幼稚園受験では、
「座っていられること」も大切な評価ポイントのひとつとされています。
そのため、
・うちの子はじっと座っていられないけれど大丈夫でしょうか
・試験中に立ち歩いてしまわないか心配です
といった不安を抱える保護者の方も少なくありません。
ただし、2〜3歳のお子さまにとって、長時間じっと座り続けることは決して簡単ではありません。
大切なのは、
「座っていられない=不合格」
と捉えるのではなく、なぜ座っていられないのかという原因を理解し、お子さまに合った対策を取ることです。
ここでは、幼稚園受験期のお子さまが座っていられない主な原因と、家庭でできる具体的な対策について解説します。
幼稚園受験で座っていられない主な原因
お子さまがじっと座っていられない背景には、ひとつの理由だけでなく、複数の要因が重なっていることも多くあります。
代表的な原因を整理して見ていきましょう。
刺激に対する感受性が高い
視覚や聴覚など、周囲の刺激に敏感なお子さまは、
・周囲の話し声
・人の動き
・光や物の配置
といった刺激が気になり、集中を保つことが難しくなる場合があります。
環境の影響
特別な特性がなくても、
・物が多い部屋
・人の出入りが多い場所
・おもちゃや動く物が視界に入る環境
では集中力が下がりやすくなります。
自宅では座れていても、幼児教室や試験会場で難しくなるケースも珍しくありません。
不安や緊張など精神的な要因
慣れない場所や雰囲気に不安を感じると、
・無意識に身体を動かす
・保護者の方へ近寄ろうとする
といった行動が見られることがあります。
本番だけ落ち着かなくなる場合は、緊張の影響が考えられます。
生活リズムの影響
以下のような状態は、集中力の低下につながります。
・睡眠不足
・空腹
・疲労がたまっている
「今日はうまくいかない」と感じる日は、生活リズムを振り返ってみることも大切です。
身体機能がまだ未成熟
体幹や下半身の筋力が十分でないと、
・姿勢が崩れる
・もぞもぞ動く
・床に寝転んでしまう
といった様子が見られることがあります。
指示理解や見通しが持てていない
・なぜ座るのか
・どれくらい続くのか
が理解できていないと、座る行動につながりにくくなります。
イヤイヤ期のお子さまは、指示そのものに反発してしまうこともあります。
座り心地の問題
・椅子の高さが合わない
・座面が硬い、冷たい
・感覚的に違和感がある
といった理由で、座っていられなくなることもあります。
発達特性の影響
多動性や衝動性が強い場合、短時間でも着席が難しいことがあります。
ただし、座っていられない=発達障害と決めつける必要はありません。
必要に応じて専門機関へ相談することもひとつの方法です。
座っていられる力を育てるための対策
原因に応じて、無理のない方法で取り組むことが大切です。
生活習慣を整える
・十分な睡眠
・規則正しい食事
・適度な活動
を意識することで、集中力や情緒の安定につながります。
身体機能を高める運動を取り入れる
おすすめの取り組み例として、
・くま歩きなどの動物歩き
・ボール遊び
・バランス遊び
など、遊び感覚で体幹を育てる運動があります。
事前の声かけと事後の承認
・「ここまで座れたら終わり」
・「◯分だけ一緒にやろうね」
と見通しを伝え、できた後はしっかり認めてあげましょう。
環境を整える
・刺激の少ない場所で始める
・椅子や机の高さを確認する
など、集中しやすい環境づくりが大切です。
遊びを通して座る練習をする
・絵本の読み聞かせ
・ボードゲーム
など、「座ること=楽しい経験」と結びつけていきましょう。
事前に身体を動かす
座る前に軽く体を動かすことで、集中しやすくなるお子さまもいます。
療育グッズを活用する
・体幹をサポートする椅子
・感覚統合を意識したグッズ
などを活用するのも一案です。
まとめ
幼稚園受験期に座っていられない理由は、
・発達
・環境
・精神状態
などが複雑に関係していることが多くあります。
無理に矯正するのではなく、原因を見極め、お子さまに合った方法で少しずつ取り組むことが大切です。
また、この時期の特性によっては、幼稚園受験が合わない場合もあります。
その場合、小学校受験を視野に入れるという選択肢もあります。
「座っていられない」という悩みは決して珍しいものではありません。
焦らず、お子さまの成長に寄り添いながら受験準備をしてください。
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