【2025.03.31 メディア掲載】
ベネッセ教育総合研究所様のWEBメディア「ベネッセ教育情報」に取材いただいた「願書における家庭教育方針の書き方と記入例」が掲載されました。
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幼稚園受験お悩み解決

幼稚園受験のデメリットを元面接官が分かりやすく解説

幼稚園受験のデメリットを元面接官が分かりやすく解説
うみ塾長
うみ塾長

「小さいうちからお勉強させるなんてかわいそう。」

「幼稚園受験なんて、親の自己満足。」

そんな話を耳にすると、幼稚園受験をするかどうかためらってしまいますよね。

しかし、受験には、お子さまにも親御様にもたくさんのメリットがあります。基本的にはデメリットよりもメリットの方が大きいため、幼稚園受験をするかどうか迷ったら受験することをお勧めしています。

さて、幼稚園受験はメリットの方が大きいとお話ししましたが、デメリットがあるのも事実です。正しくデメリットを理解して幼稚園受験に臨まないと、「受験なんてしなければよかった。」と後悔してしまうことになりかねません。

そこで本動画では、幼稚園受験元面接官である私が、幼稚園受験をするデメリットとその対応策について具体的に解説します。正しくデメリットと対応策を理解しておくことで、本当の意味で幼稚園受験を成功させることができます。幼稚園受験をさせようか迷っている方はもちろん、幼稚園受験に向けて日々の育児をがんばっていらっしゃる親御様にもぜひ最後までご覧いただきたい内容になっています。

幼稚園受験のデメリット

お子さまの負担になる可能性がある

例えば、座っているのが苦手なお子さまにとって、じっと座ってお話を聞く練習はかなりの負担になります。また、幼稚園受験の対策を通していろいろな大人や同年代のお子さまと接する機会が増えるため、人見知りのお子さまはストレスを抱えてしまうかもしれません。さらに、トイレトレーニングや服の着脱など、基本的な生活習慣を身につけさせるのにはそれぞれ適した時期がありますので、特に早生まれのお子さまにとっては負担が大きいでしょう。

幼稚園受験の対策をする中では、できないことを注意されたり、できるまで繰り返し練習したり、時には叱られたりすることもあるかもしれません。何度も注意を受けていると、「できないこと=悪いこと」と考えてしまって、失敗を恐れてチャレンジしようとしないお子さまに育ってしまうかもしれません。また、繰り返し注意を受けることは、お子さまの自己肯定感の低下を招いてしまう可能性もあります。

中には、親御様の不安や焦り、苛立ちなどの感情に敏感で、親御様からのプレッシャーに耐えられないお子さまもいらっしゃいます。ひどい時には、チック症状や不安障害を引き起こしてしまうこともあります。本来であれば、安心感を与えてあげるべき親御様が、お子さまに不安感を与えてしまっては、元も子もありませんよね。

このような状況に陥らないように、親御様のマインドセットを整えていただくことを意識してみてください。幼稚園受験は早期教育を目的としたものではありませんから、できないことを無理矢理やらせたり、過度な期待をかけたりするのはよくありません。まずはお子さまのできることに目を向けて、お子さまの成長に合わせてできることを増やしていきましょう。ただし、お子さまの成長を待っているだけでは受験対策が十分にできませんので、お子さまの特性に合わせて効率のよい対策をするように心がけてください。

 

親御様の負担になる可能性がある

幼稚園受験は、親御様の経済的・時間的・精神的な負担になることもあります。

例えば、幼稚園受験をするために幼児教室に通ったり、教材を購入したり、模擬試験を受けたり、服装や身なりを整えたりすると、決して少なくはないお金がかかります。

また、お子様の送迎、幼稚園の説明会への参加、幼児教室の親御様向けセミナーへの参加、願書作成、面接対策など、時間的にも負担がかかります。

さらに、どうしてもお子さまの「できないこと」に目が行ってしまい、他のご家庭のお子さまと比べてしまって「どうしてうちの子はできないのだろう」と悩む親御様も少なくありません。

このような親御様の負担を軽減するためは、見通しを持って受験準備を進めることが大切です。幼稚園受験の目標をご家庭で共有すること、無理のない予算で無理のないスケジュールを立てること、困った時の相談相手を見つけることなど、しっかりと見通しを持って受験対策を進めましょう。

 

「できる」「できない」という価値観が強くなる

お子さまによって特性が異なるのは当然のことです。しかし、幼稚園受験というフィルターを通してお子さまを見てしまうと、何かが「できる」「できない」という価値観で判断してしまうことが多々あります。

例えば、「うちの子はボタン付きの服の着脱ができない」「おもちゃの片付けが苦手」「はさみを使った工作が雑」「自分から挨拶できない」など、何かが「できない」ということに意識が向いてしまいます。しかし、お子さまによって発達の特性は異なるので、できないことを無理にさせようとするのはお子さまの成長にマイナスになってしまうこともあります。特に、いわゆる「大器晩成」タイプのお子さまは、幼稚園受験が向かないこともあります。

また、デメリットの1つ目でも解説したように、お子さまも「できる子=よい子」「できない子=悪い子」という思考になってしまうことがあり、大人の顔色を伺いながら親の期待に応えようとする、いわゆる「いい子症候群」になってしまう可能性もあります。

このような価値観で物事を判断しないためには、「お子さまの成長を支える」という視点を持つことが大切です。例えば、別のお子さまと比較するのではなく、過去のお子さまと比べてできるようになったことを認めて褒めてあげましょう。また、お子さまの成長を支えるためには、言葉の選び方も重要です。「どうしてできないの?」「何度言ったらわかるの!」という言葉よりも、「もうちょっとでできそうだね!」「できるまで一緒にがんばってみよう!」という前向きな言葉を使うことで、お子さまの成長を支えてあげることができます。

 

不合格になったときのリスク管理が必要

幼稚園受験では、「合格」「不合格」という結果がはっきりと出ることになります。万が一不合格になったとき、それまで注ぎ込んできたお金、時間、努力などがすべて水の泡になってしまったように感じてしまう親御様もいらっしゃいます。また、希望する幼稚園に入れなかったことに落胆して、他の幼稚園で有意義に3年間を過ごせない方もいらっしゃいます。そのため、不合格になったときにどのようにするか、メンタルコントロールも含めてしっかりとリスク管理をしておくことが大切です。

リスク管理をする上で最も大事なのは、合格することそのものを幼稚園受験の目標にしないことです。例えば、お子さまがピアノ教室に通っていることを考えてみてください。もしお子さまがコンクールで賞を獲らなければ、ピアノ教室に通うのは無駄だったのでしょうか。あるいは、スイミングスクールに通わせた場合、水泳大会でメダルを獲らなければスイミングスクールに通わせる意味がなかったのでしょうか。このような視点から幼稚園受験を考えると、合格そのものを目標にするのは適切ではないことに気づけるはずです。

もちろん、合格を目指して受験準備を進めるのは悪いことではありませんし、むしろ、入りたい幼稚園を目指して受験を頑張るのは当然のことです。しかし、幼稚園受験は、結果だけがすべてではありません。お子さまが不合格になったときでも、「不合格になったけれど、子どもの成長のためにも、私たち家族にとっても有意義な経験だったな。」と思えるように、メンタルコントロールをしておくことが大切です。

また、希望する幼稚園に不合格になったときのことを想定して、どの幼稚園・保育園・認定こども園に通わせるのかも考えておく必要があります。地域によって異なりますが、私立幼稚園の受験は10月から11月ごろに行われることが多いのに対して、公立幼稚園や認定こども園の願書受付は9月から10月に行われることが多いので注意してください。また、小学校受験を見据える場合には、いつから準備を始めるのかも見通しておくようにしましょう。

 

このように、幼稚園受験にはメリットがある一方でデメリットもあります。そのため、デメリットを正しく理解してリスク管理をすることで、幼稚園受験を成功に導けるようにしていただけたらと思います。

 

それでは本動画のまとめです。

 

幼稚園受験のデメリットは、

 

  1. お子さまの負担になる可能性がある
  2. 親御様の負担になる可能性がある
  3. 「できる」「できない」という価値観で判断するようになる
  4. 不合格になったときのリスク管理が必要

 

の4つです。

 

以上で、幼稚園受験におけるデメリットの解説を終わります。今回の動画を参考に、幼稚園受験のデメリットを正しく理解していただき、親子で受験を成功へと導いていただけたらと思います。ぜひ、お子さまにとってよりよい選択をしてあげてくださいね。

 

藤川海美 (ふじかわ うみ)
うみ塾長
お受験教室代表。
願書作成や面接対策、受験指導など小学校受験のことなら何でもお任せ!
願書作成97%、面接レッスン93%、受験指導100%
など驚異の合格実績を誇る。

株式会社Bright Future Family 代表取締役。 元お受験幼稚園の面接官として、数多くの願書を審査し、親御様やお子様の面接を担当。長年の経験を活かし、小学校受験指導に従事。
自らも我が子の小学校受験を経験し、親の立場から見た受験の厳しさを理解。親子が第一志望校に合格するためのサポートを使命とし、命をかけて指導に取り組む。
教育者としての経験と親としての視点を融合させた指導が特徴。
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