子大学附属幼稚園のように、起床時間や就寝時間、子育ての相談体制まで具体的に問われた例もあります。事前に提出する書類でも、志望理由だけでなく、家庭の教育方針、子育ての難しさ、生活や通園の実態まで書く園があります。
園によって設問は違いますが、限られた時間で問われたときに必要なのは、立派な表現ではありません。ご家庭が何を大切にしているのか。なぜそのようにお子様と関わっているのか。それを、具体的な出来事と一緒に、自分の言葉で書けることです。まずはご夫婦で、ご家庭の教育方針を200字程度にまとめてみてください。そのうえで、お子様との具体的な出来事を5つほど整理しておくと、書類にも面接にも対応しやすくなります。
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