【幼稚園受験】青山学院vs学習院|求める家庭像と考査の決定的な違い
青山学院幼稚園と、学習院幼稚園。どちらも、幼稚園から大学までつながる一貫教育の入り口として、毎年多くのご家庭が志望される園です。ただ、考査の形はかなり違います。
これまでの受験例では、青山学院幼稚園の適性テストは、親子で一緒に入室し、遊びや身体を使った活動に取り組む時間があります。一方、学習院幼稚園では、保護者面接とお子様の考査が別日に行われます。保護者面接にはお子様は同席せず、お子様の考査は親御様と離れて行われます。つまり、青山学院は、親子で一緒にいる時の関わりが表れやすい園。学習院は、親御様と離れた時に、お子様が聞き、考え、動く力が表れやすい園です。この記事では、これまでの出題傾向をもとに、2園が求める家庭像の違いをお話しします。
動画でも解説しています。
選考の形と基本情報
まず、2園の基本情報を確認しておきましょう。青山学院幼稚園は3年保育で、男児20名、女児20名の計40名の募集です。定員は男女計120名、全6クラスです。学習院幼稚園は2年保育で、男女各26名、計52名の募集です。園児数は104名。4学級で、各組26名です。
適性テストとよばれる青山学院の考査と、学習院の保護者面接・お子様の考査は、どちらも秋に、指定された日に行われます。2園の考査の時期が重なっていますので、どちらも日程が指定される園として、併願を考えていらっしゃる場合は、この点を頭に入れておいてください。日程は毎年変わりますので、出願前に必ず公式の募集要項をご確認ください。
進学についても触れておきます。学習院幼稚園は、幼稚園の推薦により学習院初等科へ進学すると公式に示されています。青山学院幼稚園は、青山学院の一貫教育の中で、初等部との連携を密にしていることを公式に掲げています。ただし、進学の条件や手続きについては、受験年度の説明会や公式資料で必ず確認してください。大学まで続くから安心、という選び方ではなく、園で過ごす数年間の教育に納得して選んでいただきたいと思います。
| 項目 | 青山学院幼稚園 | 学習院幼稚園 |
|---|---|---|
| 保育年数 | 3年保育 | 2年保育 |
| 募集 | 男児20名、女児20名(計40名) | 男女各26名(計52名) |
| 考査の形(これまで) | 親子で入室し、親子遊び・自由遊び・片づけ・読み聞かせなど | 保護者面接(保護者のみ)とお子様の考査(親と離れる)が別日 |
| 面接 | 適性テストと一部重なる時期に指定日で実施 | 保護者のみ、5分ほど |
| 表れやすいもの | 親子で一緒にいる時の関わり | 離れた時のお子様の力 |
青山学院幼稚園の求める家庭像
キリスト教保育の意味を、ご家庭の言葉で語れるご家庭
青山学院幼稚園は、神様の愛をキリスト教保育の土台とし、礼拝やお祈り、聖書のお話を大切にしています。ただし、ご家族にキリスト教を信仰している方がいなくても受験できます。大切なのは、聖書について詳しいことではありません。なぜ、神様への感謝や祈りを大切にする園で、お子様を育てていただきたいのか。キリスト教保育を、ご家庭の教育方針とどう結びつけて考えているのか。
これまでの面接では、キリスト教教育への考え方や、教会との関わりについて質問された例もあります。信者らしく見せるのではなく、ご家庭として共感していることを、自分の言葉で語れるようにしておいてください。キリスト教保育については、【青山学院幼稚園】キリスト教保育とは?プロが徹底解説!でも詳しく解説しています。
「遊びが学び」だと考えているご家庭
これまでの出願書類では、「家庭のようす」と呼ばれる資料に、青山学院で学ぶ意味、遊びを中心とした保育を希望する理由、子育てを楽しい、または難しいと感じた出来事などを記入する形式が見られました。書類の名称や項目は年度によって変わる可能性がありますが、青山学院が、遊びを保育の中心としていることは変わりません。園生活の中でお子様が自分のやりたいことを見つけ、主体的に取り組むことを望んでいます。
面接でもお父様に「ご自身の経験から、当園の遊び中心の保育についてどのように思われますか」という質問が出ています。知識や技能を早く身につけさせることだけでなく、遊びの中でお子様が何を感じ、何を考え、どう工夫するのかを大切にできるか。ご家庭の教育観が表れやすい項目です。また、子育てを難しいと感じた出来事を書く欄がある点にもご注目ください。うまくいっている話だけを並べるのではなく、悩みも含めて子育てに向き合っている姿を書いてください。
親子で体を使って遊べるご家庭
これまでの適性テストでは、複数の親子が一緒に入室し、親子遊び、お子様だけの自由遊び、片づけ、読み聞かせ、リズム遊び、指示行動などが行われた例があります。親子遊びでは、親御様のひざにお子様を乗せたり、歌に合わせて親子で身体を動かしたりする課題も見られました。遊びのコーナーには、池、おままごと、お店屋さん、お絵描きコーナー、物見台と双眼鏡、木の実転がし、三輪車、木製の電車とレールなどが用意された例があります。
リズム遊びも特徴的です。過去には「おすわりやす いすどっせ」「もちっこやいて」「おんまはみんな」といったわらべうたに合わせて、親御様のひざにお子様を乗せて揺らし、決まった歌詞のところで足を伸ばして、すべり台のようにすべり降ろす、という課題が出ています。指示行動では、音楽に合わせて、ペンギンのように親御様の足の甲にお子様を乗せて歩き回る、という課題も出ています。親子で身体を動かす中で、親御様の声のかけ方や、お子様の反応の受け止め方が表れやすくなります。
受験されたご家庭からは、「親子とも動きやすく汚れてもよい明るい雰囲気の服装で、スーツは避けるようにという指示がありました」「親子遊びでは水が張られた池があり、服を濡らして着替えていたお子さんがいました」という声が出ています。服装や上履き、着替えなどの持ち物については、受験年度の案内に必ず従ってください。形式を整える受験ではなく、本当に遊ぶ受験だと理解しておいてください。
遊びの終わりまで、丁寧にお子様と関われるご家庭
これまでの考査では、自由遊びの後に、親子で片づける時間が設けられた例があります。遊びは、始めることだけでなく、終わりまでが一つの経験です。親御様がすべて片づけるのでもなく、急に遊びを取り上げるのでもない。「あと一つ遊んだら、お片づけにしようね」「これはどこに戻すのかな」と、お子様が気持ちを切り替えられるよう支えることが大切です。
また、読み聞かせなどの活動では、親御様のそばから離れて参加する場面が設けられた年もありました。無理に離れさせるのではなく、お子様が安心して次の活動へ進めるよう、日頃から見通しを伝える関わりを重ねてください。
学習院幼稚園の求める家庭像
のびのびとした中にも、礼儀と生活習慣があるご家庭
学習院幼稚園は、自由でのびのびとした中にも、正しい価値観と、物事を成し遂げる自信を育てることを目指しています。教育のねらいには、「正直で思いやりのある心」「正しい生活の習慣と態度」「自ら育とうとする力」「社会性の基礎づくり」の4つが掲げられています。
自由だから、何をしてもよいということではありません。のびのびと自分らしく遊びながら、ご挨拶や生活習慣、お友だちへの思いやりも身につけていく。私は、こうした学習院らしい姿を、「品格あるおおらかさ」と捉えています。華やかに見せることよりも、自由と礼儀の両方を、日々の生活の中で育てているご家庭が合う園だと感じます。
共学を選ぶ理由を語れるご家庭
学習院幼稚園の面接では、お父様に「数ある幼稚園の中からどうして学習院を選んだのですか」という質問が出ています。これまでの面接では、一貫教育や、男女が一緒に育つ環境について、どのように考えているかを質問された例があります。単に「共学の方が自然だから」で終わるのではなく、異なる個性を持つ男の子と女の子が一緒に生活する中で、お子様にどのような経験をしてほしいのか、ご家庭の考えを整理しておいてください。
さらに「ご自身のこれまでの経験から、お子さんが将来活躍するために必要な力は何だと思いますか」「お子さんに対し、これだけは伝えておきたいと思うことをお聞かせください」という質問も出ています。お父様が、ご自身の人生観から語れるかどうかが問われる園です。
生活の中の常識と判断力を育てているご家庭
学習院幼稚園の考査は、お子様だけで40分ほど。6人ずつ誘導され、個別の課題と集団での課題を受けます。個別の課題の内容は、非常に生活に根ざしています。過去にはこうした課題が出ています。
数では、青と赤の車の玩具を見せられ「青い車はいくつありますか」。数と指示行動では、模擬の野菜や果物が用意され「野菜と果物を1つずつ持ってきてください」「キャベツとトウモロコシを買ってきてください」「ニンジンを2本買ってきてください」。常識では、紙コップ2個で作った6種類のマラカスが並び、中にビーズ、おはじき、鈴、米、葉っぱ、綿が入っています。先生がマラカスを振り、「どれが入っていると思いますか」と質問されます。音を聞いて、中身を推測するのです。
構成では、キャラクターの顔の福笑い。巧緻性では、洗濯ばさみを使って、お手本と同じようにウサギの耳やライオンのたてがみを作る。そして常識・判断力では、巾着袋の中を見ずに手探りで、先生が見せたものと同じものを取り出す。さらに、傘をさしている子どもの絵を見せられ「どういうお天気なのかな」、ばんそうこうを顔やひざに貼って泣いている男の子の絵を見せられ「どうしたのかな」と質問されます。
こうした力は、問題集だけで身につくものではありません。買い物に一緒に行く、料理のお手伝いをする、身の回りの音に耳を澄ませる、絵を見ながら登場人物の気持ちを考える。こうした日常の経験が、見る、聞く、触る、考える力につながります。学習院は、遊びを幼児期の重要な学習と位置づけ、主体的・自主的な活動を大切にしています。
お子様を客観的に見ているご家庭
学習院幼稚園の面接は、保護者のみで、時間は5分ほどです。たった5分ですが、質問はかなり踏み込んできます。お母様には、「現在、お子さんの身についていないこと、できないことは何ですか」「現在、お子さん自身が困っていると思うことはありますか」「子育てで難しく感じることはありますか」といった質問が出ています。できていることではなく、できていないことを聞かれるのです。わが子を美化せず、客観的に見ているかを確かめる質問だと考えてください。
面接練習では、「特にありません」と答えてしまうご家庭もあります。それでは家庭の様子が伝わりにくくなります。お子様の現在の課題を把握し、そのうえで、ご家庭でどのように関わっているかを話せると、日頃のお子様の姿と親御様の考えが具体的に伝わります。さらに、「特に手作りにこだわっているものはありますか」「ご自身がお母さまからしてもらったことで、お子さんにしてあげたいことはありますか」といった質問も出ています。日々の暮らしの手のかけ方が、そのまま問われる園です。
受験されたご家庭からは、「面接は5分程度でしたが、短い中でも家庭の様子や親の考え方をしっかり聞き取りされているという印象でした」という声も出ています。なお、出願書類には志望理由を書く欄があると伺っています。園舎見学会や説明会に足を運び、そこで感じたことを具体的に書けるご家庭が強い形式です。
考査内容の決定的な違い
これまでの青山学院幼稚園の適性テストでは、親子遊び、お子様だけの自由遊び、親子での片づけ、読み聞かせ、身体を使った活動などが行われてきました。親子で一緒にいる中で、親御様の声のかけ方、待ち方、お子様の気持ちの切り替えをどのように支えるかが表れやすい考査です。
一方、学習院幼稚園は、保護者面接とお子様の考査が別日に行われます。お子様は親御様と離れ、個別の課題、歌やリズム、自由遊び、運動、身体表現などに取り組んできました。運動では、ジャンプ、スキップ、ケンパー、片足バランス、先生と一緒に風船をつく、といった課題が出ています。言葉の課題では、「どんなときにお父さんやお母さんにしかられますか」という質問まで出ます。親御様がそばにいない時に、先生のお話を聞き、自分で考え、集団の中で動く姿が表れやすい考査です。
つまり青山学院は、一緒にいる時の親子関係。学習院は、離れた時のお子様の力。どちらもご家庭での育ちを大切にしていますが、それが表れる場面が違います。なお、考査の内容、時間、人数は年度によって変わることがあります。各園の詳しい情報は、【青山学院幼稚園】受験情報ガイド プロが総まとめや、【学習院幼稚園】受験ガイド総まとめ|倍率・学費・考査・面接・願書を一挙解説もあわせてご覧ください。
まとめ
青山学院幼稚園は、キリスト教保育と遊びを土台に、親子で一緒に遊ぶ時の関わり方や、遊びの終わりまでお子様を支える姿が表れやすい園です。学習院幼稚園は、自由でのびのびとした中にも、礼儀や正しい生活習慣を大切にし、親御様と離れた時に、お子様が自分で聞き、考え、動く姿が表れやすい園です。
青山学院は、親子で一緒にいる時の声のかけ方と待ち方。学習院は、お子様が一人になった時の生活力と判断力。どちらも一貫教育の入り口ですが、考査で表れやすい親子の姿と、ご家庭に必要な準備は異なります。最新の内容は、募集要項でご確認ください。
「わが家に合った準備の進め方を知りたい」という方は、うみ塾長の個別相談や、家庭対策サポートをご活用ください。
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