幼稚園受験のお悩みを伺っていると、「お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールのどちらに通わせるかを悩んでいます」という相談を受けることがあります。
幼児期はお子様の人格形成に重要な時期ですから、どのような環境でお子様を育てるべきなのか悩んでしまいますよね。
お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールにはそれぞれに魅力がありますから、迷ってしまうのも仕方ありません。
そこで本記事では、お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールの違いについてわかりやすく解説します。どちらにもメリットとデメリットがありますので、最後までご覧いただき、お子様にとって最良の選択をしていただけたらと思います。
お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールの比較をする前に
さて、お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールの比較をする前に、それぞれの定義を確認しておきましょう。
お受験幼稚園
お受験幼稚園という言葉は、2つの意味で使われることがあります。
1つ目は、小学校受験に強い幼稚園という意味です。
ほとんどの園児が小学校受験をする幼稚園で、名門小学校や難関小学校と呼ばれる小学校に多くの卒園生を排出しています。
幼稚園の教育内容が小学校受験に有利に働くことが多く、小学校受験を見通して幼稚園選びをするご家庭にとって、魅力的な幼稚園になっています。
2つ目は、お受験をして入園する幼稚園という意味です。
基本的に私立幼稚園は、何かしらの選考を受けて入園することになります。
しかし、受験に否定的な方針を掲げていたり、定員割れをしていたりする幼稚園では、実質的な考査がほとんどなく、願書の提出と簡単な面接のみで入園の可否が決まることがあります。
一方で、お受験幼稚園は、書類審査、行動観察、親子面接などで、厳密に考査が行われます。
本記事では、お受験幼稚園を後者の意味で用いることとしますのでご留意ください。
インターナショナルプリスクール
インターナショナルプリスクールは、英語保育園とも呼ばれる施設です。
インターナショナルプリスクールという言葉の厳密な定義はありませんが、日本では「英語で保育や教育が行われる未就学児が通う施設」という認識で大丈夫でしょう。
また、インターナショナルプリスクールは認可外保育施設であることが多く、教育内容や保育時間はプリスクールによって大きく異なる点にも注意が必要です。
お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールを比較
今回は、「対象年齢と入園条件」「育つ力」「進路」「費用」「メリットとデメリット」の5つに分けてお受験幼稚園とインターナショナルプリスクールを比較していきます。
対象年齢と入園条件
お受験幼稚園は、3年保育なら3歳児〜5歳児、2年保育なら4歳児〜5歳児が対象です。入園条件は、受験に合格すること。基本的に受験の機会は1回限りで、入試で合格できなければそのお受験幼稚園への入園は叶いません。
一方のインターナショナルプリスクールは、対象年齢がプリスクールによって異なります。0歳児から受け入れているところもあれば、3歳児から受け入れているところもあります。また、入園条件として英語力や国籍を条件としているところもありますが、入園資格を特に設けていないプリスクールもあります。入園を随時受け付けているプリスクールも多く、5歳児になるまで任意のタイミングで入園することができます。
育つ力
お受験幼稚園は、文部科学省が定めた幼稚園教育要領に則って教育を行います。幼稚園は学校教育の基礎であるという考え方があり、幼稚園で育む力を「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として整理しています。具体的には、「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」の10個です。また、幼稚園それぞれに特色のある教育を行っており、英語、芸術、食育、宗教、自然体験、先取り学習など、育てたい力を独自に打ち出している幼稚園もあります。
一方で、インターナショナルプリスクールは認可外ということもあり、共通した教育方針や教育指針はありません。ただ、英語での保育・教育を行うことから、英語力、表現力、異文化理解、コミュニケーション能力などが育ちやすい環境になっています。英会話教室と異なり、英語圏での生活を再現したような保育・教育がされますので、異文化への理解が深まることでしょう。
進路
お受験幼稚園は、系列の私立小学校に内部進学するか、国立小学校や私立小学校を受験するご家庭が大半です。もちろん公立小学校や海外の学校へ行くお子様もいらっしゃいますが、基本的には大学進学までの進路を見据えて、国立小学校や私立小学校へ進学します。
インターナショナルプリスクールへ通うお子様は、インターナショナルスクールに入るか、国際教育が盛んな私立小学校を受験するお子様が多くなっています。せっかくインターナショナルプリスクールで英語力が培われるわけですから、その英語力を活かした進路を選択することが多くなるわけですね。
費用
お受験幼稚園の費用感は、年間で16万〜31万円といったところです。私立幼稚園では、入園料、保育料、教材費、学用品代、給食費、学校外活動費などがかかります。3年保育なら3年間で100万円程度を見積もっておけば大丈夫でしょう。また、寄付金を求められることもあり、その場合はプラスで数万円から数十万円を見積もっておきましょう。
インターナショナルプリスクールの費用感は、年間で100万円〜200万円といったところです。プリスクールによって大きく料金が異なりますので、これより高額なプリスクールもあります。0歳児から6年保育を受けたとしたら、1,000万円以上の費用がかかることもありますので、しっかりと費用を見積もっておくことが大切です。インターナショナルプリスクールは認可外施設であることが多く、一部のプリスクールを除き、2019年から始まった保育料無償化の対象外になっています。
メリットとデメリット
お受験幼稚園のメリットは、国立小学校や私立小学校への円滑な接続ができることです。内部進学という形で進路を確保できたり、小学校受験にも通じる力を養ってくれたりするので、小学校以降の進路選択がしやすくなっています。また、幼稚園独自の特色ある教育や充実した環境もお受験幼稚園の魅力です。一方で、お受験幼稚園は、インターナショナルプリスクールと比較すると多文化理解には弱い傾向があります。同じような価値観のご家庭が集まりやすく、多様性を学ぶ場所としての役割を期待することは難しいでしょう。また、延長保育がない園もありますので、共働きのご家庭は選択肢が絞られてしまう可能性もあります。
インターナショナルプリスクールのメリットは、早期の英語教育が受けられることです。生活言語が英語ですので、日常的に英語のシャワーを浴びることで自然と英語を身につけることができます。また、英語圏での習慣や価値観に基づいた生活を送るため、国際感覚が身につきやすいのもメリットです。しかし、早期の英語教育を受けさせることで、英語と日本語の習得がどちらも中途半端になってしまう可能性がある点に留意しなければなりません。インターナショナルプリスクールに通われた方で、「小学校入学後に英語力が落ちた」「日常会話はできるが語彙が幼児期のまま」「他の子より日本語の習得が遅れている」などのお悩みを持つ方もいます。インターナショナルプリスクールを卒業する際に、小学校受験をして国立・私立小学校への進学を目指しているなら、日本語の語彙や文化についてしっかり学んでおくことが必要になりますので、小学校以降の進路も踏まえてよく検討する必要があります。
お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールでは、「対象年齢と入園条件」「育つ力」「卒園後の進路」「費用」が大きく違います。また、それぞれにメリットとデメリットがあることがわかっていただけたと思います。
お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールを比較まとめ
今回は、お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールを、5つ観点で比較しました。どちらの施設にもそれぞれに魅力がありますが、しっかりと比較して、納得した上で選ばないと後悔してしまうことになりかねません。なぜ私立幼稚園に通わせたいのか、インターナショナルプリスクールでどのような力を身につけさせたいのか、お子様にどのような人間に育ってほしいのかなどを踏まえて、今一度子育てや受験について考えるきっかけにしていただけたらと思います。なお、お受験幼稚園もインターナショナルプリスクールもそれぞれに特色がありますので、説明会や見学会に参加したり、体験保育を受けてみたりして、親御様のご意向やお子様の特性に合うところを選ぶようにしてあげてくださいね。
もし「お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールのどちらに通わせたらいいのか決められない」という方がいらっしゃいましたら、私が提供する「幼稚園受験個別相談」をご利用いただくのはいかがでしょうか。
これまで多くのお子様を見てきた経験から、親御様の要望やお子様の特性を踏まえて、お受験幼稚園とインターナショナルプリスクールのどちらに通わせるべきかを一緒に考えさせていただきます。子育ての悩みや受験の悩みも、お気軽にご相談くださいね。また、幼稚園受験の願書作成のサポートや面接レッスン、対策サポートなども行っていますので、幼稚園受験に向けたお手伝いもさせていただきます。
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