「面接ではどんな質問をされるの?」「子どもが答えられなかったらどうしよう…」
幼稚園受験を控える保護者の多くが、もっとも不安を感じるのが“面接”です。
実際、幼稚園の面接では子どもの受け答えだけでなく、家庭の教育方針や親の姿勢、園との相性まで総合的に見られています。
この記事では、よくある質問例から答え方のコツ、家庭での練習方法まで具体的に解説します。
迷ったら参考にしてみてください。
1.幼稚園受験の面接はどんな目的で行われる?
幼稚園の面接は、いわゆる“学力試験”ではありません。
子どもが園生活を安全・安心に過ごせるか、家庭が園の教育方針と合うかを確認するために行われます。
●面接の位置づけ
多くの園では、面接は以下の一つとして実施されます。
・願書の内容の確認
・子どもの性格や基本的生活習慣の把握
・家庭の教育観の理解
・園の雰囲気との相性を見る
行動観察や制作活動と異なり、面接は「言葉でのコミュニケーション」を通して家庭像を知ることが目的です。
●面接で見られている3つの視点
面接では下記のようなポイントをチェックされることとなります。
- 子どもの基本的生活力・人との関わり方
・挨拶ができる
・名前を言える
・落ち着いて座れる
・初対面の大人と簡単な受け答えができる
など、日常生活での姿を確認します。
- 保護者の教育方針・家庭環境
・家庭のしつけや生活リズム
・親が子どもにどんな関わりをしているか
・園と価値観が一致しているか
“親がどんな人か”は幼稚園受験では非常に重要視されます。
- 園との相性
園の教育理念に合う家庭かどうかは、入園後のトラブル防止にも直結します。
言葉だけでなく、受け答えの雰囲気や態度も含めて総合的に判断されます。
☆面接対策に不安がある方へ: 幼稚園受験 面接レッスン
2.子どもへの質問例と答え方のコツ
まずは、お子さんに対するよくある質問例と答え方のコツを見ていきましょう。
よく聞かれる定番質問
幼稚園の面接で特に多いのが次の質問です。
| 「お名前を教えてください」
「今日は誰と来ましたか?」 「好きな遊びは何ですか?」 「おうちではどんなお手伝いをしますか?」 「お友達とけんかしたらどうしますか?」 |
どれも特別な答えを準備する必要はなく、子どもが普段どおりの言葉で話せるかどうかが最も大切です。
面接官は子どもの語彙力そのものよりも、「家庭での会話の質」や「日常生活の積み重ね」を見ています。
答え方のポイント
- 暗記ではなく「自然な受け答え」が大切
丸暗記させると、緊張した瞬間に言葉が出なくなるだけでなく、機械的な答えになり“家庭の育ち”が伝わりにくくなることもあります。
面接官が知りたいのは「家庭の雰囲気」「親子のコミュニケーション」が日常的にあるかどうかです。
そのため、
・短くてもいい
・完璧でなくていい
・子どもらしい言葉でOK
という前提で練習するのがポイントです。
●自分の言葉で話せる練習法
家庭でできる練習は、むしろ“シンプルで遊びの延長”くらいが効果的です。
■おうちインタビュー
親が「今日は何して遊んだ?」「どれが一番楽しかった?」など、日常の延長で簡単な質問をし、会話のキャッチボールに慣れていきます。
短い受け答えを積み重ねるだけで、本番で目指す“自然な会話”に近づきます。
■ぬいぐるみ面接
ぬいぐるみを面接官役にして「お名前は?」「好きな遊びは?」と遊びながら練習します。
緊張しがちな子どもでも、遊びモードだとスラスラ言えることが多いのが特徴です。
■質問カード遊び
小さなカードに質問を書き、子どもが引いた質問に答えるだけ。
「どんな質問が来るか分からない」という体験が、本番の臨機応変さにつながります。
こうした遊びを続けていくと、“答えを覚える”から“言葉が自然と出てくる”状態へ近づいていきます。
●緊張しやすい子どもへのサポート方法
面接に強い・弱いは性格だけでなく、当日の安心感で大きく変わります。
・朝の支度や移動中に注意や叱責をしない
・「失敗してもいいよ」「楽しもうね」と肯定的な声かけをする
・面接室に入る前に、親子で深呼吸を3回する
・待ち時間に静かにスキンシップ(手をにぎる・背中をトントン)
これだけで子どもの表情が驚くほど柔らかくなり、受け答えも落ち着きます。
また、親が緊張すると子どもにも伝わるため、保護者自身が“ゆっくり・穏やかに動く”こともサポートの一部です。
3.保護者への質問例と答え方のポイント
面接の本番で、実は“もっとも差がつきやすい”のが保護者の受け答えです。
同じ内容でも、話し方・具体性・家庭らしさによって印象は大きく変わります。
よく聞かれる定番質問
幼稚園の面接で保護者の方によく聞かれるのが次の質問です。
| 「本園を志望された理由を教えてください」
「ご家庭で大切にされている教育方針は?」 「お子さまの長所・短所を教えてください」 「普段どんな遊びをしていますか?」 「園生活で心配なことはありますか?」 |
これらはすべて、願書に書いた内容の“裏づけ”を確認する質問でもあります。
そのため、願書と面接が自然につながっていることが重要です。
答え方のコツ
- 園の教育理念 × 家庭の考え方を一致させる
園の教育理念を理解したうえで、「その理念と家庭がどう重なるか」を話せると説得力が一気に上がります。
例えば、
・見学時に心に残った言葉
・園だよりや公式HPで共感したフレーズ
・家庭の実践とつながるポイント
これらを踏まえて話すと、単なる“志望理由”ではなく、家庭の価値観が明確に伝わる志望理由になります。
| 例文
「先生が“子ども主体の保育”を大切にされていると伺い、家庭でも子どもの挑戦を見守りながら自立を促す関わりを意識しているため、とても共感いたしました。」 |
無理に飾る必要はなく、共感した理由+家庭での実践をセットで語るのがコツです。
- 感情的ではなく “事実+思い” で伝える
保護者の回答が抽象的だったり感情表現だけに偏ると、園側は家庭像をイメージしにくくなります。
・事実(具体的な行動・エピソード)
・そこから感じている親の思い
この2つを合わせるだけで、回答が一段階引き締まります。
| NG例
「うちの子はとても優しい子なんです!」 OK例 「遊びの中で自然とお友達を助ける姿が多く、その行動が子どもの長所だと感じています。」 |
エピソードが“短い一言”でも、園側には日常の様子が伝わりやすくなります。
- 願書との一貫性が重要
面接は願書の内容を深掘りする場でもあるため、願書と面接の答えが微妙に食い違うと、園側は家庭への理解に不安を感じます。
例えば、
・願書では「外遊びが好き」と書いているのに、面接で「家の中で遊ぶほうが多い」と言ってしまう
・志望理由の軸が家庭によって違う
・夫婦で回答の方向性がズレている
こうした小さな不一致は、園側に「準備不足」「家庭内で共有できていない」という印象を与えかねません。
そのため、
・願書を夫婦で読み返す
・想定質問と照らし合わせる
・家庭として“何を大切にしているか”を言語化する
というプロセスがとても大切です。
内容を揃えておくことで、どの質問が来てもブレない家庭像を提示できます。
☆願書の基本から志望動機の書き分けまで詳しく解説
幼稚園願書の書き方
4.家庭でできる面接練習の方法
面接は、特別な訓練よりも日常の積み重ねの延長で行う練習が最も効果的です。
家庭でコツコツと練習することで、子どもの自然な会話力や落ち着きが育ち、本番でも普段の姿を発揮しやすくなります。
●ごっこ面接の練習ステップ
質問に慣れる(会話のキャッチボール)
まずは「やりとりのリズムに慣れる」ことを目標にします。
最初は1~2問で十分で、短い質問→短い答えのテンポをつかむだけでOKです。
「お名前を教えてください」
「好きな遊びは何ですか?」
など、日常会話の延長で取り入れると、子どもが構えず答えられます。
礼儀・立ち方・目線をそろえる
言葉の練習と同じくらい大切なのが、姿勢や所作の“形”を身につけることです。
・入室時の「お願いします」
・イスに座る時の動き
・面接官の方向を見る(目を見る必要はなく“顔のあたり”で大丈夫)
姿勢や所作は子どもが一度覚えると、本番でも安定した印象につながります。
「形の練習」は短時間で効果が出るので、家庭で取り入れやすいポイントです。
模擬面接で自信をつける
ある程度慣れてきたら、実際の流れに近い模擬面接を行います。
| 呼ばれて入室する
親子で座る 質問に答える 退室する |
この一連の流れを経験しておくと、当日の緊張が大幅に軽減されます。
さらに、スマホで録画をして後から見返すと、
・姿勢のクセ
・声の大きさ
・話すスピード
など、自分では気付きにくい改善点が見えてきます。
●保護者も一緒に練習することが大事
子どもだけが練習しても、当日の雰囲気や流れが親子で揃っていないと面接では良い印象につながりません。
とくに幼稚園の面接では、親の落ち着きや話し方が子どもに直結します。
・答える順番
・志望理由の軸
・家庭で大切にしている教育観
こうした内容を夫婦で共有し、「どちらが聞かれても同じ方向性で答えられる状態」を整えておきましょう。
親が落ち着いていると、子どもも自然と安心します。
●録画して振り返る
録画はもっとも効果的なセルフチェック方法です。
普段は気づかない、小さなクセに気づくきっかけになります。
| チェックしたいポイント
・姿勢が前のめりになっていないか ・声が小さすぎないか ・話すスピードが速くなっていないか ・緊張で表情が固くなっていないか |
録画を見返すと、改善点が視覚的にわかり、たった1〜2回の練習でもグッと印象が変わります。また、子ども自身も「こんなふうに話せてるんだ」と自信を持つきっかけになります。
5.不安を感じたらプロに相談を
「何をどう準備すればいいのか分からない…」
「家庭だけで練習すると不安」
という声はとても多いです。
幼稚園受験は、プロと一緒に準備すると安心感も成功率もぐっと高まります。
●専門講師の模擬面接で弱点が分かる
本番さながらの面接を体験すると、
・声の大きさ
・答え方のクセ
・親子の連携
など、家庭だけでは気づけないポイントが明確になります。
☆生活習慣・行動観察・面接対策を総合サポート
●個別相談で“その家庭に合わせた”アドバイスがもらえる
「うちの子は落ち着きがない」
「人見知りで声が出ない」
「夫婦で答えが揃わない」
といった悩みは、家庭ごとに原因が異なります。
一度プロに相談することで、短期間で改善できることが多いです。
☆お子さまの性格やご家庭の状況に合わせて最適な対策を提案
まとめ
幼稚園受験の面接で求められるのは、完璧な受け答えではなく “日常の育ち” です。
大切なのは、
・自然な会話
・基本的な生活習慣
・家庭の一貫した教育方針
・園との相性
といったポイントです。
これらを日頃から積み重ねていれば、面接で無理に飾る必要はありません。
少しでも不安を感じたら、早めに専門家のサポートを受けることで当日の安心感が大きく変わります。
親子にとってベストな形で本番を迎えられるよう、できる準備から始めていきましょう。
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